アミの話15
「もう二度とやりたくない」
とフェイク・サンヒョク談。
「同意」とエマド・ジャマル。
ゲームのほうはやるけど、と続ける。
アミは実家に戻ってペットを抱いて死んだ
ように長時間眠る。
ウインはひさしぶりに高い食材を買い込んで
家族で食べる準備をする。
マルーシャは、バイト行ってきたよーと
ふつうに帰宅。軍で戦闘してきたとは
言わない。
高額の報酬を得た彼らは、音楽活動の
ための機材の購入や買い替えができると
喜んだ。
軍からの正式配属のオファーもあったが、
丁重にお断りした。軍もあっさり諦めた。
投降パイロット全員の登用が成功しそう
だったからだ。
彼らはそのまま第3小隊の機体で訓練を
行い、そのまま狙撃構成で戦うという。
コウエンジ連邦に戦闘を仕掛けてきた
宙賊は、原理主義戦闘国家を背後に
活動していた。
今回の件により、しばらくはまともな
活動ができないだろう。
それ以上に、大きな事実が判明していた。
そもそも確保されたパイロットが登用に
応じたのは、原理主義戦闘国家に在住
する家族の確保が可能であることを
伝えたからだが、
特殊工作員による全員分の家族確保が完了
したのち、自ら話し出した。
「全員、一年前に第2エリアから家族ごと
移ったらしい」
「君たち同様、ゲームの戦績が良くて、かつ
経済的に厳しいところをスカウトされたとか」
あとでハントジムに練習にきていたトムから
聞いた話だ。おっと、今のは機密だから
聞かなかったことにしてくれ、とも
付け加えた。
そう、脱出ポッドから出てきたのは、アミ
たちと同年代の、学生たちだったのだ。




