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遺伝子分布論 22K  作者: Josui
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ゴシの話11

  アミからテキストが入る。空港で忘れ物を

 確保して時間どおり戻れるそうだ。

 

 サクハリンの最初の1時間ももうすぐ終わる。

 フェイクとエマドがスタンバイしている。

 

 アラハントは、この規模でのライブ経験はある。

 しかし、第3エリアの都市マヌカ以外での

 ライブ経験がない。ツアー自体初めてだ。

 

 さすがに二人とも緊張しているのが伝わってくる。

 

「エマド、フェイク、いつもどおりぎこちなく

 いくのよ」

 ウインが声をかける。

 

「まかしとけって」

 エマドが親指を立てる。フェイクは苦笑いを返す。

 

 サクハリンのMCが始まったようだ。

「じゃあ今日は、第3エリアから若手を呼んで

 います」

「みなさん暖かく迎えてあげてくださいね」

「アラハント!」

 リョーコのコールが響きわたる。

 

「よしいくぞ!」

 エマドを先頭にフェイクと二人でステージへ

 上がる。

 

「エマド・ジャマル!」リョーコのコールに歓声が

 あがる。まだサクハリンのステージの延長だ。

 

「フェイク・サンヒョク!」歓声があがる。

 が、ステージの何もないところでフェイクが

 つまずきそうになる。ちょっとヒヤッとしたが、

 フェイクはその勢いのまま、ステージで前転する。

 また少し歓声があがる。

 

「アラハントの二人です!」

「じゃあわれわれ二人はこのへんで、あとで

 来まーす!」

 あっさりとサクハリンの二人はステージを去る。

 

 残されたアラハントの二人。

「あ、どうも、アラハントのエマド・ジャマルです」

 若干声がかすれている。

 

「あ、あの、メンバーあと3人いるんですけど、

 実は遅れていまして」

 その時だ、

「エマド帰れー」という声が響いた。

 

 次々とエマド帰れの声が響いてくる。いや、

 もうこれは帰れコールだ。ひるむアラハントの

 二人。しかし、観客が不満げにしているわけ

 でもなさそうだぞ。

 

 もしかして、わかってる客かも?

 

 フェイクのドラムの演奏がはじまる。そして

 歓声があがる。エマドがラップで客を煽る。

 相変わらず罵声が飛ぶが、これは都市マヌカで

 もらういつものやつと同じだ。ここの客は

 もしかしてアラハントを知っている?

 

 控室ではゴシが焦っていた。このあとウインが

 出て、それからアミが出る順だ。もう控室に

 ついていてほしい時間だ。

 

「曲順変えようか」

 ウインに提案するが彼女は首を横に振る。

 

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