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EP86 蟲VS銀河旅団 カウント1

ぴょいぴょいっと・・・・・・


今回から又意味の無い情報を追加していこうかな・・・・・・ってさ。

 雨宮達四人は地上六十階はあるであろうと思われる、マッサマン冒険者ギルドの建物の前に辿り着いていた。


 ギルドの周辺は多くの冒険者と避難してきた人々がごった返し、建物の入り口は閉ざされていた。


 「建物に入らないままで防衛線を敷いているのか?」


 「恐らく中は奴らの巣になっているのでは無いかと」


 周辺は今正に戦闘中の冒険者達も居れば、瓦礫の陰に隠れる様にして身を屈める避難民と思われる人々の姿も見え、被害の大きさが目に見える形で雨宮の前に広がっている。

 (ラピスの主砲が当たればこんな状況すら無いんだよなぁ)


 人々が生き、辛うじて拠点としての体裁を保っている状況では誰が何をしていても気に留める物など居なく、雨宮達四人があからさまに浮いた汚れ一つ無い制服に身を包んでいても、それを気に留める余裕は無い。


 「親方様、中に入りますか?」


 「入る必要は無いんだろうが・・・・・・」


 雨宮からしてみれば、その存在を消すだけなら建物事分解してしまえば良いだけだ。中にグレン・カリバーンが生きていたとしても関係ない、等しくエネルギープールへと還元される。しかし雨宮の目的とは違う、見つけたら生け捕り、その後はロペの手に委ねられる。


 「この場にそれらしい奴は居ないみたいだからな、中に入るしか無いだろう」


 「御意に」


 ござると美空は雨宮と美海を残し周辺の状況を確認する為に姿を消した。


 「親方様、正面から入る方が虫は少ない」


 「裏側は掃除が済んでないんだな」


 「そう、壁伝いに外から行くのも見ての通りだから、此処に居る人は時間の問題だと思う」


 美海は言外に雨宮に周辺の人々の処遇を確認し、雨宮は今迄辿ってきたメインストリートの状況を思い出す。


 「全員で一斉に動く方がある程度生き残りが出るとは思うが、逆もあるな」


 「冒険者達は大分疲弊してる、瀕死の人も多い」


 「そういうのは放っておけ、この程度の状況で瀕死なら未来は無いだろうよ・・・・・・そうでも無いか」


 雨宮は銀河旅団指標で考えを述べたが、普通の冒険者は又物差しが違うのだと思い直し直ぐにその考えを否定し、周りで戦っている冒険者を注目する。


 「弱いな、もっと強い奴は此処には居ないか」


 「俺より強い奴に会いに行くニャン?」


 「にゃん?」


 「スーパーねこリートファイター」


 (ちょっとおもろそうやんけ)


 「その内遊んでみるか」


 「イレブンがお勧め、ニャンコンが熱い」


 「聞いたことの無い単語が多いわぁ」


 「激アツ」


 ふんすと気合いの入った表情をしながら格闘ゲームの話を熱く語る美海は、これまで見た事が無い位輝いている。雨宮もゲームには興味があるのだが話が逸れてしまい如何した物かと考えていると、偵察に出た二人が戻ってくる。


 「親方様、裏は駄目だ、繭だらけで破壊すると建物が崩れっちまう」


 「側面も入り口らしき所は塞がっておりましたが・・・・・・、正面から入る方が戦闘は少ないと感じますが・・・・・・」


 (目立つな・・・・・・)


 バリケードの様な物が張り巡らされ、もはや中に生存者がいた所で出す積もりなど毛頭無いと言わんばかりの頑丈さでコテコテに溶接されている入り口だが、雨宮にとってはそもそもナノマシン化して壁抜けでもしてみれば素通りできるのだが、衆人環視の中でそれをやってのけて宇宙港の様に囲まれる事もわざわざ無いだろうとは考え、雨宮達は建物の非常口の一つ、一階非常口と思われる扉があった場所へと回り込む。


 「此処も溶接されているな、しかもその上からご丁寧にゴミが・・・・・・」


 「一応バリケードのようですな」


 以前までギルドの建物の正面において有ったであろうポスター立てや、誰だか分からない冒険者の等身大ポップ、中身の抜き取られたジュースの自動販売機、何処においてあったか不明な巨大なツボ等、傍から見ればゴミ捨て場と見紛う様相の非常口は、入ろうという気をこれでもかと削いでくる臭いを放ち、立ちはだかっている。


