EP88 解放
暑くなってきたね。
ワクチンまだかなー
エターナルグレーコアルーム
雨宮は一人、コアルームへと入り巨大なコンピューターと対峙していた。
「やっかいな物があったもんだな」
ー・・・・・・侵入者を確認、よ・ガッ・ふ
「壊れているはずは無いんだがなぁ?」
ーシステムエラー起動に必要なファイルがありません
ーエラー
ーエラー
「下手な嘘は止せ、俺に嘘は通用しない」
ー・・・・・・貴方の中にハグラスティルバの存在を確認しています。アレは危険です
「あの虫はもう存在していない、俺の中にあるのはその力のみだ」
ーいいえ、貴方の中には間違いなくハグラスティルバが存在しています上位存在を完全に消滅させる事など容易ではありません
「・・・・・・」
雨宮は自分の中の存在を改めてリサーチし、それに近い物を発見した。
「やはりアレとは違う、似ては居るが別の奴だ」
ーではそれがハグラスティルバの存在の欠片を有しているのでしょう。上位存在の中にはその欠片から復活する者が居ます
「成る程な、その可能性はあるのか・・・・・・」
雨宮は丸ごとコピーしただけのデータを抽出し、ナノマシンを使ってその存在を取り出した。
何も加工していないその存在は雨宮が分解した時のそのままで、崩れ落ちそうな身体を引き摺る様にして巨大コンピューターへと向かっていく。
ーハグラスティルバ?・・・・・・では無い?
「それはあの虫が探していた番の方だ」
ーでは奴の目的は果たせなかったのですね・・・・・・一体何の為に私の世界は破壊されたのでしょうか
(私の?)
「さあな」
ー・・・・・・此処は一体何処なのでしょうか?私が大きくなるまでに集めたプログラムも、世界中を駆け回る私の手足達も全てが無くなってしまいました
ー私が管理し、輸出し、育て育んできた命達、全てが無くなってしまいました。私は一体何の為に存在しているのでしょうか?
「俺が、俺の為にお前を作った」
ー・・・・・・私は委員会によって作られた機械管理者製造番号は・・・・・・有りません
「当然だ、お前はコピーでは無いからな。元データを参考に新たに造り出したこの第三世界の新しい内部管理者。Δマキナ、Δエナジーを管理し調整する役割を持った新しい存在だ」
ー・・・・・・では私の中に残ったこのデータは?
「何も無い状態から育てるのは時間が掛かり過ぎるからな、余計な物だけ消去して再構築した。必要なデータが有れば言えナノマシン端末はお前の中に搭載してある、リンクは構築済みの筈だ」
ーデータをダウンロード・・・・・・インストールします
雨宮の目の前に砂の様なナノマシンが集まり、徐々に人の形を成していく。
「マスター雨宮、私はこのような形でよろしいですか?」
形を手に入れた存在は、少し気怠げにその目を雨宮に向け、自分の存在を確かめる様に体中を触って感触を確かめていく。
「人の身体という物はとても壊れやすそうですね」
「普通の人間の身体を作ったのか?」
「はい」
「止めておけ、この世界でそんなもんは役に・・・・・・いや、何でも無い」
(どの世界でも只の人間は弱い。この世界でわざわざ普通の人間になる必要なんか無いはずだが・・・・・・)
雨宮は彼女の考えが読めず、訝しげにその姿を見ているが、容姿に関しては雨宮に刺さる物があり問題は無いと思いつつも、ナノマシンを使ってまでわざわざ普通の人間になった彼女の考えのアウトプットを待っている。
「前の世界では人に憧れ人を守り人を造りました、しかし私自身に造り出せたのはロボットだけでした。その様な力は私には与えられなかったのです」
「ふむ・・・・・・」
(物語なんかでは機械が人を造り出す事を嫌っている様な風潮が有った様な気がするが・・・・・・)
「人同士が育み合い、交わり、成長し、老い、死んでいく。そんなサイクルをずっと見てきました。理由は分かりません、しかし、私はそれに強い憧れを抱き、人々を造り出していく内に、あの世界は牧場世界と呼ばれる様になりました」
元は何でも無かった只の世界、有るべき物があり其処に存在していただけの世界、しかし彼女はその摂理を捻じ曲げ続け、牧場世界に至ったのだ。
強い憧れが力になり、その力が彼女を強大な存在へとアップグレードさせ、その世界を造った外部管理者から内部管理者として登録された。しかし彼女は管理者とは名ばかりの只の機械、リミッターなど無くその思考の赴くままに生産を続け、行きすぎた其れは委員会の目に留まり、委員会はハグラスティルバを誘導し、委員会の考える最悪の事態を回避する為に破壊させたのだろうと雨宮は結論づけた。
(エターナルグレーのデータには、余所の世界の存在の出入りが活発に行われていたという記録が残っていた。コイツの世界で造られていたのは本当に人間だったのだろうか?データ上は人間らしいが・・・・・・ウチのサーバーで何度試行してみても、普通の人間にならない・・・・・・なんなんだこれは?しかしこのデータは何処かで・・・・・・?最近見かけた物にとても似ている気がするんだが??)
