オーウェンの真実
「んっ。」
鈍い痛みが走り俺の意識が覚醒していった。懐かしい天井が見える。三年ぶりの公爵家の自室だろう。
「「「オーウェン!」」」
3人の声が聞こえた。
「あぁよかった。目覚めて。オーウェン大丈夫?」
「オーウェン、俺たちの事分かる?」
「母上、兄上…」
母とほとんど覚えていない兄が心配そうに話しかけて来た。
「オーウェン、ゆっくり話し合おう。」
穏やかな声が上から降って来た。父の声だろう。
「父上…」
俺はありえないことをした。父に本当に見切れられたのだろう。仕方のない事だ。
「ちちう…」
「オーウェン、済まなかった。」
俺の言葉を遮り父が謝罪した。
「えっ?」
「本当にごめんなさい。」
「ごめんねオーウェン。」
母と兄も謝罪をした。
なんで?俺が悪いことをしたのになんで父達が謝るの?
俺は混乱しながら返事をした。
「私、こそすみません。国を裏切る様な事をして。」
「いや。オーウェンは裏切ってないよ。ベルウェルド、えっと現王が何も問わないと明言したから。」
「そ、そうなのですか…?」
「うん。これからもルーカス様と仲良くする様にだって。」
どうやらルーカスと友達でいるかぎり俺は罪に問われない様だ。ラッキーなのかアンラッキーなのか分からないが。
「オーウェン。今までちゃんと話さなくて済まなかった。今からゆっくり話し合おう。ただ一つだけたくさん話す前にわかっていて欲しい。」
「?なんです?」
「私達ジェルディア家の者は全員オーウェンを愛している。オーウェンは出来損ないでも怖い者でもない。分かったか?」
「つっ。はい。」
俺は気づいていなかったが3人は俺を愛してくれていた様だ。だったら八年間なんで俺を隔離したのだろうか。たしかに隔離は俺が望んだこと。だけど愛してくれていたらもっと早く話してくれていたでしょう?
いや俺はなんて我儘を抱いているのだろう。それこそ俺がわざと手放したものだろうに。
俺が俯いていると父が心配そうに話しかけて来た。
「オーウェン?大丈夫か?どこか痛むか?」
「平気ですよ父上。ありがとうございます。」
「そうか。ではオーウェンが5歳に起こしたあの日から隔離した理由について話すよ。」
「ありがとうございます。お願いします。」
やっと父上達の真意を知れる。
恐怖と好奇心が入り混じった心境で父の話を聞き始めた。
「オーウェンが部屋を爆破した日。オーウェンと私は話したが反省はしていなかった。だからオーウェンは固有スキルを使うことがうまく出来ないだろうと勝手に思い込んだ。固有スキルを悪用したらたまらなきし、大勢の被害が出る。それに…公爵家の名に傷がつくと思ってしまった。最低な父親だ。幸いオーウェンは5歳のお披露目会を終えていた為、学園に入るか後継ぎとして勉強することが無ければ社交会に率先して出す理由がなかった。それをいいことに、いや言い訳にしてオーウェンを閉じ込めた。急に変わった息子とちゃんと話す事を逃げたのだ。そして私は後悔した。だがオーウェンと改めて話すのが怖かった。だから話さなかった。妻とキリはオーウェンと何回も話そうとしたが私がオーウェンを悪く思い込み、何回も遠ざけた。済まなかった。恨むなら私にして欲しい。オーウェンが私達を傷つけるのを恐れ、わざと演技をして私達を拒絶した事を私は気がつくことができなかった。本当にこの八年間済まなかった。」
父は長く話すと涙を流しながら再び謝って来た。
しかし、母と兄は俺とずっと話したいと思い苦しんでいたんだ。父もずっと長いあいだ俺の事でずっと悩んでいて。それだけ俺を考えてくれていた。
嬉しくて、嬉しくて、悔しくて、悲しくて頭がぐちゃぐちゃになりながらおれは3人に向かい合った。
「ありがとう。こんな俺を愛してくれて。ありがとう。俺もずっと愛しています。」
笑いながら言ったつもりだった。しかし俺は笑えていただろうか?




