04「被害者面」
聆也は、毎日私の隣りにいた。
休み時間。
授業。
部活。
休日。
平日。
ずっと。
嬉しそうに笑いながら、そこにいたんだ。
他の連中は滅多に寄せ付けないし、寄りつかないのに、飽きもせず傍にいてくれた。
だから、何となく、同じ大学に入ってくれるんじゃないかと期待していたけれど、そんなの馬鹿な幻想だった。
彼は、至極あっさりと、うちの大学に行く気はないと言ってくれた。
まるで邪魔者を突き放すような言い方で、ひどく傷付いたのを覚えている。
確かに、奴の頭脳からしたら物足りないのだろう。地元を選んでくれたのが、せめてもの優しさだったかもしれない。
そんな優しさ、いらないって思ったけど。どうせなら、手の届かない所まで行っちゃえば良かったのに。
やりたいことがあるのなら、私なんか構わずに出て行けば良かったじゃない。中途半端なのよ、いっつも。馬鹿。変に期待持たせんな。馬鹿。
何で勉強できるヤツって、対人関係では頭悪いんだろ。
……とか言って、裏切られた気がしているのは、私の勝手な想い。
なんて、身勝手な考えなんだろう。
彼は私のモノじゃない。自分の意思があり、意志がある。
それをねじ曲げようとするのは、横暴以外の何物でもない。
わかっていた。
わかっている。
わかってるよ!
でも私はそれを受け入れられないまま、今も黒い想いを抱えて、捨てられずにいる。
嫌な奴。
聆也と付き合いだしてから、自分の醜さが、目を逸らす事も瞑る事も不可能なくらい浮き彫りになった。
皆、そうなんだろうか。
好きな人といられて幸せなはずなのに、何で苦しくなるのかな。
皆は、どうやって醜い自分と付き合ってるんだろう。
私は……聆也に八つ当たりして、ストレス発散してるのかもしれない。
だから、彼氏に対してあんなに酷い事が言えるんだ。馬鹿にして、自分を棚に上げて文句ばっか言って。
本当に嫌な女。
ねぇ、聆也。
君は私といて、楽しいの?
きっともう、あの頃のままじゃなくなっちゃったんだろうね。
君も、私も。
ミィ子の愚痴にお付き合い頂き、ありがとうございました(+ω+)
何だか、また暗い方向へと走り出してますねぇ……。
高校受験の時にいました、志望校を揃えてたカップル(^_^;)
けど出身校って一生ついて回るモノなので、他人に合わせたりせず、自分のレベルに見合った所を受けるのが一番です。
聆也の選択が正解。
でも残念ながら、正解と希望は違うものなんですよねー……。難しい(・・;)