第180話「リンとルナの紹介」
#第180話「リンとルナの紹介」
新居への引っ越し作業が完了、更にはリンのレベルアップにFS遷移。いろいろなことがあったがようやく気持ちも落ち着いてきた。
そして次に必要なのが「リンの家族への紹介」だ。もちろん、そのまま使役モンスターだと言えるわけがない。
だから今回も“設定”を用意した。
最初はラムと同じように海外出身にしようかと思っていたがそれもどうなのだろう。考えれば考えるほどぼろが出そうなんだよね。
それならばラムと同じアメリカカリフォルニア生まれにするか?でも日本人が何人も同じ地域に生まれるというのも不自然な気がする。
ああもう海外設定はやめよう。普通に日本人にしよう。
結局、四国から上京してきた設定に決定。
……まあ、無難だろう。何かあれば俺でも答えることができるかもしれない。とりあえずリンにはその設定を伝え、四国についてネットで調べるように言っておいた。うーん、どうなのだろう?これが本当に無難なのかどうか何とも言えない。
でもなんとなく、リンのおっとりした話し方の雰囲気にも合っているし田舎育ちという設定は自然に馴染むような気がするんだよね。
そう考えたら他の使役モンスターもそういった設定を早めに考えておいた方がいいかもしれない。
弟の樹と妹の葵にはまずはラムの住居について教えた。
「隣の部屋にハンター仲間のラムが住むことになったぞ」と伝えると大喜び。
「何かあったらすぐ行けるね!」と葵がはしゃいでいた。
「ただし日中は俺と一緒にダンジョンでハンター活動をしていることが多いから普段はいないからな。逆に俺が帰ってきた時にはいることも多いだろう。隣だからたまには遊びに行くのもいいと思うぞ」
そう言うと樹も葵も喜んでいた。
そしてさらに、ラムの他にリンという新しい仲間も住むことになったと伝えた。
「リンというハンター仲間も住むことになった。あと2~3人増えると思うぞ。それぞれ仲よくしてやってくれな」
そう言うと樹も葵も了解いてくれた。まだこのマンションに引っ越ししてわずかな時間しか経っていない。近くに知り合いが増えるのは嬉しいだろうと思う。
透子さんもハンター関連の研究の関係でよく来ると説明すると、これも歓迎ムード。透子さんはすでに樹と葵に受け入れられているように思う。そうだよな。会って翌日には俺より先に帰っていて一緒にお菓子を食べてだべっていて普通の家族のようにも見えたもの。あのなじみ方は半端でない。ある意味天才かもしれない。
そして最後に、今日だけはやはりハンター仲間のルナという女性も来ていると伝えると――
「なんか女の人ばっかりだね」と樹と葵からはジト目を向けられたような気がする。
うう……それは痛い。まさか弟と妹にまでそんな目で見られるとは。でもこれって悪いのは俺じゃないよね?
「じゃあ、後からみんなで隣にあいさつに行くから、その予定でいてくれ」
「分かった。何か持っていくものない?」
「いや、別に今回はいいと思うぞ。親しい知り合いだから変に気を使う必要もないしな」
その後しばらくして、俺とひより、樹と葵で隣の部屋へ挨拶に行った。
玄関を開けると、ちょうど全員がそろっていた。
ラム、リン、透子さん、そしてルナだ。
女性4人に迎えられると、なんだか妙に緊張する。
とりあえず部屋の中に入っていく。同じ間取りだけど自分が住んでいないとなると、ちょっと緊張するな。一応は俺たちの拠点のようなものだから慣れないといけないのだが。
「こちら、ラムはもう知ってるよな」
「こんにちは、ラムさん!」
「こんにちは。いつも元気ですね!」とラムも気軽に返事してくれる。
続いて透子さん。
「2人共に透子さんも覚えてるよな。」
「もちろん! 透子さんこんにちは! またいろいろハンター協会について教えてね!」
透子さんは少し照れくさそうにしている。
「ああ、こんにちは。何でも聞いていいよ」
そして次が今回の主役、リンの番だ。
「こちらはリン。ハンター仲間で四国から来ている。これからラムと一緒にここに住むから樹も葵も仲良くしてやってくれ」
「リンです。よろしくお願いしますです」
リンガ柔らかい声で挨拶すると、樹と葵も少し緊張気味に「よろしくお願いします」と返した。さすがに初対面だとまだ緊張するらしい。でも、すぐに打ち解けるとは思うけどね。
……と思ったら、樹が首をかしげた。
「でも日本人なのに、リンって名前なの?」
うっ、痛いところを突かれた!
「え、あ、ハンターはさ、ニックネームで呼び合うんだよ。そんな感じ! 実は俺も本名は知らないんだ」と、苦しい言い訳で乗り切った。
やっぱり設定はもう少し設定は練っておかないとダメだな。今度、朝倉さんにも相談しておこう。
最後にルナの紹介だ。
「この人はルナ。俺たちのハンター仲間だ」
と言った瞬間、樹と葵が目を丸くした。
「えっ!? あのルナさん!?」
「ネット動画に出ている人だよね!」
ああ、そうか……ルナは動画配信していている超有名ハンターだ。まいったな。
「そうそう、そのルナだ。でも、ここにたまに来るけど秘密だぞ。学校でも友達にも言っちゃダメだからな。基本、ソロでやっている凄い強い人だけど今は俺たちの仲間だ。まあ俺たちの師匠みたいなものだけどな」
2人とも真剣な顔でこくこく頷いた。
「すごい! もしかしてレン兄も凄いのかな。そして本物のルナさんと知り合いになれたー!」
……いや、喜んでるのはいいけど、秘密って言ったばかりだからな?絶対に守ってよ。
それにしても、やっぱり子供は情報が早いな。そしてルナは俺の想像以上に世間に人気が浸透しているようだ。
下手に露出したら面倒なことになる。今後はここに来るにも、もっと慎重に行動しないといけないかもね。
そのあとは全員で夕食。
なんと、ラムとリンが料理を担当してくれた。リンもすでに料理を作れるようになったみたいだ。ラムによるとたまにドジもするらしいけどね。
笑い声の絶えない食卓。
顔合わせも無事に済んでリンも楽しそうに笑っていて、俺は少しだけ安心した。
――ダンジョンの外でも、こうして笑っていられる時間が増えていけばいいなと思う。
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