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《2章迄完結済15万文字突破!》リアルとゲームのギャップが凄いが何故か絵になる美男美女  作者: 小春日和
第1章 5周年記念イベント編〜5人が出会うまで〜

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第1話 5年目の仲間

リアギャプに登場するキャラクター達がLINEスタンプになりました!

「リアルとゲームのギャップが凄い人達」

で是非検索してみてください☆

たっぷり40個入り190円〜です( ˘ᵕ˘ )

挿絵(By みてみん)



MMORPG。


それは大勢のプレイヤーが同じ世界で冒険するオンラインゲームのことだ。


現実では学生だろうが社会人だろうが関係ない。


年齢も。


性別も。


職業も。


顔も。


何もかも隠したまま、一人の冒険者として世界を旅する。


だからこそ生まれる出会いがある。



『Last Chronicle Online』


通称――ラスクロ。


サービス開始から五年。


世界中で愛され続ける人気MMORPGだ。


プレイヤーは広大な世界を旅しながら仲間を集め、


数々の強敵を倒し、


最終的には世界を滅ぼさんとする


終焉の黒竜ダークドラゴン


討伐を目指す。


そんなラスクロでは定期的にイベントが開催される。


その中でも特に人気なのが――


『紅蓮竜討伐タイムアタック杯』


巨大ボス


【灼熱の紅竜・イグニスレイド】


の討伐タイムを競うチーム戦ランキングイベントである。



夜八時。


イベント開始。


フィールド中央。


燃え盛る火山地帯。


巨大な翼を広げる紅竜が咆哮を上げた。


『GRRRRRAAAAAAA!!』


地面が揺れる。


溶岩が吹き上がる。


だが。


五人は動じない。



先頭。


巨大な盾を構える老戦士。


『拓郎』。


上半身ほぼ裸。


筋肉の鎧としか言いようがない岩石のような肉体。


白髪混じりの長髪。


立派な髭。


背中にはマント。


七十歳を超えているはずなのに、


ドラゴンのブレスを真正面から受け止める怪物盾職。



その後方。


黒いロングコート。


茶髪ツーブロック。


首には使い古したワインレッドの長いマフラー。


鼻側に少しずらしてかけている黒い丸サングラスの隙間から覗く鋭い眼差し。


無口な銃士。


『貝類』。


双銃から放たれる弾丸が次々とドラゴンの弱点を撃ち抜く。


一発。


二発。


三発。


まるで機械のような正確さ。



右側面。


巨大な戦鎚を軽々と振り回す少女。


グレージュのショートヘア。


鋭い瞳。


クールな表情。


ハンマー職。


『アキ』。


自身の体重以上あろう大鎚が振り下ろされる度、


紅竜の鱗が砕け散った。



後衛。


女性神官。


桜色の髪。


毛先は銀がかったグレージュ。


ゆるい三つ編み。


頭部からはピョコっと愛らしい兎耳が顔出す。


丸眼鏡の掛けられた大きな瞳。


文学少女のような落ち着いた雰囲気を纏う


『ハル』。


淡い光が舞う。


仲間のHPが回復する。


補助魔法が重なる。


一切の無駄がない。



そして。


最後尾。


赤髪ツインテール。


眉の上で一直線に切られた前髪。


赤い和風フリルドレスがふわりと風に靡く。


幼い見た目の弓使い。


『すい♡』。


可愛らしい見た目とは裏腹に、


放たれる矢は凶悪だった。


虹色の光を纏った矢が空を裂く。


ドラゴンの翼へ命中。


飛行阻止。


ドラゴンはそのまま大きな音を立てて墜落。



完璧だった。


五年間。


何百回。


何千回。


共に戦っただろう。


誰が何をするか。


もう言葉はなくても次の動きが伝わる。


以心伝心そのものである。



拓郎が受ける。


貝類が撃つ。


アキが叩き潰す。


ハルが支える。


すい♡が仕留める。



『GAAAAAAAAAAA!!』


紅竜が断末魔を上げる。


巨大な体が崩れ落ちた。



【討伐完了】