 「誰だよ簡易トイレなんか此処にぶちまけた奴」


 「せめて人の居ない場所に捨てようという・・・・・・」


 「傍迷惑な・・・・・・」


 「・・・・・・分解するね?」


 「頼む」


 げんなりした様子の雨宮を見た美海は事態を先へと進める為に自ら進んで汚物処理・・・・・・もとい瓦礫を分解し、溶接されていた扉事消滅させた。


 が、その後美海は飛び上がり雨宮の後ろに見事な宙返りで飛び乗った。


 「ぎゃぁ!」


 「むぅ」


 「うぉ」


 短い悲鳴を上げ雨宮の体に飛びついた美空とは対照的に、只気持ち悪いと一瞬思うだけの雨宮とござるはそのまま無限にあふれ出てくると思われる小型の虫をぐちゅぐちゅと踏み潰しながら、建物の中へと脚を進める。二人とて以前なら声の一つも上げたかも知れないが、既に無限に湧き出る虫の死骸の上を歩く事は経験済みであり、踏む虫が蜂から芋虫と蛆に変わっただけだと、只踏みしめる感触が何だかなぁと違和感に文句を言いながらずんずんと先へ進んでいく。


 建物の中へと入ると壁一面に薄らと白い膜が張り巡らされ、芋虫が吐き出したと思われる繭の糸がそこら中に垂れ下がっている。そして。


 「な・な・な!」


 「ほわわ・・・・・・」


 美空と美海は雨宮にしがみ付きながら、美海は天井美空は壁面にびっしりと蠢く芋虫の壁紙に触れない様に身を縮こめている。



 「忍びとしてそれで良いのか」


 「落第ですな」


 「「無理」」


 確かに周囲の見た目はとても見られた景観とは言え無いが、建物としてはしっかりと作られており、糸に浸食されている物の建物自体が崩壊する事は無い様だ。雨宮は非常口の直ぐ側に虫のプールの様に波打つ謎の床を注目し足を止めた。


 「お・親方様!?」


 「・・・・・・これは・・・・・・もしかして地下への階段か?」


 「「!!??」」


 雨宮が躊躇無くその芋虫プールへと足を進めようとすると同時に、美海と美空の二人は鍵縄を取り出し、慌てて天井や壁に引っかけ雨宮の歩みを無理矢理止める。


 「ま・・・・・・まって」「そっちは嫌だぁ!」


 意志と違う方向へと身体が勝手に動く事で雨宮はぐらりと後ろへと倒れそうになるが、その背をござるが支え、何事かと鍵縄を風の術によって引っぺがす。


 「お前達は一体何をしとるんだ」


 「そんなとこに何も居ないって!」


 「きっと上、きっと上!」


 何としても地下へと行かせまいとする断固たる意志を感じた雨宮は、二人を身体から引っぺがし、地下へと向かう階段があると思われる虫のプールへとほいっと放物線を描く綺麗なフォームでスローした。


 「('A`)」「(Д)」


 声にならない声を上げ虫で埋め尽くされ階段も床も見えない生物プールの中へと消えていく二人。


 彼女達はその瞬間慌てて口と目と耳を塞ぎ、鼻へとティッシュを詰め込んでミルキーウェイを行く。


 身体のあちこちから虫を潰すプチプチという音を肌で感じ、どろっとした液体と皮膚に張り付く薄い皮膜のヌルヌルした嫌悪感を催す感触を感じながら、胃の奥からナノマシンによって制御されているのでリバースする事は無いが、何かが迫り上がってくる幻覚と服の中に徐々にしみこんでくる若干人肌より温度の低い粘性の液体、全てのストレスで今にも両手を離して暴れ出したい衝動をド根性で抑え、美空はふと思い出す。


 (燃やしても・・・・・・良いよね?)


 直ぐ側を漂う美海は第六感が危険を察知し、魔力を全開にし自らを守る殻を造り出し、自らに触れる虫を完全に排除すると共にゆっくりと地下へと逃げていく。


 (最初からこうしておけば良かった・・・・・・)


 そして鼻に詰めたティッシュから水分が侵入してこようとした感覚を敏感に感じ取った美空は、一瞬の間に両手を解き放ち、結ぶ印の中で潰れる虫の事などお構いなしに。二・三・四と印を結び風魔に伝わる秘伝を無意味・・・・・・では無いが、決して建造物の中で使うべき物では無い秘伝の術を解き放つ。


 (紅蓮地獄!)


