22 ルキア魔法王国編 エピソード12 part2(改訂)
アリス
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ルキア魔法王国の深い森を抜けると、銀色の月光が木々の隙間から優しく差し込んできた。
アリスは馬車の窓辺に寄りかかり、胸の奥で高鳴る期待を抑えきれずにいた。
「そろそろ……だよね」
フノンが静かに馬車を止め、神殿の白い石段を指差した。
フノン:「ここよ、アリス。月の女神セレネ様の神殿。
政府の許可はもう取ってあるわ」
アリスは深呼吸をしてから、ゆっくりと神殿の奥へと進んだ。
祭壇の中央で、淡い銀色の光がゆらゆらと揺らめいている。
アリスは両手を胸の前で合わせ、はっきりとした声で呼びかけた。
「月の精霊セレネ……どうか、私と契約してください!」
一瞬の静寂の後——
柔らかな銀色の光がアリスの周囲を包み込んだ。
そこに現れたのは、長い銀髪を月光のように揺らす、静かで神秘的な少女の姿。
セレネ:「……あなたが、新しい契約者……
月の力を、優しく……預けましょう」
銀色の魔法陣が輝き、温かな力がアリスの体に流れ込んでくる。
契約が完了した瞬間、セレネがアリスの肩の近くにふわりと浮かんだ。
アリス:「やった……!」
その瞬間、いつもの賑やかな声たちが一斉に飛び交った。
ディネ:「ふふっ、ようやく8人目ね。
これで私の美容アドバイスも、もっと本格的にできるわよ?」
サラ:「おっしゃー! これで派手に暴れられるぜ!
アリス、次はもっと熱くいくぞ!」
ウィプス:「やったねアリスちゃん! みんなで全力応援だよー!」
シルフ:「風と月、相性バッチリ! 一緒に飛ぼうよー!」
エント:「まあまあ、みんな落ち着きなさい。
アリスちゃんの体が第一ですわよ? 無理は禁物よ」
ノーム:「力のバランスが整ったな。
これでようやく本物だ」
ジェイド:「……月の力は優しいけど……
戦いになったら、ちゃんと守ってあげないと……」
セレネは静かに微笑みながら、みんなの喧騒を穏やかに見つめていた。
アリスは8人の精霊たちをぐるりと見回し、胸を張って宣言した。
「みんな、ありがとう!
これで本当に8大精霊、全員揃ったね!
最強への道……本気で進めるよ!」
神殿を出た一行は、ルキアの街で軽く休憩を取った。
ギルドの掲示板の前で、フノンが興奮気味に紙を指差した。
フノン:「みんな、見て!
カンタレア王国で、世界一格闘技大会が開催されるわ。
千年続く伝統の祭典よ。世界中から強者が集まるの」
カンタレア王国周辺地域
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アリスの目がキラキラと輝いた。
「世界一の格闘技大会……!?
面白そう! 絶対出たい!」
ミクリ:「いい機会だな。
今の自分を試すにはちょうどいい」
フノン:「私もルキアの知り合いが出場するから、応援に行きたいわ」
アリスは即座に拳を握りしめ、明るく叫んだ。
「よし、決定!
風の谷の件も片付いたし、王都への報告も済んだ。
次はカンタレア王国へ直行だ!
精霊の力は使わず、自分だけの力でどこまでいけるか……
思いっきり試してみたい!」
すると、精霊たちから一斉にツッコミが飛んできた。
ディネ:「あら、本気で精霊なしでいくつもり?
肌荒れしても知らないわよ?」
サラ:「バカかお前! まだ弱いくせに!
すぐにボコボコにされるぞ!」
ウィプス:「でも経験は大事だよね! 頑張ろうアリスちゃん!」
シルフ:「面白そう! 私も応援するよー!」
エント:「怪我だけはしないでね……」
ジェイド:「……痛い思い、したくないな……」
ノーム:「本人がそう言うなら、好きにしろ。
我々は見てるだけだぞ」
セレネ:「……あなたの決めた道……
私は見守ります……」
アリスはみんなの声に囲まれながら、にっこりと笑った。
「大丈夫!
みんなと契約した今、基礎はバッチリできてるもん。
一人で戦うのも、きっといい経験になるよ!」
馬車が再び動き出す。
シルフが軽く風を吹かせ、セレネが柔らかな月の光で道を照らした。
カンタレア王国のカサドニア都市が、遠くにその熱気あふれる姿を見せ始めていた。
アリスは窓から見える景色を眺め、心の中で静かに誓った。
(王女としても、冒険者としても……
8大精霊と一緒に、最強の道を突き進む!)
世界一格闘技大会の熱い舞台が、今、アリスたちを待っていた。
(続きは次話で)