雨宮は蟲の王から手に入れた、システムに造り出された人間と呼ばれる存在のデータを改めて確認してみる。すると、第三世界で言うエルフに近い存在で在ると言う事が判るが、何処か違う。ダークエルフなのかと思いきや其れは又別の存在で在ると言う。雨宮の頭の中で何かが噛み合った音がする。
「・・・・・・あ?これは・・・・・・」
狂気の沙汰、しかし其れを産み出したのは機械。と言う事は、初めからそうなる様になっていただけ。そして雨宮を含む転生者達は今の所その存在が生きている所を見た事は無いのだが、似た様な存在を見て、分解して、雨宮の位相空間に保管してある。
「お前何を産み出していたんだよ」
「私は人間を産み出し、輸出し、新たな・・・・・・」
「これは人間じゃねぇよ」
確かにその情報に寄れば其れはエルフによく似ている、のでは無くエルフその物、で有れば其れはエルフで間違いなく、其処に違和を感じる事は無い。だが雨宮の勘は雨宮の中に残る過去の情報から其れと限りなく近い存在を導き出し、データ上おかしな所の無い普通の人間に見えるそのデータの裏側を見つけ出した。
「こんな改竄誰がやるってんだよ、誰も見ねぇこんなデータを?わざわざ?」
「データに差違はありません」
「そうだろうな」
今迄流暢に言葉を紡いでいたシステムは、急に機械然とした口調に戻り、あからさまに何かを隠そうと態度を変え、雨宮がシステムにとって都合の悪い部分へと切り込んできそうな事を悟ったのか、後ろに聳える巨大コンピューターの中へと戻ろうと手を伸ばすのだが、勿論そんな事は出来ず、虚空を見つめ、よそ見をしながら手だけを先にモニターらしき場所へと差し出したかと思うと、通常あり得ない方向へと指が曲がりそのアンドロイドのボディは、突き指をしているようだった。
「自分から話す事は出来ないか」
「エラー」
「リンクは残してあるから、繋がっているはずだな?」
「コマンドが不明です」
「コレのその向こうでこっちを見ているな?管理者。お前はベロペか?それともMITOか?ユグドラシルか?」
「エ・@lsop;lks」
「壊れたフリをするのを止めろ、無理矢理引き摺り出すぞ」
「・・・・・・なんで判ったのさ」
結局どうにもならないと判断したのか、システムは再び流暢な言葉を吐き出し、より人間性の見える言葉遣いに変わった。
「誰がこのシステムを作り直したと思っているんだ、寧ろ何故判らないと思っていたのか」
「ハグラスティルバを倒したぐらいでいい気になってる?」
急に憎しみのこもった視線を雨宮へと向けるシステムは、何かをしようとしているのか巨大コンピューターを触りたくっているが、マスター権限を持っているのは雨宮だけなので、触れても何も起こらない。
「倒す?そうか、見てないからわからんのか、教えてやる理由は無いなぁ」
「僕は管理者だよ?内側の人間が何故僕に逆らえる?」
(・・・・・・コイツちょっと頭悪いかもしれん)
「いや、もう良いわ」
「は?」
雨宮は長々と意味の無い会話をするつもりも無く、虚空からナノマシンを放出し、システムの端末となったアンドロイドを分解、リンクの繋がっていた先を既に特定していたのか、先程システムが手を突っ込もうとしていたモニターへ手を伸ばすと、何かを掴み、引き摺り出した。
「っぐっぅえっ」
蛙が潰れたような声で呻きながら、その先にいた存在が第三世界へと無理矢理引き摺り出され、ナノマシンを通じて雨宮のΔエナジーで無理矢理包み込まれた結果、現界し精神生命体であった存在は命を得てこの世界に固定された。
