01 冒険の始まり エピソード2
水の精霊ウンディーネと聖なる精霊使いの魔剣士アリスのドタバタ冒険です。ウンディーネとアリスの愛あるなじり合いが面白いかなと思って書いていますので、信頼関係があるからこそ言えるおしゃべりを楽しんでください。
ウンディーネ
----------------------------------------------------
切り立った崖に向かって、片足に人を掴んで、山の尾根沿いを颯爽と飛ぶワイバーン。
アリス「離せ!離せよ!このバカ鳥!
こんなことしていいと思っているのぉ!」
暴れる美少女剣士アリスを足で掴み、ワイバーンが巣に向かって飛んでいく。
アリス「テメー!アホ鳥!舐めるなよ!」
と剣を振り回す。
アリス「このクソ鳥め!エイ!」
剣が足にあたり、思わず足の掴みを緩めると、抵抗する美少女アリスは空中から落ていく。
アリス「えっ!!!!
えーーーーーーー?」
そこはちょうど200m以上ある崖でしたが、運良くすぐに崖から突き出した横木に引っかかり、助かった。
アリス「ふぅーー!あぶない。あぶない。助かったー!」
少女の周りを輝く光りがチカチカと輝きながら、回っている。ある瞬間、ポン!と弾けて、小さな妖精らしき者が現れて、少女の周りを飛んでいる。
アリス「ディネ!なんで助けなかったんだよ!」
アリスは小さな妖精らしき者につぶやく。
ディネ「あら!アリスがポケラっとしているから悪いのでは?」
アリス「前は助けてくれたじゃん!」
ディネ「そうやって、いつも私を頼りにすると、アリスが成長できなくなるから。
親心よ!親は辛いけど、我が子を千尋の谷へ落とさないと!」
アリス「いつも調子いいこと言って!
なにが我が子なんだよ!
ディネの子供になった覚えはないけど!
ほんとは自分のお肌の調子とか見てて、気付かなかっただけじゃないの?」
ディネ「え〜と。何の話かな?」
アリス「あっ!こうしちゃいれない!
とっとと崖の上まで戻らないと!
あのクソ鳥がまた来る!」
再びワイバーンが襲ってくる前にと、
崖を必死に登っていく美少女アリス。
アリス「クソー!
あのワイバーンめ!
絶対に許さないから!
鍋に入れてグッチャグチャに煮て!
食ってやるからな!」
ディネ「まあ!端ない話し方。
レディは、もっとお上品に、お話ししないとね。」
アリス「今は緊急事態なの!」
ディネ「しっかり登りなさいよ!
後たった10m位だから、頑張って!」
アリス「わかってるよ!」
アリスが崖を必死に登っていると、
ディネは、私の右肩上辺りに浮遊していて、ずっとしゃべっている。
ディネ「そういえば‥
昨日のスライムの乳液は、イマイチだったのよね!
イエロースライムの!
やっぱり乳液にするなら、グリーンスライムよね!
フローラルの香りが心地良くて!
とっても落ち着くの!」
こんな時にそんな話しされても、、、
身長10cm位の水の精霊ウンディーネ。
魔物を倒す時にも、肩の上辺りに居て、あーしろこーしろ!と人に指図をしてくる。
昨日ゴブリンと闘っていた時も、
ディネ「違う!!!そうじゃない!!!」
アリス「なにが違うの?わかんないよ!」
ディネ「ゴブリンは腕を狙うの!!!」
アリス「なんで腕なのよ!?」
ディネ「考えればわかるでしょ!
胴体を切っても、怪我する程度で倒れないから!
腕を狙いなさい!!!」
アリス「腕を傷つけても、胴を切っても一緒じゃないの?」
ディネ「ほんとバカだね!
ゴブリンは武器が持てなくなれば、闘いを諦めるんだから。
バカでもわかるでしょ!!!」
と言われても、すぐに体は反応できない。
カイザーウルフと闘っているときには、
ディネ「ウルフ相手に正眼の構えはないでしょ!」
アリス「普通は、敵に相対したら正眼の構えでしょ!」
ディネ「あなたアホなの?ウルフだよ!」
アリス「ウルフだって同じでしょ!」
ディネ「ほんとバカバカ!!!!!
ウルフは足をやられたら動けなくなるから!
体勢を低くして!!足を狙うの!」
アリス「なるほど、足を止めて、トドメを刺すのね!」
ディネ「ほんとにそんなのこともわからなかったの!!
少しは頭を使いなさいよ!!ほんとバカ!」
呆れた表情のディネ
水の精霊ウンディーネ(ディネ)
----------------------------------------------------
アリス「うるさいな!いちいち!ほんとにもう‼️
人が戦っている時に、横から色々言わないで欲しい。」
と思うだけ。
言えないんだよね。立場が弱いから。
まるで母親に小言を言われているみたいで、めちゃくちゃムカつくんだけどね。
アリス「集中して闘っている時に、ガチャガチャ横から言われると気が散って集中できないんだけど。」
と思うだけで、言いたいけど言えない。
アリス「いっしょに攻撃してよ!」
ディネ「やーよ!
だって!この程度のザコ魔物に私の力は必要ないもの。
それにディネがやっつけたら、
アリスはディネに頼りっぱなしになって、
アリスの戦闘経験が上がらないでしょ!
戦いは、どれだけ経験するかで熟練度が増して、強くなるのよ!」
ある時、ホブゴブリンが10匹一度に出てきた。
アリス「やべーーー!
5匹までなら自信があるけど、さすがに10匹はキツイかもしれない! どうしよう??」
ディネ「仕方ないわね。半分くらいなら手伝うから。」
アリス「ありがとう! さっそく!アイスボルト!」
アイスボルト(氷の高速発射)の攻撃魔法でやっつけた。
今、頭上には、ワイバーンが数匹旋回している。
少しでも気を抜くと襲われる。
昨日も襲われかけたが、昨日はディネのウォータースクリーン(水の壁)の防御魔法で助かった。
ディネ「何やってるの?!
もっと頭上を警戒していないとダメでしょ!いつもポケラーってしているから襲われるんだよ!
ほんと世話のやける契約者だね!
私に釣り合うようにとっとと早く成長しなさいよね!」
頭上の警戒を怠っていないつもりだったが、今日は見事に捕まってしまった。
ディネ「こんな山の中にいつまでもいないで、早く町に行きましょうよ。お店で美容液を買わないとね。毎日のお肌の手入れが一番重要なのよね!」
アリス「こっちはまだ崖を登っているのに! クソー!」
ディネ「ほら!ムダ口言ってないで、とっとと登るのよ!」
アリス「コイツはいつかシバいてやるからな。」
と思うだけ
アリス「そもそも!なんでこんなことになったんだよ!?」
アリスは数時間前に、思いをよせる。