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断罪された社畜令嬢、追放先でスローライフしていたら才能が覚醒しました

最終エピソード掲載日:2026/03/12
「リーネ・アシュベル。本日をもって、貴女の商会勤めは不要となりました」

上司の声は事務的だった。
机の上に退職の書類が滑るように置かれる。

わたしの手は震えなかった。
予想していたからだ。

三年間、朝は誰より早く、夜は誰より遅くまで仕事と向き合った。
休日もなく、数字を追いかけ続けた。

それでも、没落した子爵家の娘に居場所はなかったらしい。

「……承知しました」

ペンだこの残る指で書類に署名する。
わたしの三年間が、インクの一筆で終わった。

荷物はカバンひとつ。
商会の扉を出ると、春なのに風が冷たい。

さて、どこへ行こう。

ポケットの中で、一枚の求人票がかさりと音を立てた。
辺境の街ヴェルデン。聞いたこともない場所の、小さな商会。

足が動いた。迷うほどの選択肢は、もうない。

――知らなかった。あの辺境が、わたしの人生をまるごと変えてしまうなんて。
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