 雨宮はふと特に意味も無く、階段であろう場所をナノマシンでコーティングし、完全に塞いでみた。


ドゴン


 雨宮とござるの足下が突如揺れ、天井や壁に張り付いていた虫がバラバラと床に落下、二人の頭や肩に落ちるかと思われたが二人は見えないフィールドを展開している為そのフィールドに弾かれ、ジュッと小さな音を立てて虫が蒸発する。


 「無茶をしよる」


 「火か?」


 「おそらくは」


 風魔の二人は絶対に何も無いと雨宮を引き留めたが、雨宮の勘はこの下に何か有ると告げている。


 「下の何かは大丈夫かねぇ」


 「?何かとは?」


 「分からん、だが何か有りそうだと勘が告げてる」


 「成る程」


 ござるはロペや雪之丞等に、雨宮の運命じみた勘について説明を受けていた事もあり、すんなりとその言葉を呑み込み、なら何か有るのだろうとそう確信した。


 ナノマシンの板で塞がれた階下で強い炎が燻っているのが、熱せられた板の色の変化でよく判るのだが、その板は溶鉱炉に入れられた様に赤く代わり若干柔らかくなっている様に見えるのだが、ナノマシンはその熱を効率よくエネルギーへと変化させ、塞いだ空間を解き放つ事無く徐々に元の銀色へと戻っていく。


 「収まったようですな」


 「プラマイゼロ・・・・・・いや、マイナスか」


 彼女達の魔力やオーラも又、ナノマシンを通じて送られるエネルギーを変換したモノなので、多少エネルギーを回収できた事で良しとした雨宮は、ゆっくりとナノマシンの蓋を分解しリソースを戻す。


 「灰だらけだな」


 「やり過ぎでは」


 雨宮はナノマシンで吸引力のありすぎる掃除機を造り出し、灰を吸い込みながら階段をゆっくり・・・・・・。


 「うぉお!」


 「殿!」


 階段は階段としての形を残して居らず、斜面に変わっていた。其処に気付かず雨宮は足を踏み外し、斜面を滑るかと思われたが、其処はござるが旨く雨宮の腕を掴み事なきを得た。


 「階段無くなっとるやんけ」


 「溶けてしまったようですなぁ」


 すぉー。と音を立てながら周辺の灰を全て吸い取りながらするすると壁伝いに下の階へと下りると、長い廊下が有り先は暗くて見渡せない。


 「打ちっぱなしの廃墟みたいになっているな」


 「・・・・・・そうなったのでしょう、先程」


 壁紙や照明、床のコーティングすら一切無くなり、人の気配は一切無い。


 「もっと下がありそうだな」


 「カタログには地下四階・・・・・・と書かれていましたが」


 「カタログ?」


 「此処の港で配布されている物ですな、地上五十階、地下四階、と」


 「無駄にでかいな」


 「地下は倉庫や保管庫等が納められているらしいですな、金庫などは書かれていませんが」


 「まぁこんだけ高い建物なんだから上の方にあるだろ」


 「では殿は何が有るとお思いで?」


 「んー、何ていや良いのかなー?なんか丸っこい感じ?」


 「まるっこい・・・・・・」


 「うむ、なんか拾っといた方が良い様なそんな」


 「では先へ参りましょうか」


 二人はするすると坂を下り、地下四階へとやって来たが、其処には広い空間が有るだけで何かがある様には見えない。そして其処へ先に辿り着いていた風魔姉妹が何かを手に持ってやって来る。


 「おーやーかーたー?」


 「非道です」


 既にこのだだっ広い地下空間を探索し終えた二人は雨宮にその手の中に有る物をぐりぐりと擦り付け、にちゃぁと謎の粘性の液体にまみれたそれを雨宮に渡す。


 「これは?」


 「知らねーよ!親方様が探してたんだろ!?」


 雨宮は周りのべとつく液体を分解し、鈍色に輝く不思議な丸い宝石の様な物をじっくり観察する。


ーーーーーーーーーー


第十八暗黒世界種子


ーーー閲覧権限がありません


ーーーーーーーーーー


 (核爆弾みたいなの拾った・・・・・・)


 「何じゃこりゃ、ヤバいもん拾ったぞおい」


 「あーたが取りに行くって言ったから来たんでしょうが!」


 ジッとその球体の中をのぞき見ると、その中には確かに何かがあり、何かが見えるのだが雨宮には認識できず脳裏に違和感だけがしっかりと焼き付き、如何した物かと取り敢えず位相空間へと球体を投げ込み、取り敢えず置いておく事にした。


 「おっけ次行こう」


 「結局何なのアレ」


 「分からん、だが他の奴に持たせる訳にもイカン様なもんだ」


 四人はつるつるになった階段で有った傾斜を上り、地下の入り口まで戻ってきた所で風魔二人が雨宮の背中に捕まり完全に乗っかる。


 「何だ?」


 「何だじゃねーよ!もうヤダかんな!」


 「ヤです」


 二人にトラウマを存分に植え付けた先程のソフトスローは、断固たる拒絶を生み出し、二人はこの建物で雨宮を盾にする事を選んだ。


ーーーーーーーーーー


一階受付ホール


 本来は広い空間に多くの冒険者がひしめき合うそんな光景が広がっているのだろうが、今は大小様々な大きさの芋虫がひしめき合い、カウンターは所々破壊され、受付の奥には人気は感じられない。只蠢く虫達が雨宮達に興味も示さず、只木くずや口に入れられる物を只管囓っている。