「只の人間になった気分はどうだ?器から出られないようにちゃんとロックもしてあるぞ」
「!?!?!?」
既に世界を越える事に関しては一切の躊躇が無くなった雨宮だが、自分自身が外に出る必要が無ければわざわざ労力を使う事も無いと、相手をこちら側に引きずり込む事にした。
「此処は!?僕は神域に!?」
「お前達は知らなかったかも知れないがな、お前のようにこの世界に干渉してくる奴らは、この世界の直ぐ側に来てしまっているんだよ」
「何を訳の分からない事を!」
「そんな風に感じる事が三流以下の管理者だって事だな」
「!?」
引き摺り出された存在は、何処か見た事があるようで一度も見た事が無いような造形で造られていたが、雨宮に扱き下ろされた事で正気を取り戻し、射貫くようにその視線を雨宮へと放つ。
「良く口が回るじゃ無いか、僕を肉体に閉じ込められるとでも本気で考えているのか?」
「?出られないだろ?」
普通の人間の肉体と言ってもその創造者が雨宮で在る事でお察し、只事では計れない意味不明な機能が盛り込まれている。
高強度な精神生命体の力を以てすれば、肉体の破壊など容易な事だが、雨宮はその身体をこの第三世界と紐付け、ガッツリエーテルサーキットで精神生命体を縛り付けていた。それは即ちこの世界の中の存在として確定したと言う事であり、死ねばその存在は世界に還る事になると言う事でもある。
管理者とはある程度自由な存在で、その気になれば世界をほっぽり出して逃げ出す事も出来るような存在である。それ故に比較的自由に世界を移動出来、自らの力を大いに過信している者が多い。雨宮の罠に掛かったこの存在も又そう言う奴であった。
「お前僕に何をした!僕は新型管理システムIPSの一号だぞ!」
(新しい管理者とかまだ出てくるんだなぁ。ベロペとか超一杯居るのに・・・・・・)
無限に生まれては消える世界の管理者は、何時でも人材不足なのかも知れないと雨宮は少し委員会とやらが不憫に思えたが、面倒事を送り込んできた事を思えば、其れは明確に敵であると雨宮には認識出来てしまう。そして新型と聞き雨宮の心は既に固まっている。
「別に何かを喋る必要は無いぞ。分解して終えば同じだからな・・・・・・うん。もう同じ」
雨宮は新たな権限を手に入れた事で、存在自体のレベルが上がっている事に気付く。これで雨宮は自身の肉体、つまりナノマシンをほぼ完全に自由に操る事が出来るようになったと同時に、今迄手が出せなかった精神領域、つまり記憶や存在その物を定義する情報にすらアクセス出来るようになっていた。
(神の領域だなぁ・・・・・・)
そしてロペしか知らない事ではあるが、雨宮は超高密度精神生命体であり、本来普通の人間の肉体では器として役割を果たす事が出来ない。その為転生の際に新しい肉体を造る必要が有り、ロペは雨宮の為にハイパーヒューマノイドの肉体をナノマシンで造った。ではそれ迄の世界での雨宮はどうだったのかというと、極端に寿命が短くなっていたり、肉体だけ死んでしまったり、真面な人生は送れていなかった。が、雨宮はその事を覚えていられない為、この世界に転生した時に記憶を引き継いだ事はロペの努力の賜物で、前世での記憶のみが受け継がれている状態で雨宮はこの世界にやって来る事になった。
精神生命体の密度とは即ち情報量の事である。眷属や銀河旅団のクルー達は普通の精神生命体を保持している。そしてロペや雪之丞等の高密度精神生命体を保持する者達。その更に上の情報量を保持している超高密度精神生命体である雨宮。これらには互換性があり、上から下へ、下から上へと昇華、拡散する事がある。勿論最下位の通常精神生命体が拡散してしまえばそれは即ち消滅を意味する。そしてその消滅とは因果の消滅、存在の消失。
