30 新魔王国の再興編 エピソード16 part 1
アリス
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アリスは、ミクリとフノンを呼び出した。
アリス「2人に最初に謝っておきます。ごめんなさい。実は、新魔王国を早く作って安定させることが、魔王たちとの約束だから、当分の間は、新魔王国に注力するので、一緒に行動できない。ごめんなさい。」
ミクリ「そうだね。話しは聞いているから、まあ、仕方ないって。」
フノン「そうだよ。当分はミクリと2人で冒険しているから大丈夫だよ。結構強くなったしね。」
アリス「とっとと終わらせて、合流するから。
それから、お願いがあるけど。」
ミクリ「なに?」
アリス「また困った時は連絡するから、飛んできて助けて欲しいんだけど。」
ミクリ「そんなことか。もちろん助けるよ。」
フノン「そのときは、もっと強くなっているからね。力になれると思うよ。」
アリス「ありがとう!じゃまたね。」
アリスは別れを惜しむ間もなくすぐに出て行った。
ミクリ「あーあ。行っちゃったね。」
フノン「アリスはいつも先行して行動していたからね。
いつも一直線に突っ走っているから、こっちは大変だったけど。いないと寂しいね。」
ミクリ「大丈夫でしょ。すぐに冒険に戻ってくるから。同じことをずっとやっているタイプじゃないからね。」
フノン「そうだね。なぜか続かないよね。」
2人は笑って、また冒険に行った。
一方のアリスは、すでにワープして北の魔王城にいた。
アリス「ディアブロ。アンデッド兵をお前に預けるから有効に使って欲しい。魔獣オークキングと魔族ファルコンと暗殺魔族のアシンの3人だ。魔王国としては、シンボルになると思う。」
ディアブロ「御意に」
アリス「それから、魔族に人間を襲わないように教育して欲しい。もちろん。悪い人間は放置しなくていいが、できるだけ殺さないように。正当防衛は構わない。
新しい魔王が誕生したことは、腕自慢の冒険者がドンドンやって来るのは明白の事実である。その対策もしておく必要がある。」
ディアブロ「それに関してすでに考えがございます。」
アリス「どんな考えだ?」
ディアブロ「実は、ブラックナイトと魔族の巨神は覚えてますか?」
アリス「あぁ。もちろん。闇の魔王の右腕、つまり側近だろ。苦労したよ!倒すの!それがどうした?」
ディアブロ「彼らをアンデッド兵として、蘇らせるのです。」
アリス「それができたらすごいけど、ジェイドは無理そうな感じだったぞ。」
ディアブロ「私が蘇らせるのです。リバース・アンデッド位なら私も使えますので。」
アリス「そーなんだ。使えるんだ。そっか。暗黒神だもんね。当たり前なんだよね。
よし!許可する。ただし、そいつらは強過ぎるから、手加減させてくれよ。」
ディアブロ「御意に」
アリス「それじゃ。魔王城の守護は大丈夫だな。
次に、ほとんどいなくなった魔族を増やして行かないといけないが、何か考えはあるか?」
ディアブロ「アリス様は、魔の沼を覚えてますか?」
アリス「あぁ。魔物が湧いて出てくるやつね。
それがどうした?」
ディアブロ「あの魔の沼を魔王城の周りに配置しようと考えています。生まれた魔物は、ブラックナイトに管理させます。」
アリス「なるほど、それはいい考えだ。もちろんディアブロは魔の沼を作れるって言うんでしょ。」
ディアブロ「御意に」
アリス「わかった。許可しよう。」
ディアブロ「ありがとうございます。」
アリス「アルテミス!出てきて。」
アルテミス「なんでしょう。」
アリス「アルテミスはゲルデヘルム魔王国の外相になって、近隣国との関係改善をして欲しい。
ゲルデヘルム魔王国とエルムガンド帝国は友好関係にあったはず。その関係を続けながら、シグナス王国との友好関係も築いて欲しい。
ディアブロだと占領しそうだから、ここは聡明なアルテミスにお願いしたい。」
アルテミス「わかりました。主人様の言う通りにいたします。」
アリス「アルテミス。もう一つお願いしたいことがある。」
アルテミス「なんでしょう?」
アリス「ゲルデヘルム魔王国の中にある街道に、魔王城の通路のような次元廻廊の迷路を作って欲しい。
アルテミスは魔王城の迷宮の魔法式を解析して、次元廻廊の迷宮を作れるよね?」
アルテミス「もちろんです。」
アリス「それじゃ、お願いね。
ディアブロとアルテミスは、協力してゲルデヘルム魔王国の再興をするように!頼んだぞ!