 「おい、あれ、ヤバいんじゃ無いのか」


 ホールの中央、他の場所より一際虫が集まっており、文字通り虫の塔が出来ている。あの場所に何が有ったのかは作り自体は他の冒険者ギルドと変わらない為直ぐに分かる。大黒柱だ。ホールの下からおそらくは最上階まで貫いている超巨大な大黒柱。


 「・・・・・・あれだけ群がっている所を見るとまさかあの柱は・・・・・・」


 「「「大黒柱ッ」」」


 柱はもう既に柱の形をしていない、所々抉れ、穴が空き、少し揺れているようにも感じる。


 「走れ、一気に屋上まで向かう。どうせターゲットは屋上に居るだろう」


 「下で悠長に時間使ってから!」


 「今更だろ!」


 雨宮達は壁沿いに螺旋状に取り付けられた階段を、虫の死骸に足を取られながらも一気に駆け上がり、時折上を見上げては倒壊の予兆を感じ取り、外に避難民がいる事を思い出した。


 「この建物・どう倒れるだろう・な?」


 「アタシは天井が抜けるに一票だな!」


 「私もそれに一票、柱が倒れたら多分上階が下に落ちる」


 「・・・・・・あんまり無駄にエネルギーを使いたくは無いが・・・・・・」


 「殿、これから尋常では無いエネルギーを使うのです、建物は諦めましょう」


 「そうじゃない、上が抜けてしまうと繭が・・・・・・」


 ミシッ・ミシッと時折壁から音が聞こえ、確実に揺れ始めた柱の影響で壁の塗装がパラパラと剥がれ始め、足下が微かに振動を始める。


 「これは上迄保たないかも知れないな」


 「スピード上げねーの!?」


 「・・・・・・そんなに強く蹴ると床が抜ける」


 もはや雨宮達の脚力に建物が保たない事も想定内なのだが、ここまで建物が脆くなれば雨宮が柱を補強した所で倒壊は免れない。


 雨宮達は細心の注意を払いながら最速で階段を駆け上り、間もなく階段を抜け上階へと辿り着くこうとしていたその時、上階から虫の群れが大挙して押し寄せ、再び風魔姉妹は雨宮の背中にしがみ付き難を逃れようとする。それと同時に二メートル近くにも上る芋虫が身体を丸め、ごろんごろんと階段を破壊しながら雨宮達四人に迫ってくる。


 「何だよこれは!」


 「っせい!」


 一瞬で前に飛び出したござるは、風の印を結び芋虫をホールへと突き落とす。横っ腹を凄まじい力で突かれた芋虫は丸まったまま宙を舞い、僅かに柱を掠め壁を突き破り外へと飛び出した。


 「危ねーじゃん!」


 「ギリギリだった・・・・・・」


 「それよりも早く屋上に」


 建物倒壊の危機を察知したのか虫達は卵を残しその場を去っていた。上階の廊下を一気に駆け抜け、幾つかの階段を上った先に屋上への扉を見つけた一行は、美空の綺麗なフォームで繰り出された跳び蹴りでぶっ飛ばされた鋼鉄の扉のあった場所を一気に飛び出し、巨大な繭の前に躍り出る。ガランガランと美空の蹴り飛ばした鋼鉄の扉が地面に叩き付けられる音と、微かな悲鳴が聞こえた様な気がしたが雨宮達には特に気にならない。


 目測およそ五十メートル程の巨大な白い繭は、中に生命の鼓動を感じさせる鈍い輝きを放ち、心音を思わせる様なその音は今にも中から何かが飛びだしてきそうな緊張感を植え付ける。


 「美空、火」


 「たばこ?」


 「アホか、繭に火を付けろっての」


 (しかも俺はたばこが嫌いだ)


 雨宮に言われるがまま印を結び、バスケットボール程の大きさの火球が繭に確かに当たったのだが、燃え広がる様子は無くジュッと水分を多く含んでいる事を思わせる音を放ちながら鎮火していく。


 「火力がたらんのと違うか?」


 「水分が多すぎるんだよ!燃えねーぞこれ・・・・・・」


 「切ろう」


 そうだ買い物に行こうと言わんばかりにさっと飛び出した美海は、ミスリルのナイフを閃かせ一閃、紙でも切るかの様に繭は裂け、肉の塊の様な赤い何かがボトボトとこぼれ落ちる。


 「うわぁ」


 良く見るとその赤い塊は人間の肉片と思われる部位を含んでおり、外へと流れ出して尚赤く光を放つのを見れば、それに微かながら命が宿っていたのだろうとそう想像できる。


 「まさかこの中身って」


 「ふむ、悪趣味な」


 この建物へと来るまでの間やけに人が少ないと思ったが、噛み砕いた人間を芋虫や蝶が運び、繭の中へと献身的に注入していたのだ。数百数千では利かない程の命がこの繭の中で凝縮され、新しい化け物(いのち)が産まれようとしていた。


