イニシャル
PAN・NIC「‼︎‼︎」
二人は息を呑んだ…
PAN「NIUS…あなただったの?」
NIC「なぜお前が?」
PAN「あなたが?確認だけどあなたが私を…」
NIUS「あぁ…お前さんたちが思ってる通りだよ」
NIC「お前が昨日も…」
NICの話を遮るようにNIUSは言葉を挟んだ
NIUS「昨日もそうだ、今日もオレだ。オレがPANを殺そうとした。」
PAN「どうして…」
NIUS「どうしてって?」
NIUSはロープで縛られ三人に囲まれる中話した…
オレがこの島に来て四年小さなダイビングショップを経営していた。
昨日会った時話しただろ!?
オレの店とPAN、君が勤めている動物病院は近くでよくランチ時に見かけていた。
どうしても君と接点が欲しかったが特にない。
するとたまたま、店の裏で野生動物が怪我をしていた。
オレは動物を抱え君のいる動物病院へと向かった。
「すまない、治療してやってくれないか…」
最初は君と話せた事が嬉しかった。治療の間その様子を眺めていた。
すると君の左薬指には指輪をしていた。
そこでオレは正直ショックだったがどうでもよかった。どうでも良かったと言うのは、
君と話せたことだけが嬉しかったことと、
一つの生命が助かったってことだ。
それから君はオレと普通に接してくれた。
ランチの時に一緒になれば一緒に食事し、
道で会えば挨拶だってする。
いや、したのさ…
その一年後君は離婚する。
すると君は「もう男は信じられない」
といい徐々にオレからも距離を置いて行った。
ランチの時も片隅で君は食べていた。
オレが近づこうとするものなら、
サッと片付けて出ていってしまう。
道で会っても回避するように君は進路を取る。
ずっとオレは君を見つめ続けていた。
しかし君は他の男同様に
オレからもさらに距離を置いた。
オレは何もしていない。なぜだ、なぜ君の旦那とオレを同じ扱いをした。
すると君はこの野郎NICとは
ニコニコしながら話すじゃないか!
久々に店に来てオレや男を避けてた君がNICとは…
何がオレとは顔馴染みだ!ずっと避け続けてきやがって!
勝手な事を言うんじゃねぇ!
そんな君がニコニコしてる君を殺したかった。
NIUSは怒ってたかと思うと
魂が抜けたかのような表情だった…
NICとPANは言葉がでない。
無情にも碇を下ろしてた船の上で
四人の時間だけが過ぎていく…
PAN「私のせいだったのね…あなたの気持ちを考えられず」
NIUS「もういいんだ、オレは君を殺そうとしたんだ」
PAN「NIC昨日の事は警察には届けてないんでしょ?」
NIC「あ、あぁ」
PAN「それじゃ事故よ。これは事故よ。NIUSあたなは何もしてないわ。事故だもの」
NIUS「そんなことされても、オレはもう島には住めない」
PAN「大丈夫よ。大丈夫…」
NIUS「オレもこの海が好きだ。とりあえず船を走らせてくれないか。このまま考えさせてくれ。」
するとNIC達は船を動かした。
15分ほど走らせただろうか…
NIUSは後ろのデッキに座り陣取ってた。
おもむろに立ち上がった、
NIUS「オレはやっぱりこの海が大好きだ。
海、町、動物、そして君も」
PANにそう言うと、
NIUSは自分の縛られているロープの余を
クルーザーのスクリューに流し入れた。
ロープは勢いよくスクリューに絡んでいく
時間にして一瞬だった。
NIUSはそのまま海に引き込まれ
スクリューに絡まり辺りに生臭い血が漂った…
警察の現場検証、NICの携帯電話の音声記録などに
よりNIUSの死は事故死と断定された。
※三人に殺意がなかった
PAN殺人未遂事件、被疑者死亡のまま書類送検。
・NIUSは元潜水士と判明。
・酸素ホースの切り口とNIUSの
ナイフの切り口が一致
・クルーザー船の立証検証の結果、
NIUSは事前に船のデッキ部分に潜り船に
しがみついていた。
正しくはカラナビを付け引っ張られるように細工した。
船にカラナビの後があった(物的証拠)
ただ、解明されていないのは、
NIUSが水中にも関わらず
なぜPANと断定して襲えたのか。
沖に出て碇を下ろした時刻は約14時
太陽の位置は真上よりやや傾く
水中に旧式の潜水道具で潜るとなると、
面部分はガラスなので14時の太陽位置だと反射する。
なので犯人は正面に向かい顔を確認する必要がある。
このなぞは解明されなかった…。
いまでも
NICの祖父の家には
潜水道具が綺麗に並べられて
保管されている。
ただ、
イニシャルが入った潜水の面だけが
無造作に横たわっていた。




