神隠し89
コニーのユラちゃんの背に座り、揺られながらの帰宅です。
玄関でユラちゃんから降りると、直ぐに顔を擦り寄せて来たよ。
なんで、こんなに懐いてんの、この子?
そんなユラちゃんとは玄関でお別れね。
非常に寂しそうなのだが、心を鬼にして…って、をぉ~いっ…
玄関前、通路挟んだ反対側が厩舎かいっ!
目の真ん前やんねっ!
いや、近くだからさ、そんな売られる子牛みたいなウルウル瞳で見ないのっ!
ドナドナ感出さなくてよろしい!ったく。
ユラちゃんが厩舎へ入って行くのを見送り、その後で玄関から第7寝室へと。
いや、もう自宅で良いやんね。
今から、そうしよう。
ユラちゃん専属のモニカちゃんは、ユラちゃんに付いて厩舎側へな。
そちら側へ向かったメイドさんも居るんだが、残ったメイドさん、多くね?
風呂は終わったし、飯も食った。
後は寝るだけなんだが…
あ?もう1度風呂?
ここの風呂へ入ってからマッサージした後に茶を飲み就寝と…
いや、直ぐに寝れば良いのでは?
ダメ?
熟睡するには欠かせない?
って、ことでな、自宅風呂へとな。
軽く洗うのを、マッサージってことで洗われてしまう。
ナニのマッサージはございません!ったら、ございません!
揉み解され、フニャフニャになりつつ湯船へと。
ふぁぁぁっ、溶けちまいそう…
風呂から上がり脱力している俺へな、リラックス効果の高いハーブティがさ。
寝室で頂いた後で、巨大ベッドへと。
布団の海へと沈み込み…__..zzZZ
ハッ!
朝?
何時、寝たんだっけか?
布団に入ってから記憶にないんですけど…
室内に漂っていたアロマは、昨夜とは違うように思える。
尋ねると、寝る時はリラックスして眠り易く、眠りへと誘う効果がある香を焚くそうな。
今朝はリラックス効果はあるが、昨夜とは逆に、目覚めの効果がある爽やかなアロマを奏でる香をね。
いやさぁ、香り1つで、ここまで違うもんなんだね。
ベッドから這い出ると、目覚めのハーブティを頂く。
こちらも昨夜とは違い、目覚めの効果が高い飲み物でな、口当たり良くリラックスできる旨いお茶なんだが、飲んでると目がバッチリとね。
洗顔、用足しを終えてから、用意された衣服へと着替える。
むろん、1人でしましたが…なにか?
当たり前のように室内へメイドさん達が居るのは、諦めました。
ここは妥協しましょう。
全員が全員、日本語を操ります。
外見が違うだけの日本人みたいです。
流暢と言うよりは、母国語のように喋ってますね。
「高位貴族では、第2母国語扱いでございます。
ゆえに、ヴァルハラ館へ出仕している執事、メイドは、皆が日本語を話せます」
そうエルドリア・メイド長が教えてくれたよ。
着替え終えたら朝食だ。
ダイニングルームには、アリンさんとヒューデリア嬢が、既に席へな。
2人の部屋は別層へ用意されているが、移動が大変なので、俺と一緒に暮らすことにしたんだよ。
空き部屋を使って貰ってるよ。
さて、今朝の飯は、なにかなぁ~