【クリアタイム 3分41秒】


【クロスランキング暫定4位】



チャット欄が流れる。



貝類

『おつ』


拓郎

『お疲れ様でした』


ハル

『お疲れ様です〜!』


アキ

『おつかれ』


すい♡

『みんなつよーい♡』


いつもの光景。五年間続く日常。


拓郎

『今回もなかなか悪くない結果ですね』


アキ

『10位以内ランキング報酬狙えそうだね』


すい♡

『わーい、今回もまた限定アバゲットできそ♡』


貝類

『服好きだな』


ハル

『可愛いものは集めたくなっちゃうのが女の子ですよっ(˶・▽・˶)』


賑やかである。


そんな中。


ハルが話題を変えた。



ハル

『そういえば、五周年記念イベントが東京で開催されるそうですね〜』



アキ

『あー、3/21だっけ』


アキ

『参加しようかなー』


すい♡

『えーっ!!たのしそーっ!すいも行きたいっ♡』


カタカタとすごいスピードで鳴るキーボード。


そう打ち込んだ。


だが。


(絶ッ対行かない。)


乃村実莉は真顔だった。


会社支給のノートパソコン。


仕事帰り。


自宅。


モニターの中では、


すい♡が元気いっぱいに跳ねている。



実莉は二十九歳…幼女の中の人である。


仕事ができる。


頼られる。


姉御肌。


部下からの信頼も厚い。


いわゆるバリキャリだ。


そんな自分が。



『たのしそう♡』


『いきたーい♡』



とか打っている。


冷静に考えると死にたい。



「……バレたら終わる」



ため息をつく。


(うーん、記念イベントかぁ……)


チラリと壁に掛けられたカレンダーに目をやる。


3月21日。


土曜日。


仕事なし。


予定なし。


用事なし。


(まあ、行けなくもないんだよな、予定ないし)


……だが。


行く気は更々ない。



すると。


ハルが続けた。


ハル

『やっぱり目玉はイベント限定ドラぴこのぬいぐるみですよね〜!』



実莉の眉がぴくりと動く。



ドラぴこ。


ラスクロ公式ドラゴンモチーフマスコット。


通常ラスクロ内のドラゴンは敵なのだが、


ドラぴこは特別。人類側で使い魔として愛される。


しっかり羽としっぽと角はあるのだが、


ドラゴンとは思えないほどモフモフとしている。


小型犬のようなサイズ感。


……めちゃくちゃ可愛い。



実莉は可愛いものに目がない。


誰にも言っていない。


絶対に言わない。


だが好きだ。とても好きだ。



ハルの一言でイベント不参加の決意が揺らぐ。



いや……


まだだ……


最悪フリマで買える……



瞳を閉じてそう自分に言い聞かせる。



拓郎

『白いドラぴこは抽選販売らしいですよ』



実莉が固まる。



詳しいなこの岩石おじいちゃん。



画面の向こうにいる渋い老戦士を見つめる。


可愛いものと最も縁がなさそうな男が、


なぜそんな情報を知っているのか。


貝類

『へー』


完全に興味はゼロ。


カバンのアイテム整理まで始める貝類。


イベントに参加する気配は全くない。



アキ

『そういやすいちゃん好きだよね』


アキ

『ドラぴこ』



「っ!?」


不意打ちだった。



すい♡

『えっ!?』


すい♡

『あ、うん!』


すい♡

『だいすきーっ♡』


すい♡

『ホワイトドラぴこ絶対ほしいなぁ♡』



反射で答えてしまう。


…だがこの言葉は偽っていない。


紛れもない本音だった。


めちゃくちゃ欲しい。


参加者限定。


抽選販売。


激レア。


欲しい。


「……」


無表情のまま、

ゆっくりと机の上のスマホを手に取る。


カレンダーアプリを開く。


3月21日。


空白だった予定欄。


しばらく悩み。


入力する。




【ラスクロ5周年イベント】


【ドラぴこゲットする】


保存。



「……行くか」


こうして。


最初に記念イベント参加を決意したのは、


五歳児ロリ弓使いを演じる28歳のキャリアウーマンだった。

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