 歪な球形をした眉が頂点からバリバリと裂け、高熱を保持していると思われる液体と共にどろりと羽根と触覚を付けた人間に近い形のそれは、蜂の巣の様なその眼を雨宮達の方へと向け、ズリズリと這いずってくる。


 「じゅ・獣人・・・・・・?」


 「美空失礼、こんなんじゃ無い」


 雨宮は自らの足下に這いずってきたそれをスキャンする。


ーーーーーーーーーー


ーーーー 零歳 蝶人種


状態 栄養失調(重度)

   不完全体


種族スキル エナジードレイン


固有スキル 無し(管理者へ連絡してください)

 

付与スキル 無し(管理者へ連絡してください)


後天スキル 無し(管理者へ連絡してください)


ーーーーーーーーーー

 

 (なんだこれは、蝶人?聞いた事無いぞ)


 「新しい獣人種でしょうか?」


 「違う、それなら人種じゃ無くて獣人種となるはず」


 「別の種族・・・・・・?」


 雨宮はそう言えばこの世界には殆ど虫が居ないと改めて思い出し、虫に出合ったのは異世界から何らかのアプローチがあった時だけだったと思い返す。


 (これもそうなのか・・・・・・?)


 「虫系の獣人なんてこの世界に居たっけか?」


 「少なくとも拙者は聞き及んでおりません」


 「アタシも知らねー」


 「聞いた事無い」


 誰も知らないその存在は雨宮の足下まで這いずり、きちんと雨宮をその視界に捕らえ手を伸ばす。


 (・・・・・・まぁいいか)


 雨宮はその手を取りナノマシンを浸透させるが、全くデータの無いその存在を復元する事は出来ず、その身体はどろりと雨宮の手の間をすり抜け形を失った。


 (形が無くなったな・・・・・・分解してみるか)


ーーーーーーーーーー


新たな管理権限の獲得に成功しました


第一樹系世界


第二樹系世界


第三樹系世界


第二洞窟世界


新たな情報閲覧権限の獲得に成功しました




ーーーーーーーーーー


 (・・・・・・???か・管理権限だと?今の奴は一体何だったんだ?なんでこんな物が・・・・・・)


 「親方様?」


 「ん、何でも無い。とにかく繭は分解してエネルギーに変換する。」


 「「「承知」」」


 三人は屋上で散り隅々まで繭を分解した後、数人の意識を失った人を連れて雨宮の元へ戻ってきた。その内二人程は酷い打撲の症状があり鉄の板の下敷きになっていたという。


 「お前が蹴った扉の下敷きになったんじゃね?」


 「・・・・・・いや、見てねーし」


 何となくそんな気はするのだろう美空は視線をそらし、ナノマシンによる治療をそれとなく行い自分で背負う。


 屋上に到着してから数分、建物の揺れが大きくなりとうとう時間切れが訪れる。


 「おい、隣の建物に・・・・・・遠いな」


 頭一つ飛び抜けて巨大な冒険者ギルドの建物の隣は、百メートル近い高さの違いがあり只の飛び降りと言っても仕方が無い。雨宮達が問題なくとも一般人達にはとても耐えられる物では無かった。


 「ござる、何とかなるか?」


 「問題ありません、拙者の風で無事着地できましょう」


 「よし、飛ぶぞ」


 「・・・・・・」(マジで?)


 「そら・・・・・・」(ちびったらどうしよう)


 風魔姉妹は雨宮にしがみ付き、更にその背には女性が一人づつ背負われている。御座るの周りには数人の人間が風を纏って空中に浮かんでおり、其れ等の纏う風が雨宮達を包み込み、身体の軽さを感じた雨宮は何の躊躇いも無く揺れるビルから飛び降りた。


 「ちょちょちょ!せめて心の・あーっ!」


 「まってまってまって!」



 しがみ付く二人を歯牙にも掛けず飛び出した雨宮はぐんぐん地面に近付くが、纏う風によって徐々に勢いを削ぎ落とし、ゆっくりと地面に降り立った。


 しがみ付いたまま魂の抜けた風魔姉妹はずるりと雨宮の体から剥がれ落ち、ゆっくり自我を取り戻す。


 「あんなに高い所から飛ぶもんじゃねーだろ!」


 「落下死するかと思った」


 首を全開で見上げて遙か高い崩れ落ちるビルを見上げる二人は、雨宮を引っ張り建物から離れる様に促し、四人は再び冒険者ギルドの前にある広場に戻ってきた。


 広場は多くの人々が未だに止まり、虫達の死骸を瓦礫と共に端っこに追いやり簡易的な生活空間が姿を現していたのだが・・・・・・。


 「おい、何で此奴らこんなにのんびりしてんだ、此処にビルが倒れる(・・・・・・・・・)んだぞ?」


 「「「えっ?」」」


 突如雨宮から放たれた一言に一瞬固まる三人だったが、直ぐに正気を取り戻しその言葉がナノマシンによる計算された予測で在る事を確信する。


 「離れましょう」


 「「賛成」」

 

