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理系令嬢、没落公爵家を科学で救う  作者: 此花サギリ


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第27話 幼き令嬢と無害化粧品の挑戦

王都のタウンハウスは、レストラン事業や服飾革命に続く新たな活気に満ちていた。マリアンヌ・フォン・ルーベルは、化粧品開発のために広げた机の上で、香料や保湿成分の配合表を前に黙々と作業を進める。


「毒のない化粧品……これが成功すれば、王都だけでなく全国の女性たちの生活を変えられる」


前世の知識を応用し、化学的に安全な成分だけを厳選したクリーム、ローション、石鹸を試作。領地にいるセバスチャンへは、分量や手順、保存方法の詳細なレシピを送る。セバスチャンは領民たちに指示を出し、生産ラインを整え、試作品の改良を繰り返す。


「安全性を科学的に確認してから販売する……それが私の流儀よ」


午前中、王妃への献上用のサンプルを仕上げる。王妃は以前からマリアンヌのレストランや服飾事業を支持しており、その信用を化粧品事業にも活かせる。試作品を手渡すと、王妃は肌に塗り、感触を確かめた。


「これは素晴らしい……肌に優しく、香りも上品。王都の女性たちに喜ばれるわね」


王妃自ら公務や舞踏会で使用することを約束し、自然と広告塔となった。王妃の後ろ盾を得たことで、化粧品の評判は瞬く間に王都中に広がり、注文が殺到する。


午後、タウンハウスの展示場で販売戦略を練る。レストランでの顧客データ、服飾展示会での注文情報を活かし、ターゲット層を細かく分類する。王都の商会関係者を招き、化粧品の成分や安全性、使用感を実演し、販売契約を取り付ける。


「セバスチャン、領地の生産体制は万全かしら?」

「はい、マリアンヌ様。試作品は全て安全性確認済みで、生産ラインも拡張しました。王都への供給も安定しています」


領地と王都が完全に連携し、全国展開の土台が整ったことを確認して、マリアンヌは次の手を考える。競合する他の商会や化粧品業者が、この安全性と品質の高さを模倣しようとしていることを、王都の情報網から知っている。


「科学的に安全で高品質な化粧品……模倣されても、品質で差をつけられるわ」


夕方には、王妃が来店し、展示場で来客たちに化粧品の使用法や効果を説明するデモンストレーションを行う。王妃の言葉には説得力があり、王族の権威と信頼が化粧品の価値をさらに高める。来客たちは次々と注文し、展示場は活気で溢れかえる。


夜、タウンハウスの机に向かい、マリアンヌは今日の成果を整理する。

•毒のない化粧品完成と安全性確認

•王妃への献上と評価

•展示場でのデモンストレーションと注文状況

•領地への生産指示と改良点

•全国展開に向けた販売戦略と競合対策


「科学と知識、工夫、領民の協力、王家の後ろ盾……四つ揃えば、どんな事業も全国規模で展開できる」


窓の外に広がる王都の夜景を見つめながら、マリアンヌは次の計画を頭の中で描く。化粧品、服飾、レストラン――すべての事業が相互に連携し、王都から全国に影響を及ぼす。


「美食も服飾も化粧品も……私の手で、この世界の常識を塗り替える」


拳を握りしめ、決意を新たにするマリアンヌ。幼き令嬢の挑戦は、王都でさらに大きな波を作り、全国展開への第一歩を確実に刻んだのだった。



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