表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

18/189

18 風の谷編 エピソード11 part1

挿絵(By みてみん)


冒険者 アリス


--------------------------------------------------


ギルドへ行き依頼を探していると、アリスとミクリがギルド長に呼ばれた。


ギルド長「みなさん。よく来ていただけました。

皆さんのお噂はギルド本部より聞いております。

そこで皆さんに是非お願いしたい依頼がございます。皆さんには風の谷へ調査に行っていただきたいのです。」


アリス「ギルド長。どういうことですかでしょうか?」


ギルド長「最近、国内外では風が吹かなくなり、何処も空気が澱んでいると聞いています。」


アリス「そういえば、最近、風を感じなくなったような気がします。」


ギルド長「その原因を調査していると、どうやら風の谷で何かあったらしいのです。

今までも手の空いた冒険者に、風の谷へ行ってもらったのですが、ウィンドドラゴンが関係しているようで、ウィンドドラゴンが出てくると誰もそれ以上進めなくなり、そこから先の調査ができなくなってしまったのです。


そこで、ギルドでは、風の谷の調査の依頼を行うにあたり、それなりの実績のある方にお願いすることになりましたが、ミスリル級の冒険者のみなさんは、どちらも今抱えている依頼があって動けないということでした。


そこで議論した結果、あのファイアドラゴンを倒したアリス様とミクリ様に是非お願いしたいということになったのですが、引き受けていただけますでしょうか?」


アリス「なるほど。ウィンドドラゴンが関係しているのですね。

わかりました。お引き受けします。」


ギルド長「ありがとうございます。

助かります。」


アリス「それでは、これから風の谷へ向かいます。それで、今回は魔術師をパーティメンバーに参加させていただきたいのですが、よろしいでしょうか?」


ギルド長「もちろん。パーティメンバーはアリス様にお任せいたします。こちらで推薦が必要であれば、手配いたします。」


アリス「大丈夫です。当てはありますので。それでは出発の準備を始めます。明日、町を出発します。」


ギルド長「何か必要な物があれば、言ってください。手配いたします。」


アリス「わかりました。」


ギルド長「それではよろしくお願いします。」


アリスとミクリは、旅の準備をするために、買い出しに出た。

店に行く途中、薄暗い路地裏に入ったところで、背後に殺気を感じ、短剣を手にした瞬間


ディネ「右斜め後ろ!」


不審者がアリスを狙って、背後から素早く切り込んで来た。

アリスはクルっと回って、短剣で相手の剣を受け、すぐに離れる。


アリス「何者だ!」


不審者に相対して構えようとすると


サラ「もう1人が左後ろ上部からくるよ!」


ミクリが素早く防御する。


ミクリ「アリスを狙っているようだ!」


アリス「私をシェラール王女と知ってのことね!」


不審者2人は、同時に切り込んで来た。

アリスとミクリが相対すると


ディネ「斜め上右横!」

ミクリが後ろの攻撃を受けて、アリスは目の前の不審者の攻撃を短剣で交わし、大剣で斜め上横からの攻撃を受けた。


アリス「こいつら3人か!」


アリス「アイスセーバー!」

「3人まとめて、アイスブレード!」


ミクリは地面に伏せる。

3人の不審者が倒れた。


アリス「こいつら、アサシンだ。

私を王女と知って狙って来た。

雇い主として考えられるのは魔王軍か?」


ミクリ「今後も狙われるね。気をつけないと。」


アリス「ああ。ディネ、サラ、教えてくれてありがとう!」


ディネ「まあ。当然よね。でも、アリスはこれくらい躱せるようにならないと。」


アリス「わかってるよ!」


ミクリ「説明は受けたけど、この会話、慣れないよ。頭パンク!」


アリス「大丈夫だよ!すぐに慣れるよ!」


アリスたちが振り返ると不審者の遺体はなかった。回収されたか。

アリスたちは旅の準備を続けた。


翌朝、ハイエルフの魔術師フノンも一緒に、風の谷へ出発しました。

道中、フノンは自分の話しをしてくれました。



----------------------------------------------------


挿絵(By みてみん)


