【疾風のように】もしアニメ化されたら途中の雑魚とか倒す描写はもうちょっと濃い目にお願いします!!
さすがに敵の本拠地ともなると、かなりの数の敵が待ち構えている。
谷崎はゾンビを倒す術もないし、私一人では全て相手をしている暇も体力もない。
わらわらと群がってくるゾンビを、ただ最短距離に立ちふさがる分だけ倒して進んでいた。
「それにしても、今更だけど何であんたの仲間達を呼ばないの?」
バシバシとゾンビを能力でコーティングした拳で吹っ飛ばしながら問うと
「どうせいてもゾンビを倒すこともできないだろ。それに…」
飛び掛かってくるゾンビをひょいと躱しながら谷崎は続けた。
「ハンパなやつを連れてきても魂奪われてしまうだけだからな」
「確かに。」
さらに吹っ飛ばしたゾンビ同士がぶつかってボウリングのピンのようにぶつかり合うのも気にせず、ガンガン進んでいくと、今度はゾンビとは違う人影が現れた。
「あ!変態暴行魔サラリーマン!!」
デートの帰りの良い気分を邪魔したクソ野郎だ。本拠地にいやがったか。
「能力者の空手女か、面白い。タイマンで勝負してやる。」
クイッ、と眼鏡を中指で上げるサラリーマン風の男を前にしても、スピードを落とす道理はない。
後ろからはゾンビがまだ迫ってきているし、颯士が時間を稼いでくれているのも無駄にはしたくない。
「幻影!!!」
一瞬で6体の幻影が現れ、サラリーマンは一瞬戸惑う。
その一瞬があれば十分だった。
戸惑っている隙に背後に回り、思いっきり背中を蹴りつける。
サラリーマンは思いっきり吹っ飛んでいき、早くもその出番を終えたのであった。
「この間の仕返しだ!」
その台詞がサラリーマンに聞こえていたかどうかは定かではないが、とにかく一撃で終わった。
「(かなり腕を上げているな)」
しみじみと思いをはせる谷崎をよそに、こちらはこちらで思うことがあった。
「結局、名前すら知る間もなかったな。」
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自分で言うのもなんだけど、もはやその辺の量産型能力者には負ける気は全くしなかった。
能力が使えるからと言って、発想力の乏しさや応用力のなさがなければ普通の人間と同じだし、そうなると普通の人間が能力者に勝つのは至難の技だ。
「チン撃姫、大爆発って感じだな!」
谷崎も雑兵を蹴飛ばしながら言う。
「だからチン撃いうなって。それに大爆発って大変なことになっちゃうでしょうが!」
なんて言っている間に3匹ほどゾンビを吹っ飛ばした。
「まだつかないの?ちょっと疲れてきたんだけど。」
ちょっと愚痴ってみたら、谷崎の顔が少し、本気になったように見えた。
「いや…そろそろのようだぜ」
谷崎が顎でクイッと示したのは、祭壇?のような間だった。
周りを複数の炎によって円状に囲まれたそこには、六芒星の魔法陣が描かれていた。
そしてその中心には、皿の上に山積みになった魂と、あの女がいた。
「…来たわね。」
そう言いながら女はこちらを振り向いた。
椿にはねられたはずの首は、まるで最初から斬られてなどいないかのように胴体と合わさっていた。
むしろ、あの日のダメージなど最初からなかったかのようだ。
「性懲りもなく、また魂を集めてるわね!」
バシッ、と言い放ったが、女にはその声は届いていないようだった。
むしろ、女は目を皿のように丸くして谷崎を見つめていた。
[誠一郎さん…?」
谷崎は、ただ黙ってその女、『彩華』をにらみつけていた。
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