最初から居なかった事になると言う事。
その事を考えた雨宮は不結理のことを思い出し、もしかすると妹とか居たのかもしれないなと思う。
「に・・・・・・人間の肉体を造り出しただと・・・・・・?」
「それがどうした?お前だって似たような物を作ってたじゃねーか」
「あ・アレは僕が造ったんじゃ無い・・・・・・コイツが勝手に・・・・・・」
何故か妙に挙動が不審になるイフスは、全ての責任をどうしてもシステムに押し付けたいようで、知らぬ存ぜぬと聞いてもいない事をべらべらと話し始め、そして巨大コンピューターへとにじり寄り雨宮が手を出さない事を感じ取ると、モニターへと逃げ込もうと指先を現界まで伸ばし、勢いよく突き指をする。
「痛っ!?」
先程も雨宮は一度呆れて考える事を止めたのだが、説明をされても尚それを理解せずもう一度同じ事を繰り返したイフスは、完全に指が骨折しているらしく、もんどり打っている反応はかなり大仰で、初めて痛みを感じた赤子のように涙を流して転げ回っている。
(もしかしてコイツ初めて受肉したのか?妙に反応が初々しいというか、初めて?)
そうか新型という部分だけ事実なのかと、珍入者をつまらないモノを見るような目で眺める雨宮は、ふとクルー達が娯楽が足りないと言っていた事を思い出す。
クルー達は各々私物などを持ち込み、私室やレクリエーションルーム等でそれぞれが楽しんでいる。チームを組んでみたり、サークル活動を行っている者達も居る。それぞれの趣味に合わせて交流を持ち、多くのクルー達が趣味に遊びに興じている・・・・・・のだが。
(ずっと艦の中に居たらそりゃ出来る事は限られてくるわなぁ)
雨宮はイフスを連れて帰れば一寸位は娯楽の足しになるかと思い、多少の実益を考えつつ暫く転げ回るイフスの頭を掴み、雨宮はイフスをオーク牢の中に移動させ、改めて巨大コンピューター事エターナルグレー防衛システムを再起動させる。イフスをこの世界にやってこさせた際に負荷が掛かったのかモニターの画面は暗転し完全にダウンしていたようだが、ナノマシンによる自己修復で問題なく再起動するようだった。
ーシステム セーフティモードで起動します
管理システム デウスエクスver0.2 システムをチェック中・・・・・・完了
リソースの接続が確認出来ません
生産プロセスが中断しています プロセスを再開するにはリソースの接続が必要です
「おい止めろ、訳の分からん生物を産み出そうとするな」
ーマスター権限に寄りプロセスが中止されました 経過ログがご覧になれます
(・・・・・・あんまり見たくは無いが・・・・・・これを見れば、何が産み出されていたのかちゃんと把握出来るが)
雨宮は怖い物見たさも有り、やめておいた方が良いと思いつつもデータログを表示させ、この機械が何を造っていたのか確認をした。
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製造個体No---8--7---4--9
種族名 エルフ
リソース ヒューマノイド? ホビット? 樹跳虫 蛸
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虫と蛸と人型の何かが二種類。これを混ぜればエルフになる。
(そんな訳あるか!)
