第百四十九話
私たちは階段で二階に上がって、部屋を見てまわった。階段から一番近くの部屋はヒカリさんが使っていて、その隣がユメさん、その隣の二部屋が空いていた。
「私、ユメの隣部屋にしよかな」
アカリさんが部屋の前で先に言った。
「それじゃ私は一番奥の部屋だね」
(やっぱり階段の近くは優先的に埋まっていって、私は一番奥の部屋を選びたかったので丁度良かった)
部屋の中を覗くとからっぽの本棚が置かれていた。
「大家さんが本棚は各部屋に備え付けだから使って良いって」
ヒカリさんが後ろから一緒に覗きながら言った。
「ここで暮らすの楽しみだね!」
アカリさんは私の肩に手を置いて言った。
「そうだね」
私も部屋を見ながら同じように思っていた。
私たちは部屋を見てまわった後、階段に向かった。
「荷物は暮らす前から早めに持ってきてた方が良いよ。段ボールで送っても良いし。足りないものがあれば、ほとんど百円ショップで揃うから」
ヒカリさんは階段を下りながら言った。
「ただいま。おっ、アカリにカスミじゃん。来てたのか」
ユメさんが両手に荷物を持って外から帰ってきた。
「おかえり、“おつかい”ありがとう」
ヒカリさんは荷物を一つ受け取ってキッチンまで運んだ。
「みんなで料理とかして食べたいね。週に一度……、月に一度ぐらいかな」
アカリさんは徐々に声が小さくなった。
「実際、料理するとなると……、面倒くさいかもね」
ヒカリさんは下ごしらえや洗い物とかを想像して言った。
「まあ、安い弁当の方が料理しなくていいし、洗い物が簡単だし、捨てる生ごみ少ないし、色々と楽なんだよね」
ユメさんは腕を組みながら言った。
(シェアハウスでの四人暮らしが来月から始まると楽しくなりそう、自分が思っていたよりも悪くはなさそう、だと私は思った)




