対象物は人
NIC「先にオレが潜って上がってくるから
君はまだ潜っちゃダメだ!いいね?」
小さくうなずくPAN
以前のように背面から飛び込む…
ゆっくりと潜水服をまとったNICが沈んでいく
潜水服に空気を含んでいるせいか、
沈むスピードは遅い
そしてスピードは以前よりやたらと長く感じる…
ゆっくりと海底につく
背中を船に向け海底を歩くNIC
変わった様子は特にない
綺麗なサンゴ、決して美味しそうに見えない綺麗な色の魚たち。
透き通る海…
NICは以前の出来事をひととき忘れた。
それほどこの海は魅力的なのだ。
NIC「はぁはぁ…」
PAN「どうだった?」
NIC「やっぱり最高だこの景色は」
PAN「そうよね。この海は最高だもの!
こんどは私の番ね」
PANは重たい潜水服を着直し準備に入った。
PANは船のへりに腰掛けNIC同様背面から入水する
潜水スーツの重みでゆっくりと沈んでいく。
恐怖感はあったものの、海の中を見れば
その「心」も忘れた…。
PAN「…。」
言葉もでない。
透明な海水、魚、サンゴ…
自分がなんだか小さく思った。
一方船上のNICはソワソワしていた…
NICは海面を見ているが何も変わらない海。
鳥、風、波…ごくごく自然だ。
立ったままのNICが腰を下そうとした時だった、
海面に酸素ホースが、海面で暴れている
NICは叫んだ‼︎
NIC「PAN ‼︎」
NICの大声と共にクルーザーの部屋の
ブランケットに潜んでいたNICの同僚が飛び出してきた。
同僚「出やがったか」
NIC「あとは頼む!」
NICは重りを付けた空のペットボトルと共に水中に潜る。
NICの同僚は慌ただしく海面をキョロキョロ見回す
同僚「く…くそ…どこだ…どこだ…」
辺りを見渡しながら準備をする…
NICは海底に着きPANを後ろから羽交い締めにし
重りを外したペットボトルと共に浮上する。
NIC「…。」
同時に船上では…
あたりを右往左往見回している。
すると海面に、
ボコボコッ、ボコボコッ…
と明らか魚の呼吸ではない酸素が
無数に浮上している。
同僚「あれか‼︎‼︎」
その泡目掛け足から飛び込んだ。
潜ると対象物は「人」だった
同僚は相手に追いついた。
しかし人物は逃げる
同僚は逃げる相手の腕を掴もうとした。
必死に抵抗する相手。
そのころ船上ではPANを無事引き揚げた
幸い今回のPANは意識がある。
NIC「大丈夫か?」
PAN「ええぇ、また背後から襲われて気付かなかったわ…」
NIC「くそっ」
PAN「でも、何かあってもNICあなたが助けに来てくれると思ってたわ」
そう話していると水中から夥しい量の酸素が浮かび上がってくる。
PAN「何なの!?!?!?」
NIC「すまないPAN、君に話してなかったのだが、今水中には君を襲った犯人とオレの同僚がいるはずだ」
PAN「何???」
PANは眉間にシワを寄せしかめっ面で困惑している。
NIC「実は昨日の事を同僚に伝えたら、島まで応援に来てくれた。そして誰かが君を殺そうとしてると考えた。
同僚には予めこの船のブランケットに隠れて犯人を追って欲しいと頼んだのだ」
PAN「…。」
NIC「君を危険から助けるためだったんだ、すまない」
PAN「大丈夫よ、どっちにしろ私は殺されてたかもしれないもの」
すると水面に同僚と人物が…男だ!
犯人と思われる相手は男だ!
NICも船にあるロープを持って加勢に行く。
男を同僚が羽交い締めにし、
NICが男の胴体と腕を縛る。
二重、いや三重ぐらい巻いたであろうか、
ロープは11mほどあるのでまだゆとりがある。
そのまま拘束したまま船に引き上げる。
NICは男のウェットスーツの帽子とゴーグルを取った。




