02 ファーストコンタクト編 エピソード1
水の精霊ウンディーネと聖なる精霊使いの魔剣士アリスの最初の出会いです。ウンディーネとアリスの愛ある信頼関係があるからこそ言えるおしゃべりはここから始まりました。
「なるほど、こんな出会いだったんだ」
と楽しんでください。
<天の声>
さっきよりさかのぼること、数時間前になる。
冒険者の美少女剣士アリスは、馬車の護衛の依頼で山の街道を進んでいた。
冒険者 アリス
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美しい木々に囲まれ、緑の匂いが漂い、お日様は燦々と輝き、空は一面の青空が広がる様子を見ながらのんびり馬車に揺られているアリス。
アリス「はぁ!気分最高!
天気は良いし、空気は美味しいし、森林の香りに包まれて、幸せ!」
町を離れて、次の町へ向かう途中、そうここは辺境の田舎道。森の中へ続く道を、のこのこと馬車は進んでいる。
御者「冒険者様‼️賊が現れました‼️」
待ち構えていた山賊が突然襲ってきた。
アリス「じゃ!予定通りに馬車を旋回して回避です!」
御者が馬車を止めて、Uターンして逃げる体制をとると同時に、アリスはサッと馬車を降りて、山賊に剣を振るう。
アリス「アンタ達!容赦しないから!」
5、6人の山賊に斬り込む。
最初の山賊の剣を弾き、くるっと回転して腹部に斬り込む。
流れを殺さず、2人目の剣を弾き、体制を低くして、3人目の斬り込みを避けて踊るように、2人目の足を斬り込み、回転と同時に、3人目の腕を斬る。
後列にいた賊に向かって、踊るように4人目と5人目の同時攻撃を受け止めて、回転して、足を斬り込む。
賊「なんだよ。これは。」
6人目の賊が逃げ出した。
アリス「このままで済むと思うなよ!」
一瞬で山賊をやっつけて、逃げる残党を追っていたときでした。
アリス「微かに声が聞こえたように感じたんだけど。」
アリスは耳に集中する。
アリス「おやっ!人の声かな?」
と思い、耳を澄ますと‥
遠くから
ディネ「助けてー!助けてー!」
と聞こえてきた。
アリス「なんだろう?
他にも山賊に襲われている人がいるかもしれない。」
少し歩いたところ、
小川の中腹あたりで魔物の魚に足を噛まれて動けなくなっている身長10cmくらいの小さな女の子を発見した
アリス「なんだろう?人の形だけど、人にしては小さ過ぎるから、妖精かな?」
その子が、「助けて」と叫んでいる。
でも手も剣も届く距離にはいない。
アリス「助けたいけど、どうすればいいの?」
ディネ「私が見えるんだ。ちょうどいい。私と契約して、呪文を唱えて欲しい」
アリス「わかった。でもどうすればいいの?」
ディネ「目を閉じて私に集中して」
目を閉じて意識を彼女に集中して1分ほど経った頃、目の前にモヤモヤした光りが見えた。
するとモヤモヤ光がゆっくりと近づいてきて、
ディネ「あなたは私と契約者しますか?」
モヤモヤ光が、可愛い声で聞いてきた。
アリス「私はあなたと契約者します。」
その瞬間足元に赤い魔法陣が浮かび上がった。
アリス「私はあなたとの契約を承認し契約の成立を宣言します。」
モヤモヤ光がそう言った瞬間、魔法陣全体が赤い光から青い光に変化した。
ディネ「今、あなたの魔力と私の魔力を繋げたの。これであなたは私の力を使えて、私はあなたから魔力をもらえるようになったよ。」
ディネ「契約は成立したので、最初の呪文を唱えてみて。」
アリス「最初の呪文?」
ディネ「アイスボルトって、魔物に氷の玉を撃つイメージで唱えてみて」
言われた通りにイメージして唱えてみると、氷の玉を勢いよく発射して魔物の魚に命中して見事に倒した。
アリス「すご〜!」
ディネ「はあ!良かった!助かったよ!