あとウィンをここで大切に育てて欲しい。
いつドラゴンに戻るかわからない子を人間の世界に住まわせるのは心配だから。ここならドラゴンに戻っても普通に暮らせるからね。頼んだぞ。」
ディアブロ「イエスマイロード」
アルテミス「仰せのままに。」
アリス「よし!これでゲルデヘルム魔王国の再興もなんとかなりそうだ。
それじゃ。召喚獣から、ディアブロとアルテミスが抜けた分を補強しよっと。」
アリスは、王宮の蔵を探して持ってきた、召喚石を2つを出した。
アリス「1人目は、大悪魔ルシファー!召喚!」
ルシファーがキラキラと輝きながら登場した。
アリス「ルシファー。よろしく。」
ルシファー「何事か?」
アリス「後で説明するから待ってて。
2人目は、月の女神ルナ!召喚!」
ルナがキラキラと現れた。
アリス「ルシファーとルナ!私は北の魔王オルブレスである。君たち2人は、魔王の側近として私を補佐して欲しい。
わかりましたか?」
ルシファー「まだ状況を掴めていないが、北の魔王を補佐すればいいんだな。わかった。」
ルナ「私もまだ理解できていないけど、できることはやります。」
アリス「それでは、2人ともよろしく。
よーし。これで体制は整った。
あとは問題が起きないように見守るだけだね。」
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精霊の会議 8人
場所は、亜空間の会議室。
「皆さん集合しましたね」
ノーム議長が木槌を叩く
「トントン」
「これから第20回8大精霊会議を始めます。
議題は、新しい召喚メンバーの紹介です。」
ノーム「この度、契約者が、新しい召喚者と契約しました。
ルシファーさんとルナさんです。」
セレネ「ルナ!久しぶり!」
ルナ「セレネお姉様!お久しぶりです。
ご紹介にありました。月の女神のルナといいます。
アルテミスお姉様やセレネお姉様の親戚になりますので、よろしくお願いします。」
ルシファー「元天使から悪魔になったルシファーです。
ディアブロ様の後任になりますので、よろしくお願いします。」
ジェイド「ディアブロか。気に入らないな。リバースアンデッドが使えるなんて。僕の出る幕が無くなったじゃないか。」
サラ「いいじゃん。のんびりとできるから。暇が一番だよ。」
ディネ「あなたは、単になまけているだけでしょ!」
エスト「それにしても契約者はすっかり魔王になっていますね。魔王国も復興するつもりですし。発言がすっかり魔王ですからね。」
シルフ「それにしても召喚獣を2体を追加して大丈夫ですかね?召喚獣だけで、10体と精霊8人ですよ。未だにかつて、ひとりでこんなに契約した人はいないでしょ!」
サラ「全部ディネが悪い。」
ディネ「サラ!なんでよ!」
サラ「だって、ディネが最初に契約しなきゃ、こんなことにはなっていないでしょ!」
ディネ「私は悪くないから。全部契約者が考え無しのバカだからでしょ!」
ウィスプ「それにしても、ディアブロは優秀ですね。悪魔にあんなのがいたとは。」
ルシファー「私も見習って頑張りますので。」
サラ「別に頑張らなくても大丈夫だよ。」
ディネ「そうね。あの契約者はひとりで頑張ってと言えば、なんとかできるから。私たちは死なないように助ける程度で大丈夫かな。」
ノーム「それでは契約者は非常事態の時だけは、みんなで力を合わせるということで、新メンバーにも今後の活躍を期待していきたいと思います。
以上。」
パチパチ(拍手)
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アリスは、シグナス王国に行き、ノアール王女と会った。
