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名無しの手紙  作者: 山本良磨
第3話 シルメリア編
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Leona’s Diary

1月7日

 朝起きてしばらくしたら、男の人と女の人がやってきた。物腰の柔らかい、優しそうな男の人と、少し痩せた女の人。日記に書かれてた特徴そのままだった。

 私は夜中に読んでいた日記の通り、挨拶した。「おはよう。お父さん、お母さん」って。

 そしたら二人ともすっごく驚いて、男の人は慌てて病院を出て行った。女の人はその場に伏せて泣いてた。私は慌てて背中をさすった。

 その後にやってきた女の子も涙を流して喜んでた。きっとメールって子だ。前の私が仲良くしてた。

 その後ろには、ナナシさんがいた。私が初めて会った、手紙屋さん。彼が届けてくれた手紙を読んで、名前を知った。

 私はナナシさんに小さな声で「ありがとう」って言ったんだけど、伝わったかな?

 メールちゃんとナナシさんが、シルメリアを出発した。

 メールちゃんと、また会おうって約束した。指切りげんまんで約束した。

 今日の朝ご飯は、お父さんがお店で買ったお惣菜パン。

「こうなるとわかっていたら、もっと豪華な食事を用意したのに」お母さんはそう言ってた。

 お昼は、お父さんとお母さんと、街に出た。服やアクセサリーを見た。結局何も買わなかったけど、可愛いものがたくさんあった。

 昼ご飯は、病院を出て、カフェでミートソースパスタを食べた。おいしかった。

 夜は、お医者さんの許可をもらって家に帰った。久しぶりに家に帰った……、らしい。お父さんがお母さんにそう言ってた。私はずっと病院にいたんだ。

 夜ご飯は、肉じゃがと、コロッケと、カレーライス。

 どれもおいしかった。お父さんが作りすぎって言ってた。お母さん、きっと、すごく嬉しかったんだ。

 多分、どれも私の大好物なんだろうな。

 それからは三人で話をして過ごした。記憶喪失がばれるかと思ってヒヤヒヤしたけど、なんとか話にはついていけた。うん、きっと大丈夫。

 これから、お父さんとお母さんと三人で寝る。今日はじめて会った人たちと寝るってのも、ちょっと不思議な感じ。

 メールちゃんたち、次はどこに行くんだろう?

 きっとメールちゃんは来る。いつか私に会いに、シルメリアへまた来る。多分ナナシさんも。

 そのときまで、あの人たちのこと絶対に忘れないように! いいね、私!

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