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黒猫クロマルの異世界さんぽ  作者: さちかわ
クロマルと町の冒険者ランド
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22/72

22にゃ

ざわざわする雰囲気に吾輩は目を覚ました。

うーん、良く寝たであるな。

吾輩はゆっくりと体を伸ばす。

そして周りを見渡すと、そこにはたくさんの人間がいた。


正確には人間だけではない。

マンガやアニメで見た獣耳の人間やトカゲ人間などもいた。

家や店などもたくさんあり、武器屋や宿屋などの看板も出ていた。

ちなみに、今更だが吾輩は文字も読めるのである。

公園で子どもと一緒に本を読んだこともある。

吾輩は好きだったのは名前がたくさんある猫が出てくる絵本である。

あやつはなかなか強そうであったな。


というか吾輩、異世界の言葉が読めるのだな。

村では文字がほとんどなかったので、気にしてもいなかったのであるが。

……まあ、吾輩は天才だからな。読めてもおかしくはないだろう。



「おっ、クロマル。ようやく起きたのか」

ランドが吾輩が起きたのに気づき、声をかけてくる。

「クロマルちゃん、おはようございます」

ティムも続けて吾輩に朝のあいさつをする。

吾輩もニャーと返事を返す。


どうやら二人はもう別れるところだったようだ。

「では、ランドさん。ありがとうございました。報酬はギルドで受け取ってください」

「あぁ、また依頼があればいつでも言ってくれ」

そう言って、ランドは吾輩をいつの間にか持っていたカバンに入れる。

……体がすっぽりはまって、なかなか気持ちいいであるな。

「そういっていただけると助かります。では、またいつか」

ティムはそう言って、ランドにお辞儀をし、吾輩に軽く手を振って去っていった。


「さて、まずは家に戻るぞ」

そう吾輩に声をかけ、ランドは足早に進んでいく。

「カバンの中で暴れまわるんじゃないぞ」

吾輩をなんだと思っているんだ。紳士な吾輩が暴れるわけがなかろう!


ランドは家に戻るまでに、自分たちのことを吾輩に色々と語った。

天才の吾輩が簡単にまとめるとこうである。


・ランドは妻のアニス・娘のリンと3人で暮らしている

・ランドは冒険者の中ではそこそこ優秀である

・アニスはそこそこ美人

・リンはめちゃくちゃカワイイ

・リンはあまり体が丈夫でない

まあ、こんなところである。まあ、途中からリンがカワイイ話しかしてなかったが。


「……というわけで、そのときのリンがかわいかったわけだ。わかるか?」

ランドが気持ち悪いぐらいにやけた顔で吾輩に話しかける。

わかるわけなかろう。見たこともない娘のことなぞ。

というか、周りから見ると1人でなんかぶつぶつ言っている不審者に見えるぞ。


話に飽きてきた吾輩は改めて周囲を観察する。

街中には露店が出ていて、いろいろな商品を売っていた。

果物、肉、野菜などはもちろん、それを料理したものらしき物も売っていた。

ここならなかなかうまそうなものが食えそうであるな!

吾輩は期待に胸を膨らませる。

ちなみにランドは案の定、周りから変な目で見られていた。


だらしない顔をしながらしゃべっていたランドの顔が急に真剣な表情になった。

「よし、ついたぞ。ここが俺の家だ」

ランドはそう言って、とある家の前に立ち止まった。

思っていたよりも大きいであるな。

ランドの家は家族3人で暮らすには十分な大きさだった。

2階建てであるので、階段で遊ぶこともできそうである。

吾輩は階段からゴロゴロ降りて遊ぶのも意外と好きなのだ。


「クロマル。オレは今までの様子からお前が言葉が理解できると確信している」

ランドが真剣な表情で吾輩に語りかける。

「だからこそ、お前にお願いがある」



「クロマル、リンの友達になってくれないか?」

毎日更新していきます!


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