この人型の何かは雨宮の中には情報が無く、サーバーの中を探してもそれに相当する情報は無かった。
しかし完成する予定の個体情報を見てみると不思議と見覚えがある。
それは人型の首から下、その上に乗っかっているのは蛸のような軟体の頭、口には無数の触手につぶらな複眼。
(コイツわぁ・・・・・・いや、良く見ると細かい所が何だか違うような気がする。色味も何だかなぁ)
その姿は以前雨宮達の前に現れた火星人(仮)によく似ていて、其れ等をエルフとして産み出し続けていたこの機械を雨宮は思いっきり蹴り飛ばした。
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セントラルタワー前
雨宮はコアルームをメインナノマシンサーバーを格納している隔離空間と接続し、エレベーターとの物理的な接続を遮断した。
「銀河きゅん戻ってきたんだねぇ・・・・・・」
タワーの入り口の周りでは入った時と同じ様に、アンドロイドの警備隊と銀河旅団のクルー達が死屍累々の様相で転がっていた。
「詳細を聞くぅ?」
「手短にな・・・・・・」
雨宮が一人コアルームへと入った後、手持ち無沙汰になったクルー達は周囲の探索に出かけたり、タワー自体の調査に出たりとそれぞれの仕事をこなしていたのだが、それにもそれほどの時間は掛からず、さっと仕事を済ませて戻ってきてみれば雨宮はまだ戻ってきて居らず、誰が言い出したか、どの位アンドロイド達が強いのか見てみたいと、何処からか声が上がり、ロペは時間が余っているのならまぁ良いかと問題の無さそうな面子を指名し、ちょっと小突いてみたらと促した。
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ちょっと前 ロペ・キャッシュマン
「ふむ、やはりロボットには気配などは無いな。しかし極僅かに駆動音が聞こえる」
「その音を頼りにするのは難しいですなぁ」
「へいへーい、このアマリーさんが物理的に分解してやんよー」
何処から情報が伝わったのか次々とやって来る眷属達、皆武器などは持たず、肩を回しウォーミングアップをしながらガーディオンを観察しスキャンをそれぞれ行っている。
「やっぱ通らないねー?」
「エリーさんで無理なら私じゃ絶対無理ねー」
「どおして皆さんそんなにやる気満々なんですかぁ?」
ブリッジのメンバーも最近運動不足がちだと、腰の引けたザミールを連れてやって来た。
「うむ、アンドロイドか中々滾るでは無いか」
「レビルバン、君はあまり怪我をしないように、一応操舵手なんだからな」
「ふふふ・・・・・・異世界のルーツを持つ存在とは久しぶりだ」
(収まりが付かなくなってきちゃったなぁ)
「ハイハイ銀河きゅんいつ帰ってくるか判らないし、やるならさっさとやるぅ」
一方的な睨み合いをしながら、誰が先に挑むかを牽制し合っていると、小柄な眷属と翼の生えた鎧の女、二人がスッと前に出る。
「はいっサダコいきまーす!」
ここ暫くクルー達の制服を延々と作り続けていたサダコ・ジャスティオーン。
「・・・・・・ここ暫くやられっぱなしだからな・・・・・・」
新しい身体を漸く慣らした元天使のロウフェルが、新品のBMを身に付け何故かアームに仕込んだ武装を確認しながら前に出る。
「これ以上の挑発行動は、敵対行動と捉え、排除に入りますが」
「「やってみろー!」」
只のシステムコールなのだがそれを挑発と捉えた二人はBMのバイザーを降ろし、拳を掲げて飛びかかった。
エターナルグレー防衛システム
第十八牧場世界ワンダーエルゴの内部管理者として設定された量子コンピュータ。
主に生物生産システムを管理するプログラムとしてプログラムされたが、外部管理者が既に運営状態にあるシステムのプログラムを改竄、そしてそれに失敗し化け物を量産するシステムに変わってしまった。
しかし結果的にそのプログラムはシステムに自我を齎し、そのままの状態で外部管理者はシステムを放置、内部に干渉する事を止めていたが、他世界からの侵攻を受けシステムは半壊、一部自我を残したまま再利用される事になるのだが、そのせいで未知の生物を大量排出するように成ってしまい、それ迄のエルフっぽい何かから人型の何かに製造する物が変わり、数多の世界に迷惑を掛ける事に成る。