 「ビルがこっちに倒れるぞー」


 雨宮はできる限り大きな声で一度だけ警告をし、颯爽とその場を離れた。


 数拍程遅れて騒がしくなった冒険者ギルド前を離れた雨宮達は風魔姉妹に生き残りを託し、二手に分かれ行動を再開した。その生き残りの中に目的のグレン・カリバーンは居なかったのだが、少し珍しい存在が混じっていた為にその人達を風魔姉妹に任せる事にした。


 「殿、これから何処へ?」


 「中央だな、もう其処しかまともに防衛線を張れる所が無い。軍の施設も既にもぬけの殻だな」


 雨宮達は建物の屋根を伝い全速で中央議事堂へと駆け抜けていく。


ー雨宮、聞こえるか?漸く繋がった様だな。


 「新庄か」


ーもう時間が無い、ギリギリまで粘るつもりか?


 「グレン・カリバーンが見当たらない、周辺の虫の一掃は既に完了しているだろ?後は中央しかない」


ーしかしだな、もう既にマギアシリーズは宙域へと戻りつつある、直すにしても時間が掛かるだろう?


 「もう着く、居なかったら直ぐに戻るさ」


ー判った、構成物資の準備は進めている、雨宮の戻り次第始められる様にしておく。


 「頼む」


 (確かに時間を使いすぎたな、もう問答無用で連れて行かないと時間が無いな)


 そんなやり取りをしている間に雨宮達は中央議事堂へと到着し、その正面に立った。


 議事堂の正面にはグレーでカラーリングされたSW(スペースワーカー)が折り重なる様に積み上げられてその入り口を完全に塞いでいる。

恐らくは激しい闘いがあったであろう痕跡が幾つも残っているのだが、生存者も居らず、虫達も又統率者が居なくなった事で士気を失い宇宙空間へと脱出を図っている。


 「あそこに穴が空いているのか」


 「出て行く分には放置してもよろしいのでは?機動部隊が掃討作戦に入っております故」


 「行くぞ」


 「御意」


ーーーーーーーーーー


太陽系共和国中央議事堂


 議事堂の内部は潰れた虫の体液が乾いた後でパリパリと薄い膜が張っており、虫の死骸だけで無く人間の死骸も内部には数多く残されていた。


 「ついさっきまで戦っていた様だな」


 「やはりあの個体が統率者だったのでしょう、静かな物ですな」


 長い廊下を駆け抜け一番奥まった所にある広い講堂のような場所に一人、ぽつんと膝を付き茫然自失な状態で佇む中年の男性がいた。


 「ござる?」


 「グレン・カリバーンですな、何故こんな所に」


 雨宮達の声に反応したのか、男は雨宮の方を向き立ち上がろうとした様だが、脚が動かないのか腕を雨宮の方へと伸ばし、何かを訴える様に縋る様にその瞳に絶望を宿した顔を向ける。


 この空間は何故かとても空気が澄んでおり、とてもコロニーの中とは思えない程の清浄さを保っている。周辺に生命反応も無く部屋の中央に向かうルートへの足跡すら無い。疑問が残る不思議な空間だ。


 雨宮はスキャンする。


ーーーーーーーーーー


蟲王 ハグラスティルバ ?????歳 元第一樹系世界管理者


Lv 99999(CS)


状態 寄生中

   肉体支配(77%)

   魂魄欠損(重度)(システム管理者と連絡を取ってください)

   栄養失調(重度)

   未成熟体

   悲しみ

 

個有アビリティ

 

 絶望のドレイン


先天アビリティ

 

 支配権限付与


 カリスマ(M)


 生命創造(M)


 天地創造(M)


 シードコントロール(M)


 因果律操作Lv2


 管理権限Lv2(凍結)


 隠蔽操作Lv5(凍結)


 意識操作Lv2(凍結)


ーーーーーーーーーー


 (わぉ・・・・・・管理者本人来た)


 「殿、奴の背が・・・・・・」


 雨宮がスキャンをすると同時にグレン・カリバーンの背に縦一筋の亀裂が入り、肉を引き裂く様な音共に四対八枚の薄い蟲の羽根が飛び出し、顔の目が有った場所が急激に膨れ上がり、頭蓋の殆どを覆う程の複眼が現れる。口は裂け、喉の奥から蠅の口を思わせる細く長い器官が飛び出し、僅かに残ったグレン・カリバーンの意識が悲鳴を上げた。

