守護神の加護
「そういえばお坊っちゃま。明日で2歳ですね。おめでとうございます」
「え?」
そうラエルさんが言ってきたのはある日の朝だった
今日は、というか今日も阻害魔法の練習をしている
初めて阻害魔法の練習をしてから多分2ヶ月くらいはたったと思うけどまだ使いこなせていない
理由は簡単で、イメージできないのだ
正確には相手の魔力に干渉するイメージができない
この相手の魔力に干渉するというのは、簡単に言うと相手の体、正確には魔力に自分の魔力を送り込むという結構高等技術だ
ラエルさんいわく、これがないと魔法使いとは言えない、らしい
だからこれは諦めるわけにはいかないので今までずっとやってきた
そしてやっと触って相手の魔力に干渉出来るようになったが、この技術の本質は離れた相手への攻撃なのだ
だから今の僕は言わば2流の使い方なのだ
だが逆に言えばこれが使えれば1流なわけだ。そしてこの技術は他の魔法にも使える
攻撃魔法でも防御魔法でも支援魔法でも何にでも、とは言わないが大体に応用出来るらしい
是非とも、是が非でも覚えたいのだ
そう意気込んでやっているのに急に言われた明日誕生日ですよ宣言
何というか、混乱するわ
この際だから気になっていることを聞こう
「ねぇー、ぼくのたんじょーびっていつなの?」
「お坊っちゃまの誕生日は1年の始まりの近くですね」
「そーじゃなくて、なんかーせいかく?なきまりとかないの?」
「日付のことですか?それでしたら冷神の月、つまり冬の四番目から三十たった日ですよ」
へぇー、冬のことを冷神の月って言うんだ
単純に計算すれば三月三十日ってことだな
「じゃーリアは?」
「御嬢様は暑神の月、夏の二番目から五日たった日ですね」
「へぇー、ふゆってゆきがふってるときなの?」
「いえ、それは天神が決めます。天神が嫌だったら降らせませんし」
「へぇー、そーなんだー」
このままいくと春は暖神とかかな?秋は涼神とか
「それでお坊っちゃま、何か欲しいものはありますか?有るのでしたらお誕生日の日にお贈りしますが」
欲しいものなー、この家にいれば大体手に入る気がするんだが
外に出たいとかじゃダメなのかな
「じゃーそとにいきたいー」
「それは明日を過ぎた時点で達成できます。お坊っちゃまは明日で2歳ですから」
そういえばそれも疑問なんだった。忘れないうちに聞いておこう
「ねぇー、なんでにさいにならないとそとってでちゃだめなの?」
「そうですね。明日混乱しないようにも説明しておきましょう。此処に住まう者達は2歳になると守護神の加護を受けます。何故かを簡単に言えば死なないためです。
この加護は如何なる攻撃をも通さない無敵の加護です。何故ならこの加護を破る方法は見つかっていないからです。しかし2つ欠点があり、攻撃を自分から受けた場合は加護が発動しなくなります。それともうひとつは、この加護は自分で使うことと使わないことの切り替えができます。
皆、普段は使っていますが、何らかが原因で加護を使っていないと攻撃を受けてしまいます。
最後になぜ2歳からなのかというと、守護神は最高位神とは言え休まずに働けと言うのは酷なので1年の休みを与えられました。そして加護が完成するのに1年掛かります。なので出生した子供が2歳の時に加護を与えられます。
少し早口になりましたが大丈夫でしたか?」
「う、うん。だいじょーぶ」
恐ろしいほど滑らかだった
今の長文を1回も噛まず、且つ滑らかとかすごいな。僕だったら噛み噛みだよ
今ので頭の中にあった疑問が半分はなくなったよ
なんで外行けねぇんだよとかずっと愚痴っててごめんね守護神
というかそんな身近に神がいるんだなこの世界って
でも死なないってことは寿命とか病気じゃないと死なないってことだよな?
この世界の人口密度ってどーなってんだろ
よっぽど住める土地が広くないとすぐに人で埋まっちゃいそうだけど
そこも神様パワーで何とかしてるのかな?
「それで話を戻しますがお坊っちゃま、何か欲しいものはございますか?」
ほしいものねぇ、今は無いかなぁ
今ハマってるものと言えば魔法だけどこれはラエルさんが居ればいくらでも出来るし
他に欲しいものとか今は考えても何にも出てこないなぁ
「いまはないかなぁー」
「そうですか。お坊っちゃまは無欲ですね」
そうかなぁ?今は魔法ブーム入ってるからだと思うけど
というかこの家欲しいものは大体出てくるし
「お坊っちゃま、説明を1つ忘れていました。守護神の加護を受けるともうひとつ服を着ているような感覚がありますので、いきなりそうなっても慌てないでくださいね」
「そーなんだー、わかった」
さて、明日が楽しみだな




