1.素敵すぎる婚約者
【★作品傾向のご案内★】
・当作品は作者が好き勝手妄想したファンタジー世界での恋愛要素強め作品です。
・ミステリー感覚で読み進めていただく展開でもあります。
・『〇〇の世界の□□なキャラ』などの異世界転生設定や展開はありません。
・ヒロインは、既婚者で子供もいます。(※ただし結婚~出産の記憶がない)
・冒頭から15話くらいまではヒロインのヘイト展開が続きます。
(↑以降は、三歳児幼女の癒しが大爆発します!)
・R15タグは保険でつけてます。
以上がOKな方は、是非お楽しみください。(多分60話前後で完結予定)
淡い月明かりが美しい静かな夜。
その月光と控えめなランプの光の中で伯爵令嬢のマリエルは、以前メイドとして仕えてくれたフェニア宛の手紙に本日あった喜ばしい出来事をニヤニヤしながら書き綴っていた。
この日、マリエルは王令で交わされた婚約相手と初顔合わせをした。
相手は、この国の三大侯爵家の一つであるメディウム家の嫡男サイラスである。
今年で十九歳になるサイラスは、二カ月ほど前に高位貴族の令息が通う王立アカデミーを主席で卒業したそうだ。
そんな優秀な婚約者は、容姿面でも多くの女性が振り返るほどの美青年だった。
特に目を引いたのは、サラサラなプラチナブロンドの髪とエメラルドのような濃い緑色の瞳で、まつ毛など女性のように長い。
だが、スッと通った鼻筋からは男性的な凛々しさも感じられた。
なんにせよサイラスという青年は、とても整った顔立ちをした青年だったのだ。
それだけでも歓喜に値する好条件の婚約者なのだが、彼は内面部分でもマリエルの心を鷲掴みにした。
柔らかな物腰と落ち着いた雰囲気。
高くも低くもない声はとても心地よく、緊張で強張っていたマリエルに穏やかでゆっくりな口調で対応してくれたことからも彼の誠実さが見て取れた。
そもそもこの婚約は、サイラス側にとって家格が下の伯爵家を王家より充てがわれてしまった状況である。
それでも彼はマリエルを見下すこともなく、婚約者として丁重に扱ってくれたのだ。
そんな容姿も内面も素晴らしい婚約者にマリエルは、年頃の乙女らしく一瞬で恋に落ちた。
今から成人するまでの三年間は、マリエルにとって素敵な婚約者と過ごせる楽しい時間となる。
その嬉しさを爆発させるようにマリエルは、親友のリアラ宛に便箋十枚以上に渡って歓喜に満ちた手紙を書いた。
それでも喜びの興奮がおさまらなかったので、今度は三年前に家業の立て直しで実家に戻ってしまった元メイドのフェニアにまで手紙を書き始めた。
五歳年上のフェニアは、マリエルにとって姉のような存在である。
主従関係が終了してもそれは変わらず、これまで嬉しいことや悲しいこと、悩みなどをたくさん打ち明け相談してきた。
今はその役目をマリエルの兄嫁であるフリーデが担ってくれている。
もちろん、義姉にも口頭で今日の喜びを熱く語ったのだが、もう一人の姉的存在であるフェニアにもこの喜びを伝えたくなったのだ。
その熱い思いは、再び十枚以上の便箋をマリエルに消費させた。
そんな興奮状態で書き上げた手紙をニンマリしながら読み返したマリエルは、満足げに封筒に押し込んだ。
封筒はパンパンに膨らんでしまったが、おかまいなしに封蝋印を施す。
二十枚以上も手紙を書いたことで落ち着きを取り戻したマリエルは、今度は素敵な婚約者との過ごし方について思いを馳せる。
次の面会日では、どこかに出かけることを提案してみよう。
その前にまず彼がなにが好きかを確認しなければならない。
甘い物が好きだったら、お洒落なカフェを巡るのもいい。
もし乗馬が得意だったら、二人で遠乗りもしたい。
子供好きであるかの確認も必須事項だ。
毎週自分が通っている孤児院への差し入れ訪問にも誘ってみよう。
寝台に入っても婚約者と一緒にやりたいことが次々と思い浮かんでしまうので、それらを忘れないように書き損じた便箋の裏側にビッシリと書き綴る。
そして最後にもう一度読み返し、満足そうに机の引き出しにしまった。
これから始まる楽しい婚約者ライフに思いを馳せ、再び寝台に潜り込んだマリエルは一瞬で深い眠りに落ちていった。
なろチア、投稿当初設定してましたが自分が見た時、広告に耐えられなくなり解除しました……。
あとこの作品は、1~12話くらいまで誤字チェックでAI使用してます。
(アルファポリスさんの毎月5万文字まで利用できるAI校正を使用)
それ以外は全部人力です。





