神隠し91
朝飯を食べ終えると、いつの間にか皇族の方々との会談がな。
いや、それってさ、最初から決まってたんじゃね?
そうだとしたらさぁ、貴族達との宴席、パーティーも、既にセッティング済みってこと?
何だか勝手に進められている気がするのは、気のせいなのだろうか?
権謀術などで騙し合いが当然みたいに小説などでは書かれている貴族の世界。
もしかして、そんな世界に巻き込まれてないよな?
疑心暗鬼になりそうだが、もし、そうだとしても、俺に対抗する術はないがな。
取り敢えずは、流されるだけか…
って、ことでな、コニーのユラちゃんへ座って運ばれた俺は、ヴァルハラ館の第1宮の入り口へと。
ユラちゃんは、ヴァルハラ館内専用で乗る馬だ。
だから、ここから先は別の乗り物にね。
いや、だからね…そんなにウルウルした瞳で見られても…無理だからね。
あのね、ユラちゃん?服の裾を咥えて引っ張らないでくれるかな?
ユラちゃん付きのメイドさんが離してくれたんだけど…なんで、こんなに懐いてんの、この子?
名残惜しむユラちゃんに見送られ馬車へとな。
流石に、超小型種のコニーであるユラちゃんに乗って、あの巨大建造物である王城内を移動するのは無理だから、仕方ないわな。
ヴァルハラ館では歩きだったアリンさん、ヒューデリア嬢、エドワード執事長、エルドリア・メイド長の4人も、当然、馬車へな。
まっ、歩きなんて無理だからさ、当たり前ではあるんだが…
やはり馬車での移動速度は段違いで速い。
ヴァルハラ館と呼ばれる屋上部を移動し、王城内へと。
最上階が皇族の居住区となっているため、ヴァルハラ館からの移動は、思ったより掛からないみたいだな。
まっ、馬車での移動だからではあるのだが…
馬車が通路からホール状の空間へと。
お馴染みとなった玄関前の庭だな。
いや、さぁ…柱が何ヵ所もあるが、流石に広い…って、天井にさぁ穴が開いてね?
えっ、態と?態となんだぁ…
最上階だからこそ許される、天井から直接明かりを取り入れる仕組みなんだとさ。
むろん、屋上に問題がないように考慮した形で穴を開けてあるぞ。
自然な採光と真操具の明かりが相まり、不思議な魅力をな。
この庭…良いわっ…
馬車の窓から庭を眺めつつ玄関へ着くのを待つ。
ほどなく玄関へとな。
うん、分かってた。
執事とメイドが並ぶ花道ね。
うん、馴れた訳ではないけど、インパクトは落ちたな。
騎士が作った花道がヤバ過ぎたからなぁ~
馬車から降りて花道を進むと、ルマド爺様執事とは違う雰囲気の老執事がね。
皇族が住まう場所を統轄している執事なんだろね。
威厳が半端ないんだけどさ。
う~ん…ルマド爺様を見た後ではな。
威厳もあるが、人当たりが良く、すっと入り込んで来る感じのルマド爺様は、いつの間にか場の空気を掴み誘導したりしていた。
それに比べると、威厳にてピリピリとした空気を生み出す、この老執事はなぁ。
まぁ、ルマド爺様は王城統合執事だから、仕方ないのだろう。
でもなぁ…なんか、違わね?




