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神隠し17

馬車の窓から領都の迎えとやらが居る場所を見た俺は、思わず声をあげてしまった。

「なんだ、あの巨大な生き物はっ!」ってな。


いやな、郷都の屋敷を比較対象にしてもおかしくないほどにデカい鳥がな。

いや、あの姿から考えるに鳥だよな?


胴から吊るすように箱が取り付けられており、その近くで作業している者達が伺える。

ってもな、距離があるため人は小さくにしか見えない。

遠近感が狂いそうだ…

まさに、ここは異世界だと強烈に印象付けてくれるよ、まったく…


いやな、確かに巨大馬や巨大魚のこともあったが、巨大魚なら地球にもマグロなどの巨大な魚がいる。

巨大馬だって○風や○王号の例もあるだろ?

けどな、あのような鳥は…いや、生き物は居なかった…シロナガスクジラなら?


だが、普通なら自重で潰れないか?

って、待て!

鳥のような姿からして…もしかして…飛ぶ?


いやいや無理っしょっ‼

あんだけ巨大ならば、かなりな重さであるはずだ。

そう考えるとありえんだろうな、うん。


そんなん思ってる俺へアリンさんがな。

「あれはレクイア鳥ですね。

 アレに吊るされた客車へ乗り領都へ赴くことになります。

 数ある領でもレクイア鳥車を持つ領は限られております。

 私も初めて乗るんですよ」だってさ。


目をキラキラさせつつ告げられると、どう反応して良いのやら…

しかし鳥車ときたか…

ってことはだ、アレって…


「もしかして、アレって、飛んだりする?」っと、思わず問えば、キョトンとされた。

いや、なんか変だったか?


「鳥ですから、当然飛びますけど?」って不思議そうに。


いやいや、だからぁっ!

「あんなに巨大な生き物は重いだろ‼

 なら浮力を得られないんじゃないのか?」

そう訊くとな。

「浮力って何ですか」って返されたよ。


いや、確かにさ、ここはファンタジー溢れる異世界さ、地球の知識が通じないこともあるだろう。

だがな物理の法則を無視するような現象は如何なものか?

っても、実際に起こっている訳なんだが…


まぁ、科学が万能な訳でもない。

ニュートンの万有引力の法則が長らく正しいとされていたがアインシュタインの相対性理論により、より正しい実証がなされたのだとか。


後から確立された理論が(まさ)るのは、当時知られてなかった事柄か判明したりしたためであろうか?

ならば、この異世界には地球では判明していない…ハッ!真素かっ!

真素がどのように影響して物理の法則を捻じ曲げているのかは分からないが、そうとしか思えない。


俺は俺が知る範囲でアリンさんに浮力や物理の法則について説明をしたんだが、理解して貰えなかったよ、トホホ。


そして、馬車は鳥車の元へと。

馬車から降りて上を見上げれば鳥さんの胴体しか見えない。

っかさ、体を支えている足は巨木と勘違いされてもおかしくない規模だ。


本当に、これが飛ぶの?


巨大馬車数台分の大きさを誇る鳥車へ、俺の荷物が先に持ち込まれる。

俺はアリンさんと一緒に領都から迎えに来られた方々と顔合わせなんだとさ。

どんな方々なんだろね?

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