表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

19/308

19 風の谷編 エピソード11 part2(改訂)

挿絵(By みてみん)

水の精霊ウンディーネ(ディネ)

----------------------------------------------------


 風の谷に近づくにつれ、空気がどんどん重く淀んでいった。


 馬車を降り、谷の入り口に立った瞬間、アリスは眉をひそめた。


「風が……本当に止まってる」


 フノンが掌を上に向け、目を閉じて魔力を探る。


「魔力の流れが大きく乱れています。

自然の風の精霊が何かに封じられているか……あるいは、ウィンドドラゴンが暴走しているのかもしれません」


ミクリ:「気配が濃い。油断するな」


 ディネがアリスの肩の上で腕を組み、ため息をついた。


ディネ:「まずは偵察よ。アリス、軽く飛んでみなさい。無茶はしないで」


 アリスは頷き、気を込めて軽く跳躍した。


 谷の奥を覗き込んだ瞬間、彼女は息を飲んだ。


「いた……! ウィンドドラゴン!」


サラ:「でかい! ファイアドラゴンより明らかにデカいぞ!」


ジェイド:「……息が違う。風を操っているな」


ウィプス:「わー、かっこいいけど、なんか怖い!」


ノーム:「地面がボロボロだ。足場が悪すぎる」


エント:「みんな、怪我だけはしないでね」


 フノンが冷静に分析を加えた。


「ドラゴンの魔力核は、頭の後ろ……首の付け根あたりにあります。

そこを正確に狙えば、一気に決着がつくはずです」


 アリスは大剣を構え直し、目を鋭くした。


「よし、作戦はシンプルにいくよ!

ミクリが足を、フノンが魔法支援、私が首を狙う!

精霊たちは連携で援護をお願い!」


「了解!」


 三人が谷底へ滑り降りると、ウィンドドラゴンがゆっくりと首を上げた。

黄色い大きな目が、三人を捉える。


 次の瞬間、強烈な突風が吹き荒れた。


「うわっ!」


 ミクリが魔剣を地面に突き刺して耐える。


 フノンが即座に詠唱した。


「ウィンドバリア!」


 透明な壁が風を逸らし、アリスは一気に間合いを詰めた。


サラ:「今だ! ファイアブースト!」


 アリスの大剣に炎が宿り、速度が一気に上がる。


 ミクリが俊足で回り込み、ドラゴンの前足を深く切り裂いた。


ミクリ:「足、崩した!」


 ウィンドドラゴンが咆哮を上げ、翼を広げて反撃の突風を放つ。


ノーム:「ここは俺が持つ!」


 地面が隆起し、土の盾が風を防いだ。


ジェイド:「目……くらませ」


ウィプス:「ライトフラッシュ!」


 眩い光の粒が爆ぜ、ドラゴンが一瞬目を細めた。


 その隙に、アリスが大きく飛び上がった。


アリス:「ディネ!」


ディネ:「任せなさい!」


 ディネの水の力が大剣に流れ込み、氷の刃が鋭く輝く。


「アイスセイバー・フルバースト!」


 冷気をまとった大剣が美しい弧を描き、ドラゴンの首の付け根に深く突き刺さった。


サラ:「そこだ! 焼き広げてやる!」


 炎が傷口に注ぎ込まれ、肉を焼きながら抉る。


 フノンが後方から精密な魔法を撃ち込んだ。


「ウィンドピアス!」


 風の槍が氷と炎の傷をさらに抉り、魔力核を直撃する。


 ウィンドドラゴンが断末魔の咆哮を上げ、巨大な体がゆっくりと崩れ落ちた。


 地面が激しく揺れ、谷全体に風が戻り始めた。


 アリスは息を荒げながら剣を収め、満面の笑みを浮かべた。


「やった……!」


 ミクリが駆け寄り、穏やかに微笑む。


「よくやった、アリス」


 フノンが目を輝かせて近づいてきた。


「素晴らしい連携です……!

最上位の大精霊様たちと一緒に戦うなんて、本当に夢のようです!」


ディネ:「まあ、当然よね。私たちが本気を出せばこんなものよ」


アリス:「ディネ、調子に乗るのもいいけど、ちょっと自慢しすぎ!」


サラ:「へへっ、次はもっと派手にいこうぜ!」


ノーム:「派手すぎて足場が崩れたらどうするんだ……」


エント:「ふふ、みんな元気ね」


 アリスは谷の奥を見やり、小さく息をついた。


「風が戻ってきた……

これで周辺の作物も、また育つようになるかな」


 しかし、その時——。


 谷の最奥から、微かな黒い霧がゆっくりと立ち上っているのが見えた。


ジェイド:「……まだ、何かいる」


 アリスは剣の柄を強く握り直した。


「みんな、油断しないで。

まだ終わってないみたい……」


 風の谷のさらに奥へ、三人はゆっくりと足を進めた。


(続きは次話で)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