14 王宮回想録 エピソード0 part 2 王女誘拐
シエステーゼ王国周辺地域
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天の声
「シエステーゼ王国は、6つの国に囲まれていた。
北の大国 エルムガンド帝国 対立
北西の小国 シグナス王国 友好
南西の中国 ルキア王国 同盟
東の大国 ライリッヒ共和国 対立
南東の小国 アルメール王国 友好
南の大国 リンデン王国 同盟
更なる北 ゲルデヘルム魔王国 対立
エルムガンドとゲルデヘルムは友好関係。
富国強兵のラインリッヒ共和国は共和制でありながら、エドウィン国家元首が長年に渡り、力を堅持している。
領土拡大のため各国の隙を狙っていた。
シエステーゼ王国周
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シエステーゼ国内では、
中央に王都を配置して古来より繁栄していた。
北に荒野 原野と牧草地 牛、羊の放牧
西に砂漠 西方諸国と唯一の交易ルート
南東に海 唯一の港町 海外との交易
南に農園 農地、森林 豊かな農産物
北部だけは、あまり恵まれていると言えなかった。」
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シェラール王女様 幼少期
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<天の声>
「王女誘拐事件」
そんなある日。
地方貴族とも親交のあるシグルス伯爵家の茶会に参加していて、眠り薬を混ぜたお茶を飲んで倒れてしまった。
「大変だ。王女の様子が」
「すぐに客間にお連れして」
「衛兵!すぐに運びなさい!」
「さあ。こちらにお運びして」
客間の一室に通そうとしたが、御令嬢の一人が、
「いえ。こちらから病院へお連れします」
と馬車に乗せられて、‥。
起きたら囚われの身となって馬車に揺られていた。
最初は何が起きたのかわからなかったが、周りの会話を聞いていると、北方貴族のグレイス子爵家が企てた陰謀のようである。
彼らの話をまとめると、地方貴族を代表して、王家の政治への不満を直訴するために起こした誘拐ということであった。
・度重なる重税
・多くの出兵を義務付け
・裕福な南方貴族ばかり優遇されている
・虐げられた北部の地方貴族
・王都から遠く離れたいるために謁見の機会もほとんどない
・度重なる直訴状も無視されていた
王都近郊の貴族は自分たちに都合よく政治を動かし、そのツケを遠い北部の地方貴族に押し付けていたようである。
北部地方では、度重なる重税により、経済の発展もできず、住民の不満も最大限に膨らんでいた。
中央政府と住民の間の調整で、疲弊し、途方に暮れる領主に、旅のある人物(東にあるラインリッヒ共和国の工作員だった)から提案があったそうである。
別に王女に危害を加えるつもりはなく、拘束されているが、扱いはとても丁寧であった。
王女を拘束することができた。
「さて、これからどのようにして、国王に直訴するか?」
グレイス子爵を中心に北方貴族が集まって会議をしていた。
そこに、突然、捉われの身のはずの王女が入ってきた。
「皆さんのお話を聞きました。
国王には私から提言させてください」
と提案した。
「どうしてここにいらっしゃるのか?」
「拘束していたのではないのか?」
みんなは唖然として、王女を見つめている。
「王女からの話であれば、国王も聞くしかないし、今回の事件もなかったことにすることができるということです。
またそれが一番丸く収まると思ってます。」
いきなりの提案に、最初は動揺していたが、段々と落ち着きを取り戻して、グレイス子爵は少し考えて、納得した。
「確かに王女さまのご提案が一番ですが、本当にお願いできますでしょうか?」
「もちろん、王女が王家の一員として、民に約束することを誓います。」
「ところで、今回の事件を提案した者に会いたい」
と子爵にお願いしたが、王女を誘拐したことを聞いて、自分の職務は終えたと判断したようで、すでに姿を消していた。
アリスとしては、拘束など簡単に抜け出すことはできたので、そのまま逃げることも簡単ではあったが、いじめられる側のことを一番理解している自分なので、このまま放っておくことが出来なかった。
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<天の声>
・経済的な不公平感
・政治的な排除感
・税制や貢納の不満
・地方の発展の遅れ
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中央で優雅に暮らしていた王女が、初めて知った地方貴族の不満に、どれだけ自分が無知であったかを知る結果となった。
自分はこの国の王女として、この国を統治する王族として、もっと世の中を知る必要があると痛感させられた。
とりあえず王宮に戻り、北方貴族の現状を国王に伝え、もっと北方の民のことを考えた政治を行うよう提言した。
もちろん中央貴族にも配慮は欠かせないこと。またそうすることが、国家の繁栄のためにもなることを付け加えた。
今後、王宮にて、北部の荒野でも育つ農作物を開発すること。灌漑を行い、農業の収穫効率を上げる事業を国が行うことなどが提案に盛り込まれた。
もちろん南部の治水工事、東西の交易のための街道の整備も並行して行われることも提案した。より一層国が繁栄するための投資であることを強調した。
国王はこの提案をすごく喜び、遂行することを約束した。
「これからはこの国の隅から隅までよく知ろう。
もっと世の中のことを勉強しよう。
王宮にいるだけでは、井の中の蛙。
もっと世界を知って、自分で自分の進む道を切り開いて行こう!」
王女は気持ちを新たに決意し、王宮を出る(脱走する)ことにした。
夜、バルコニーを抜けて、庭を通り、外壁の脆い隙間からそっと出た。
「もう大丈夫かな」
となり町に向かう荷馬車に隠れて、寝ている間に王都を離れて、少し大きな町に着いた。
こっそり荷馬車を降りて、町の中を探索する。冒険者ギルドを見つけたので、中に入る。
剣術の腕を利用して冒険者っていける!
冒険者 剣士 アリス
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冒険者ギルドで登録して、鉄級になる。
最初の依頼はゴブリン退治。3匹ぐらいは難なくこなせた。
次の依頼は薬草採取。薬草の知識などは、宮廷での勉強が役に立った。
次の依頼ではダンジョン攻略を始める。
魔物を倒して、魔石を採取して、ギルドで売るとほどほど儲かる。剣術の腕を活かして、結構な魔石が採取できた。
調子に乗って、魔物を倒しまくっていると、突然、グールの集団が襲って来た。
隊長直伝の剣術で、多数でもあっというまに、相手を倒すことができた。
幾つかの初級ダンジョンをある程度攻略するとギルドで昇級の許可を得て、銅級になることができた。
これで依頼にも幅がでる。
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ある日、ギルドで依頼を探していると、珍しく馬車の護衛の依頼があった。
アリス「馬車の護衛かぁ。楽しそうでいいかも。」
この辺の街道で、最近、魔物や野盗が出ることが多くなったらしい。
当然、馬車の護衛の依頼を受けた。
町を出て、辺境の街道を通って、次の町に行くらしい。馬車の旅はのんびりした楽しいものであった。
時々、ゴブリンやウルフなどの魔物が襲って来たが、簡単に追い払い退治できた。
それ以外の多くの時間はとても快適な旅でした。
ほんと‼️途中までは。
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その後、ウンディーネと出会う。
:回想録編の終わり