私は水の精霊ウンディーネ。よろしくね」
アリス「よろしく」
ディネ「あなた、私みたいな大精霊様には普通なら見向きもされないのに、契約できて本当に運が良いわ」
アリス「運が良いってどういうこと???」
ディネ「あなたは魔力量だけはあるから、枯渇することは無いと思って契約したけど、レベル低くー!
まあいいわ。レベルはこれから上げればいいから。」
ディネ「あなたの名前は?」
アリス「柊アリス。よろしく。」
ディネ「ひいらぎアリス ね。じゃ、アリスでいいか。
私はウンディーネ。ディネで良いわよ。」
水の精霊ウンディーネ
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<天の声>
この世界は魔法と剣士の世界。
ここは5つの国に囲まれた国、
シエステーゼ王国の端の辺境の山の中である。
8大聖精霊とは、
▼光の精霊ウィスプ
▼土の精霊ノーム
▼闇の精霊シェイド
▼風の精霊シルフ
▼火の精霊サラマンダー
▼水の精霊ウンディーネ
▼月の精霊セレネ
▼木の精霊エント
ディネによるとアリスは、まだレベル10と低いけど、魔力量は魔王並みにあるらしい。(転生の付加価値?!)
レベルが上がるにつれて、使える魔法も多くなる。
今回はアリスの魔力が駄々漏れで、それをウンディーネが捕まえて、魔力を繋げたらしいけど、通常の精霊契約は、精霊への魔力の流れを意識し、契約の呪文を詠唱すればいいということだ。
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アリス「魔力制御を覚えないと」
アリス「ディネ!そういえば、自分のレベルや強さ、持ち物などはどうやって見ればいいの?」
ディネ「今までどうやっていたの?」
アリス「今までは、自動音声が頭に流れるだけで、呪文を唱えてもコンソールパネルらしいものは出て来なかった。自分の身の回りを探しても何も出てこないし」
ディネ「はぁ!あなた、バカなんじゃないの?」
ディネ「魔法はイメージの世界よ。
コンソールパネルがあることを強くイメージして、“オープンシステム”と唱えてごらん」
アリスは、言われた通りに、強くイメージして
アリス「オープンシステム」
と言った。
すると目の前にコンソールパネルが出現した
アリス「なるほどね。こーなっているんだ。アイテムも色々揃っている。」
アリスはパネルをいろいろ触って
アリス「すごい!なんだか簡単じゃん。」
アリスが感動していると、
ディネは呆れて見ていた。
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その後、
街道に戻るも、馬車は逃げおおせたようで、影も形もなかった。
アリス「あっ! これじゃ報酬を貰えないじゃん!
かなり山の中にいるから、町まで戻るのは難しいな。
日が暮れようとしているので、とりあえず近くの村に行きますよ。ディネ。」
ディネ「私が行きたいのは、村じゃなくて、町!
いい?町ね!町!」
アリス「でも近くに町は見えないよ。もう暗くなるから、とりあえず村でしょ。」
ディネ「なにを言っているの?
お肌の手入れは1日でも疎かにすると良くないのよ。あなたみたいなクソガキには理解できないかもね!」
道中、カイザーウルフが3匹出てきた。
アリス「ハイハイ!ウルフね。足を狙うのね!
えぃ!」
ディネ「そうそう。やればできるじゃない。頑張って!」
ウルフの足を攻撃して、動きを止めて、トドメを刺す。
ゴブリンが5匹出てきた。
アリス「わかっているから! 腕を狙うのね!」
ディネ「わかれば良いですわ。もっと動いて!頑張れ!」
腕を攻撃して、武器を落とすと逃げようとするので
アリス「逃がすか!ザコ!八つ当たりだァ!」
足を攻撃して、トドメを刺す。
何度かザコ魔物を倒しながら、人里を求めて歩いたのだが‥。
アリス「はあ!疲れた。ちょっと休もうと!」
アリスは、度々出てくる魔物を倒して疲れていた。
集中力も途切れたところで、山の中腹に開けた丘があったので、そこで休もうと腰を下ろした途端に、あのクソたれワイバーンに捕まった!