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第四十八話 三拍子のステップ

 第三環区の商業地区の一角にあるすずらん通りでは、子ども向けのイベントが行われていた。


 行き交う人たちがステージで踊るかわいい動物のキャラクターたちのダンスに足を止めていた。


 人垣があるとちょうどいいな………。


 そんな中、湯浅浩二はそう思いながら、いつものように験担ぎで目元のホクロを一度かくと、バッグから小型の銃のような注入器を取り出した。


 銃身の部分には注射器が取りつけてあり、緑色の薬剤で満たされていた。


 ワン、ツー、スリー。


 湯浅は頭の中でテンポを刻み始めた。


 ワン!


 注入器の先端のカバーを外しながら、子連れの若い夫婦の背後まで行く。


 ツー!


 若パパの腕に針を刺して引き金を引くと、注射器が一気に押し込まれる。


 スリー!


 ほとんど瞬時に中の緑色の薬剤が全て注入されるや、すぐさまその場を立ち去る。


 湯浅の一連の動作が数秒もかからなかったため、針を刺された若パパも腕を気にしていただけだった。


「ケロ~! ゲロ~!」


 が、突如、その若パパがカエルのように膝を曲げて座り、鳴き声を上げたかと思いきや、ピョコピョコとぎこちなく跳ね回り始めた。


 若ママと周囲の人々は、カエル化現象の発生にざわつくばかりだった。


 そんな様相になど目もくれず、湯浅はさらに複数人に薬剤を注入していったので、そこかしこで同じことが起き出した。


 そして、その一部始終を、人混みに紛れて室谷重則と瀬戸銀次が見ていた。

ここまで読んでいただきありがとうございます!


“何となくいい感じ”と思われましたら、広告の下にある「ブックマーク」と「☆☆☆☆☆」のポイント評価をいただけると嬉しいです^^


これからも、皆さまに楽しんでいただける作品を作っていきますので、よろしくお願いしますm(_ _)m

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