神隠し24
いつの間にやら平らげていたスープ…どんな味だったのかに思いを馳せれば…うっ!頭が痺れるような…朦朧と意識がな。
これを味と言って良いものか?
マジックマッシュルーム系ではないが、ヤバイ代物が混ざっとらんだろうな?
「はふぅ…屋敷で頂くスープと同じとのことですけれど…同じ材料、同じ工程の調理法を用いて、なぜ鳥車厨房で作られたスープは、こんなに魅惑的な物へなるのかしら?」
そんなん言ってるな。
どうやらヤバイ素材は使用されて無いようで一安心さね。
しかしな、作る場所が変わるだけで、ここまでヤバイ代物になるものなのか?
不思議に思っているとな。
「ヒューデリア様、確か鳥車内では異臭が除去されるだけでなく常に清潔に保られているのでしたか?」
そうアリンさんが尋ねてるよ。
「ええ、確かに、そうですけれど?」
それが何っう感じで受け答えている彼女へな。
「もしかしたら…それが味の秘密の一端かもしれませんね」っと。
「どう言う意味かしら?」
首を傾げるヒューデリア嬢と同じく、俺も首を傾げてしまったぜっ!
「聞いた話しですが、料理は下処理が肝要とのこと、それにより雑味を取り去るらしいですね。
この雑味を取り去るのに、鳥車内を清潔に保つ機能が影響しているとすれば、より雑味のない物ができあがるのでは?」
そう告げられ、ハッとした感じで彼を見てるな。
「言われてみれば…確かに、そうですわね。
結界内は空気が澱みますから、清浄化の操具で清潔に保たれるのが常ですわ。
ですが、結界内で調理するのは鳥車くらいですから…ありえますわね」
そんな話しをしつつ、後出し前菜兼サラダを頂いております、ウマウマ。
このサラダは様々な野菜をゼリーにて封じ込めた逸品でな、フルフルとしたゼリーとシャクシャクと瑞々しい葉野菜にトマト、黒オリーブやらマッシュルームなどがな。
ゼリーと混在となり口内で踊るよ踊る、ダンシングぅ。
美味いのは当然として、中々に楽しい料理だな、こりゃぁよぅ。
料理を楽しみつつ聞いていると気になる話題がな。
「ちょっと待ってくれんか?
操具を稼働させるには真素が必要で真素充填具から真素を操具へ充填していると?」
「ええ、そうですけれど?」
いきなり俺が尋ねたので戸惑っているが、訊きたいのは、このことでは無く確認に過ぎない。
なので続けてな。
「真素が充填さりた操具は稼働しつつ使用した真素を放出してるんだよな?」
「ええ」
「そして結界は真素も外部と遮断していると?」
ここまで告げると、2人も気付いたようでハッとした顔に。
そう、今の鳥車内の真素濃度は結構な高さとなっているのではなかろうか?
いままで無事に運用されていると言うことは人体には影響はないのだろう…ないよね?
だが、この高まった真素濃度の影響が皆無とは思えない。
「なぁ、料理が異様に美味くなったり、異様な程に空腹を覚えるのは真素濃度が関わってないか?」っとね。
そしたらな、告げた俺を2人がマジマジと…いやぁ、照れますなぁ~




