神隠し16
晩餐が終わった後は風呂をいただき、その後は歯磨きして御不浄へ。
うん、掃除はしているんだろうけどさ、本当に御不浄だね。
トイレだけは、全く慣れない。
食事は旨いし寝具も極上と言えるだろう。
まぁ、移動に次ぐ移動だから、娯楽がどうなのかは分からんがな。
少なくとも文字は読めないからなぁ~
どのようにして、こちらへと来てしまったのか分からないが、元の世界へなんとか帰れないかとは考えている。
だが、現在では手掛かりすらなく、更には文からの情報では不可能とはなっている。
だが、同じ世界から何人もの者達が、この世界へ迷い込んでいるのであれば、元の世界との接点があるはずだ。
なれば、可能と考えても良いのではないだろうか?
今のところは異様なほどに優遇されているが、それは俺が招かれ人と思われており、招かれ人が真素を操れるとされているからだ。
俺が招かれ人と言うのは、今までの経緯から考えれば、ほぼ間違いないだろう。
だが、俺が真素を操れるねか保証などない。
もし真素を操れなかったとしたら…
そんな不安が過るが、今の俺にはどうしょうもないことだ。
そんな不安を抱えている俺が眠れるはずもないだろうが、一応はベッドへと。
適度な弾力を持つフカフカな寝具へ包まるが、今の不安を抱える俺が容易く…ぐぅ..zzZZ
うん、朝ですね。
実に清々しい朝が来ましたよ。
えっ!?不安を抱えて眠れないちゃうんかぁっ!って?
いや、ちゃうんや、あれは不可抗力やねんな。
あがいな睡眠導入剤ごとき寝具に一般人が抗えるはずがなかろう?
だから、仕方なかったんや、そうに決まっとる!
そんなことを思いつつ朝の身支度を。
洗面所は綺麗で豪奢だ。
手洗い洗面用の水はタンクに溜められており、水道口の栓を外すと流れてくるぞ。
タンクへ溜めるのは人力らしいけど…何気に贅沢さん?
これでトイレさえ水洗ならなぁ…
そんなん思いつつも身支度を終えた俺はメイドさんに案内されてダイニングルームへと。
朝食を頂いた後で、しばし食後休憩として緑茶を頂きつつまったりと。
したらな、アリンさんが徐に言う訳よ、これがさ。
「葵様、領都からのお迎えが参っております。
郷都の外にて控えておりますので、馬車にて参りましょう」ってさ。
そんでさ、アリンさんに導かれて屋敷の前へ横付けれた馬車へと。
俺の荷物は既に運び込まれており、身一つで乗り込めば良かったよ。
俺とアリンさんが馬車へ乗り込むと直ぐに馬車が出発した。
いや、このまま領都やらへ向かえば良くね?
つかさぁ、領都からの迎えとやらは、なんで郷都の外で待ってんねんや?
そんな俺の思いを乗せつつも馬車は進む訳で…
っかさ、ザリュッヅの里から移動に使った巨大馬が牽く巨大馬車だから移動速度は異様なくらい速い。
アッと言う間に郷都の外だな。
ほどなく領都からの迎えとやらが居る場所へと。
っか…何やら巨大な物が…なんぞ、あれ?