ハイエルフの魔術師の冒険者フノン


エルフの魔法王国ルキア。

宮廷魔法師団の一員で、第362回 魔術大会の優勝者である。

ルキアの魔法協会でも注目されていた。


魔術師フノンは、常に新しい魔法を求めていた。彼は魔法協会の大会での優勝に飽き足らず、新しい魔法を求めて世界を探検し、世界を変える未知の魔法を探したいと思い、魔法王国民の憧れである宮廷魔術師をあっさり辞めて、冒険者になった。


冒険者として伝説の魔法の秘宝を求めて古代遺跡や神秘的な場所を探索した。しかし、秘宝を狙う他の冒険者や邪悪な魔法使いなどの妨害により、様々な困難が彼の前に立ちはだかった。


その様々な冒険や試練を乗り越えるためには、仲間が必要だと考えて、仲間を探していたがなかなか自分が望むパーティに出会うことができなかった。そこで魔法王国を離れて隣国のシエステーゼ王国まで来ることになったのだが、隣国で初めて自分の求めていたパーティに会うことができたのである。


----------------------------------------------------


風の谷へ向かう途中の亜人の村で、馬車の前に人が数人立ちはだかった


聖騎士「そこの馬車!止まれ!」


アリス「どうした?」


アリスが馬車から降りた。

後方にいた5人の聖騎士団が剣に手をかけた。

馬車の前には、正装した錚々たる聖騎士が立っていた。


聖騎士「私は正教会からの使者である。

お前たちから尋常でない魔力を感じた。

お前たちは何者だ!」


アリス「我々は金級の冒険者だ!

ミスリル級冒険者の代理で、ギルドの依頼で風の谷へ向かっているところだ。」


聖騎士「そうか冒険者だったのか!

馬車を止めて、すまない。

この辺りで、腕の立つ盗賊団が亜人の村を襲って、亜人狩りをしているということで、その盗賊団を捕まえるために、我々は正教会から派遣されたのです。

噂によると盗賊団は普通の旅人に扮して、亜人の村に行き、相手を安心させて、夜襲っているということでした。

盗賊ではないかを確認するために馬車を止めたのですが、

すまない。君たちを疑って、悪かった。」


アリス「亜人狩りか。それは許せないな。私たちもお手伝いしましょうか?」


聖騎士「いや!大丈夫です。ただ途中見かけたら報告して欲しい。」


アリス「わかりました。見つけたら、すぐに報告します。」


アリスは馬車に戻り、亜人の村を通り抜けた。風の谷は、王都よりはるか南西部のルキア魔法王国との国境沿いに位置する。

南部のこの辺り農村地帯では労働力の安い亜人の村が多く点在している。

亜人は力もあり良く働くので、奴隷として使うところも多く、この辺りでは違法の人身売買が良く行われている。

特に亜人の娘は、胸も大きくスタイルがいいし、性行も強いので、性奴隷にされることも多く、高値で取り引きされている。


王族としては、そういう人身売買は、違法として禁じているが、王都の支配から遠い、特に南部の辺境地帯では、地方貴族が隠れて人身売買を行っているらしい。


シェラール王女としてもいずれ解決しないといけない問題であるが、南部でも有力な地方貴族が数人結託しているので、なかなか尻尾を掴めない。

証拠が無いと弾糾することもできないので、なかなか解決できないでいた。


正教会は各国にあるが、本部は南のリンデン王国のさらに南のカノン都市国家にあり、そこから正教会の聖職者が派遣されている。先程の聖騎士団の本部もカノン都市国家にあるが、大きな国家にしか聖騎士団の支部はない。

シエステーゼ王国は大国であるが正教会の信者は少ないので、聖騎士団は設置されていないはずである。

先程の聖騎士団はリンデン王国から派遣されて来たに違いない。

正教会の信者が亜人に多いので、亜人の教徒からの依頼で正教会が動いた可能性がある。


全世界にある正教会に楯突くことは、シエステーゼ国家としてできないので、手は出せない。

聖騎士団もかなり強いと聞いている。


聖騎士とは、普通の気ではなく、聖なる気を使うホーリーナイトである。つまり、闇の魔族には滅法強い。

彼らにとっては、闇の魔族やアンデッドは敵である。


アリスが、アンデッド兵を従えていると知ったら、確実に攻撃される。いずれ相対することもあるかもしれないが、今はこのまま静観するしかないだろう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