アリス「ノアール王女。元気だった?」
ノアール王女「私は元気だけど、シャルルは大変だったよね。」
アリス「大変も大変!前代未聞の事態だった。」
ノアール王女「でもよく無事だったよね。」
アリス「何度も死にかけたけど、なんとかなった。
ところで、ゲルデヘルム魔王国の復興は、変な悪影響とかないかな?」
ノアール王女「色々という人はいるけど、今のところは大丈夫みたい。」
アリス「もし何かあればすぐに言ってね。すぐに対処するから。」
ノアール王女「わかったわ。ところで魔王はどう?上手くやれてる?」
アリス「魔王の仕事は、ディアブロにすべて任せているから大丈夫。今のところ、上手くいっているよ。」
ノアール王女「良かった。シャルル。お茶でもする?」
アリス「ごめんなさい。まだまだやること多いから今度ね。また来るから。」
ノアール王女「じゃ、今度ね。」
アリスはノアール王女と別れて、魔王城に戻った。
すると、アルテミスが入ってきた
アルテミス「ご報告とお願いがあります。」
アリス「アルテミス。どうした?」
アルテミス「実はエルムガンド帝国王が、新しい北の魔王にご挨拶したいと言ってますが、いかがいたしますか?」
アリス「ディアブロが代行して処理するようにしてくれ。」
アルテミス「かしこまりました。
あっ、大変申し訳ございません。もう一つご報告がございました。」
アリス「なんだ?」
アルテミス「実は、エルムガンド帝国に放っている使い魔より報告がございます。エルムガンド帝国では戦争の準備をしているようです。10万の軍隊を中央に集めて、装備品の補強や隊員の訓練を行っているということでした。今回の北の魔王様への挨拶の要望にしても関連していると思います。」
アリス「普通に考えたら、北の魔王と面会して、大したことないと判断したら、戦争を仕掛けてくるということだろう。面会の際に、魔王城までの警備の状況も確認できるし、逆に魔物たちの居なくなった今が狙い目と考えるのが普通だ。
わかった。ディアブロに伝えてくれ。
私の召喚獣で、タイタン、バハムート、フェニックス、リバイアサン、オーディンを貸し出すので、エルムガンド帝国王が挨拶にくる日は、召喚獣を魔王城の正面に目立つ様に配置しておけと。
これでももしエルムガンド帝国が侵略してくるなら、召喚獣で向かい撃つようにと」
アルテミス「かしこまりました。ディアブロに伝えておきます。
それでは、アリス様、失礼いたします。」
アルテミスは退室した。
アリス「やれやれ、エルムガンド帝国には困ったものだ。あれだけ以前から北の魔王と友好的だったくせに、ころっと態度を変えやがって。
でも気持ちもわからなくない。
北の魔王と友好関係を築いても、北の魔王はコロコロ変わるし、北の国ゲルデヘルム魔王国には、今、魔族も魔獣もほとんどいない壊滅状態なら、今が攻め時だと思うのもうなづける。
でも魔王城をあの召喚した巨獣が5体も入れば、そう簡単に新略できないと諦めるでしょう!
まあ諦めないなら、向かい撃つだけだけど、10万の軍隊程度なら、巨獣5体でお釣りがでるでしょう。
後、ディアブロとアルテミスもいるから問題ないね。
もし気にしないといけないとすれば、正教会だ。
正教会の聖騎士団の動きについては、注意するべきである。
ここは各国の聖騎士団の動向を見張っておく必要がある。
ルシファーはいるか?」
ルシファー「ここにおります。」
アリス「ルシファー。各国の正教会の動きと各国に駐留している聖騎士団の動向を監視して欲しい。」
ルシファー「かしこまりました。」
アリス「これで当面は安心のはずだけど、何が起きるかわからないので、気は抜かないでおこう。」