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王都はさながら祭りのような賑わいを見せていた。
街全体に華やかな装飾が施され、多くの露店が建ち並び、
街道を行き交う人々は笑顔に溢れており、お祝いムード一色だ。
そんな賑やかな人混みの中を、僕は彼女の手を引いて歩く。
「ずいぶん賑わってるね」
「・・・」
「おっ、あそこの露店から甘い良い香りがするね
・・・せっかくだし、食べてみるかい?」
「・・・ふんっ、そんなみすぼらし物、食べれる訳ないだろう」
「そうかい?でも君、朝から何も食べてないだろう?」
「恥を晒して生き長らえるつもりは無い」