 「虫と人間が混ざると気持ち悪いな・・・・・・」


 「何というかバランスがよろしくないですな・・・・・・もう少しこう・・・・・・何というか」


~~小さき者よ


 「お?」


 「む?」


~~小さき者よ聞け


 「早くしゃべれよ・・・・・・」


~~・・・・・・肉体になれぬ故


 「必要な事だけしゃべれば良いだろうが」


 雨宮がゆっくりと喋る妙な存在に対して苛つきを募らせている頃、当の本人は焦っている。雨宮はスタスタとグレン・カリバーンだった存在に近付き分解を開始する。


~~ま・まて小さき 「うるせぇわ!頭ん中でしゃべんな!」


ー雨宮!何をやっている!?もう時間一杯だ!皆既に艦へと戻ってきたぞ!?


 「ほらお前がゆっくりしてるから!!」


 理不尽な怒りを叩き付けられた蟲の王は、碌に動けない身体を捩らせ必死に言葉を紡ぎ出す。


~~我が世界は潰えた、その原因を追ってこの世界の壁を越え力を失った、我の対と成りし存在も潰えた。移住も又儚きゆ・・・・・・「しゃべんのが遅い!!」


 人間が普通に喋るスピードの半分以下の速度で話し出す蟲の王だったが、話し終える事無くその存在は雨宮によって分解された。


 「殿、急いで戻りましょう、崩壊が始まってしまいます、ブースターは起動しませんでしたな」


 「・・・・・・へっ、めんどくせぇ。あぁ・・・・・・くそっ」


 雨宮は踵を返し揺れる議事堂から離れ、一気に宇宙港へと戻る。宇宙港からは引っ切り無しにシャトルや救助船が離陸し、崩壊を免れる事が出来た者達を乗せて月を離れていく。又宇宙港に取り残され、絶望に打ちひしがれる者達も又同時に存在し、最後まで残っているラピスへと無理矢理押し入るべく攻撃を仕掛けていた。


ーーーーーーーーーー


宇宙港レンタルドック


 「新庄あとどの位月は保つ?」


ー一気に壊れる事は無いが、保って三十分と言う所だろう。既に地表の崩壊は始まっている。


 「面倒だな・・・・・・」


 「押し退けますか?」


 「そうだな」


 雨宮達はドックへ押し寄せた月の住民達を風の印で押し退け、ラピスへと乗り込もうと進む。ラピスの出入り口には完全武装の突入部隊に選出されていた者達が、各々の武器を片手に乗り込もうと飛びかかってくる住民達を蹴散らしていた。


 「クソッ!あっちへ行け!これはお前達が乗る船じゃ無い!」


 「失せろ下民共!さっさと離れないと射殺するぞ!」


 「うるせぇ!どうせ此処に居たら死ぬんだ!道連れにしてやる!」


 雨宮は混乱するドックを冷めた目で見ながら悠々と出入り口へと歩いて行く、すると何故かござるの風を耐えた男が雨宮の前に立ちはだかる。


 「ちょ待てよ」


 少し離れた距離から雨宮に声を掛けたつもりの男は目の前の雨宮が全く止まる気配が無く、そのままだと接触すると言う位置まで近付き漸く雨宮の大きさを認識する。男は約一メートル八十センチ程、対する雨宮は三メートル。雨宮はそのまま自分を見上げる男を気にもせず進むがままに踏み倒し、その股間に脚をめり込ませ顔面を踏み潰し歩みを進める。


 「はぁ・・・・・・汚れた」


 「何とまぁ、分解してください」


 ござるはやれやれと言った様子で周りを見渡し、今の雨宮の行動が周りの人間の戦意を完全に喪失させた事を流石だと、自分の事の様に少し得意気な顔に成る。


 「直ぐに出るぞ、艦内へ戻れ」


 「「「「「「「「「「ハッ!」」」」」」」」」」


 雨宮の掛け声と共に警備に当たっていた者達は全員雨宮を追い越し艦内へと飛び込み、雨宮が入り口へと入った事を確認したござるは出入り口のコントローラーを操作し、出入り口を閉じた。


ーーーーーーーーーー


マギア・ラピス メインブリッジ


 「雨宮遅いぞ」


 「思ったより無駄に時間を浪費させられてな」


 雨宮の後ろにござるが立ったままだが、ラピスは緊急発進し月から一定の距離を取る。


 既に周辺に居たハイヴと思われる巨大生物は掃討され、虫もほぼ全て駆逐されている。そして周辺へと散っていったマギアシリーズの九隻が全てラピスの周辺へと集まってきた。


 「雨宮、何時でも準備は出来ている」


 「良し、位相空間から構成素材を放出しろ、全眷属はエネルギーバイパスを一時遮断、艦の維持に努めろ」


 ナノマシンサーバーを通じて眷属へと送られていたエネルギープールのエネルギーは、一時的に雨宮へと全て送られる様に変わり雨宮は艦長席に在る権限確認センサーへと手を置く。すると雨宮の目の前のコンソールが二つに分かれ、以前凍結した主砲のARトリガーが姿を現した。


