表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
127/131

【交わる世界4】人は自分と違うものを持っている人と惹かれ合い、補い合い、成長する

「よく分からないけど…」


女は空ぶりをして地面を破壊し食い込んでいた斧を再び持ち上げた。


軽々と、と言った様子だがその威力は軽くないことをひび割れた地面が物語っている。


「1人分の魂が入ったくらいで勝った気になってるんじゃないよ!!」


ブオン!!


大きく風を切りながら迫ってくる斧の腹に、右手をついてクルッと宙返りをする。


そのまま両手に黒い爪を発現させ、女へと飛び掛かる。


「にゃにゃにゃにゃにゃ!!」


滞空時間を利用した爪での素早い連打。


女は咄嗟に首を横に振って避けたが、頬に一筋の切れ目が入る。


連撃が終わり、地面に着くと間髪入れずに次の攻撃へと移る。


「灯火にゃん撃!!」


右のローキックから、前足…もとい右手のひっかき攻撃、そのままひっかけた右手で身体を持ち上げくるっと回転し左足でのローリングソバット。


後方へと吹っ飛んだ女へと、さらに追撃で腕から発生させていた爪をミサイルのように発射させる。


発射と同時に思いっきり足をググッ…と『溜めた』


吹っ飛びながらも両足で踏ん張った女は、そのまま斧の腹で爪を受けるが、その後に『本体』が既に目の前に迫ってきていた。


猫科の猛獣のように力強く溜めた足が解放され、さらにブーストのかかった瞬間移動に、もはや女は反応しきれない。


「絶望の花をプレゼントにゃ」


かざした両手から前方へと一気に黒と白の棘が開花する。


無数に開いた棘は女の身体を斧ごと無数に貫いた。


「ふっざけんな!!!」


全身を串刺しにされながら、女の怒りが爆発した。


「殺せ!!あいつ『等』を!!」


女の全身から沸騰した水のようにぼこぼこと青い泡が浮き上がってくる。


泡は躯の形となり、無数に飛び掛かってきた。


猫のようにクルンクルン回りながら避けるも、躯の群れはしつこく追いかけてくる。


再び飛んでくる大量の躯を前に、目を閉じ精神統一をする。


「仕様がないわね…にゃ」


明確なイメージ。


龍と相まみえる虎。


その爪は全てを屠り、その牙は全てを引き裂く。


「…白虎撃(びゃっこげき)


白い身体に入る黒い模様はまさに聖獣の1つ、白虎そのものであった。


猛獣の突進のように躯の群れを吹っ飛ばし、さらに女の右半身を紙のように吹っ飛ばした。


「(これでどう…?)」


女にはもう、ほとんど抵抗する力は残っていないように見えた。


震える左手で、新たな魂を取り出そうとするが、それすらも手から零れ落ちる。


こちらも女に歩み寄る。とどめを…


「さすがのあんたも、そこまで消耗したらまともに動くのも難しいようね。」


魂を使い切った後のような感覚が、この女にもあるのだろう。ボロボロの身体で、もはやこちらの言葉も耳に入っていない様子だった。


「正直、あんたみたいな悪党でも完全に消滅させるのは気が引ける。」


女が聞こえているかもわからない。が、続ける。


「魂だけの存在とは言え、消してしまったら人殺しになってしまうような気がして。」


少し悩んだ。だが…


「だけど、あんたは多くの人を殺した。椿ちゃんのお母さんも、魂を奪われた人達も。弱みに付け入って利用された人達すらも。」


右手を前に突き出し、イメージする。


「これ以上、生かしておくわけにはいかない。あんたの死を背負ってでも。」


だからこれで終わらせる…。


「白…」



ここまで読んでくださってありがとうございます。


面白かったら「いいね」「ブックマーク」などしていただけたらありがたいです!


今後ともよろしくお願いします!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング 小説家になろうSNSシェアツール 良かったらクリックお願いします!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