龍の意識
シーラに連れてこられたルキは、ハルがいるシーラの家に来た。ハルと再会した瞬間、色んな感情が混ざってしまい全部をハルへとぶつけてしまった。
「どうして勝手にいなくなったりしたの! ワタシがどれだけ心配したか分かる!?」
「どうして俺の居場所を!?」
「キミの居場所を見つけるくらい簡単だわ! だってワタシはっ……」
その先を言おうとして顔を赤くして大人しくなる。ルキの態度の変わりように、ハルは笑ってしまう。
「勢いに任せて感情をぶつけても伝わらないぞ」
「しょうがないじゃない! 言いたいことが沢山ありすぎるわ!」
「おっ!?」
ベッドで横になっているハルに抱き付くルキ。ルキの重さが身体に伝わる。そこに強い力が込められて、苦しさと嬉しさが同時にくる。
「理由があるんでしょう?」
「うん。落ち着いて聞いてくれ」
ハルは、これまで見た夢のこと、今の身体のことを話した。驚きを隠せないのか、両手で顔を覆うルキ。
「気付いてあげられなくてごめんなさい」
「お前が謝る必要ないぞ!?」
「それでもだわ」
「……まったく」
「ハル。変なことを考えてないわよね?」
「……簡単に察しちゃうんだな」
「駄目だわ! 絶対に駄目!」
「駄目と言われてもなあ。これしかないんだ」
「ハル!?」
「一度は自分で落とした命だ。今度こそ本当に落とすだけのこと。俺が俺じゃなくなる前に」
「そんなこと!?」
「ごめんな、ルキ。自分のことは自分で分かるんだ」
ルキに話を聞いてもらったからか、とてもスッキリした顔になる。吹っ切れたといえば聞こえはいいが、雲ひとつの迷いもなくなったということでもある。
「わっち、余計なことをしたのら?」
「さあな。嬉しいのと悲しいのと半々だからなあ」
ベッドを降りて背筋を伸ばす。背筋を伸ばすと気持ちがいいと再認識すると、肩をグルグル回しながら歩く。
「どこに行くら?」
「……ルキを頼む」
「ハルっ!?」
ルキの呼び声に振り返ることも立ち止まることもせず家を出た。ゆっくりと歩いて向かった先は瓦礫。瓦礫に触れて覚悟を決め、空を見上げて手を伸ばす。
「出てこい……災厄の龍!」
ドクンッと高鳴る心臓。ハルの意識は遠くなり、代わりにその身体を支配する意識。
「フン。遂にこの時がきた。復讐の時だ、ニンゲン!」