 「そ・それを使うのか?」


 「エネルギーの伝達効率が一番良いのがこれなんだ、有って良かった、と言う奴だな」


 惑星をも簡単に消滅させる程の主砲を使い、雨宮はナノマシンを主砲に集め惑星一つを再生させるエネルギーを周辺から集めてくる。しかし既に消える世界に立ち寄った際、少しずつエネルギーを拝借していた分も有り、全てのエネルギーが枯渇するようなことは無い様だ。


ーーーーーーーーーー


月の状態をスキャン


破損率九十九%


コアのダメージが深刻、修復が急務


ナノマシンによる急速修復を行います


月の状況履歴をリーディング


千年前の状態をロード・・・・・・ERRORファーストコアが存在しません


二千年前の状態をロード・・・・・・ERRORファーストコアが存在しません


五千年前の状態をロード・・・・・・ファーストコアの破損を確認


ファーストコアの状態を正常に書き換え


データ修復完了


セカンドコアの汚染を確認


修復存在による上書きの許可を確認


セカンドコアの修復に成功


コアシステム正常にロード完了


外殻を形成


外郭表皮に既存のコロニーを上書き


新規に情報を保存します


資源衛星エターナルグレーを再構成します


・・・・・・データの構築が完了しました


全ての生命体への退避勧告・・・・・・不要


状態を上書きします・・・・・・構成物質・・・・・・百八十%


余剰分は外郭拡大へと回します


構成開始・・・・・・完了


エネルギー残量四十二%


エネルギーバイパスの情報をロード


眷属へのバイパスルートを復帰します


お疲れ様でした


ーーーーーーーーーー















蟲王 ハグラスティルバ ?????歳 元第一樹系世界管理者


 樹木系管理者を中心とする樹系原初世界の一つ第一樹系世界にて管理者であった存在と同化した存在。


 あらゆる能力が本来の管理者としての能力より劣っており、多くの力が失われている。


 元々別の樹系世界に住む一匹の虫であったが、短い生涯の中で愛に目覚め、守るべき番の為に早く死ぬ事を止めた。しかし彼の住む世界は崩壊しその世界の柱であった番を連れ異世界へと脱出するも番を守り切る事が出来ず、侵略は失敗同系統の世界へと身を隠し更なる侵略の機会を待っていた。


 力を蓄えていたある日突如として第三世界へのゲートが開き、自ら増やし続けてきた眷属と共に第三超広域開拓世界へと侵略を開始するが、根源世界と化した第三超広域世界の壁は厚く、辿り着く際に新しい命を作り出す繭型生命創造システムを破損させてしまう。その影響か新しく作り出す眷属は自らと全く違う蝶蝶と成り、コントロール出来なくなり、自らの番を作り出そうとしていた物の、空の器だけが未完成のまま放置され、自らも生き存える為に元の世界には存在しなかった人間の体内へと寄生、その肉体を支配しようとしていたが、予想以上に宿主の抵抗が激しく完全に掌握する前に雨宮に完全に分解され、その存在を失った。


ダイナ・バディジュニア 人種 A級冒険者


 マッサマンが襲撃を受けた際いの一番に逃げ出し、宇宙港に潜伏していた極度の保守主義者。


 多くのシャトルや宇宙船が行き交う中、大きな身体をした彼は目立ち冒険者として戦えと民間人達から背を押され、一時は宇宙港の外へと出て芋虫と戦っては見た物の全く刃が立たず、これ以上の醜態を晒す前に自らの魔法で姿を隠し、最後に出るであろう船に密航するつもりで潜伏していたが、民衆が銀河旅団と対立している時に、此処で此奴らを倒せば一躍ヒーローに成れるかも知れないと、功名心に火が付き雨宮の前に立ちはだかろうとしたが、自分より遙かに巨大な雨宮を目の前にし金縛りに遭った様に動けなくなり転倒、そのまま雨宮に股間と頭蓋を踏み砕かれ死亡した。


 趣味は人形遊び、好きな食べ物はメープルハニートースト。


 少女趣味的な所があり幼い頃から同性に虐められてきたが、年を追うごとに身体が大きくなり立場が逆転、モリモリのマッチョマンに成った高等部へと通う頃には、彼を虐める者居なくなり、逆に自らの趣味を皮肉る者達を巻き添いにし、着せ替え人形にして遊んでいた。


 「お前も着せ替え人形にしてやろうか~!」

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