表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
能力者達  作者: 蒼田 天
第三章 十二支決戦篇:上
43/60

対人戦闘訓練、開始(1)

 前回投稿の「一騎当千(7)」から、しばらくの期間休ませていただきました。これからはじゃんじゃん投稿して……いきたい所ですが、二、三週間に一度のペースでの投稿をこれからも続けて行きます。今後とも読んで下さる方はよろしくお願いします。


     蒼田天

     1


「今日は対人戦闘の訓練をしてもらいたいと思っているんだが?」

「対人? どうやって?」

「まあ、いつもみたいに能力を制限したり殺傷性のある武器の使用を禁じたりするんじゃなくて、完全な殺し合い。勿論、額や目、心臓とかの人が即死するような場所は避ける」

「そんな、可能なのか?」

「決して不可能ではない」

 提案したのはノブとコマだ。俺に関しては少し困ってる。

「人の腕は接合してまた使える。その位の傷は投薬でどうにかなる。だが、死ぬことだけはどうすることも出来ない」

「短期間であいつらと私達が対等に渡り合うには、人が少なすぎる。それはすぐ集められるものでは無い。だからこその個人のスキルアップが大事になる」

「死ぬかもしれない所で戦いを強要することは出来ない。各自の判断に任せる」

「そんな甘い考えで──!」

「ここでのリーダーはオレだ。少し落ち着け、コマ。相手はオレらと同じ人間だ。殺していいものでは無い。その判断は一緒だろ」

 つまり、俺達は《十二支》と戦うことになる場合、殺しはNG。だからこそ、ここで言っている殺さない戦い方。

「俺は賛成だ。だけどそう言って簡単に出来ることでもないだろ?」

「そのための対人戦闘」

「本気で戦えるのか?」

「やるしかないんだよ」

「じゃあ、今俺と戦え。一瞬でも躊躇すればこれは無しだ」

「分かった」

 リョーの提案は無理がある。躊躇いなく分かったと言えるノブも凄い。

「そしたら念の為全員、武装して島に行くぞ」

 ノブは自分の部屋に戻って行く。それに続いて行く形で全員が動く。リビングに残ったのはユイと俺だけだった。

「ソーヘーはどうするんですか」

「反対はしない。むしろ賛成……なんだけど、ノブらしくないというか……ゴメン、上手く説明出来ん」

 少し話をしよう。

「じゃあ、私モニターの用意するので、あまり無茶はしないようにみんなに言っておいてください」

「おう」

 階段を降りて行くユイを見送って廊下を歩いていく。扉をノックして返事を貰う前に入る。

「いぁん、えっちー」

「バカ言ってないで本音を聞かせてくれ」

「はは、なんのことやら」

「ノブ」

「分かったよ。少しだけな。詳しいことはちゃんと後で教える」

「それでいい」

 ノブはスーツを着てベッドに座ると溜息を漏らす。

「オレは本当はコマだけ、いや、それにオレが着いて行くだけにしようと思った。メイやリョーを巻き込むのは間違えだと思った。被害者、もしくは犠牲者が出るのは完全にオレの考えに当てはまらない」

「それで、殺さない戦い方は出来るのか?」

「最悪、四肢を全て切り落として止血。それくらいしか」

「下手したら殺し兼ねないだろ?」

「相手は能力者、しかも操作技が使える可能性が十分にある。四肢を切り落とされても生きているさ」

 確かにそれは言えている。

「まあ、相手はリョーだからまだ何とかなると思う」

「リョーの能力は一対一の闘いじゃ有利に働くだろ?」

「オレやメイはリョーとは長い付き合いだからな……」

 ──昔のリョーを知っているからこそ勝てる、か。

「取り敢えず、島へ移動を済まそう。詰まる話はその後だ。今日は晩酌に付き合って貰うぞ」

「わかったよリーダー」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