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帝都:奇異な出会いはまだまだ続く?でした!

奇異な出会いはまだまだ続く・・・帝都でも波乱の予感?


次話投稿は一週間以内です。

 机を挟んで席についているのは、如何にも冒険者然とした男だ。腰に差した長剣の鞘は汚れていて、筋骨隆々の体格は歴戦の冒険者を思わせる。

 チラッとローブから出ている腕を見てみれば、そこには幾本もの切り傷が走っている。


 顔はイケメン・・・と言うよりも男前だろう。

 鋭い瞳は鋭利な刃物を思わせるかの如く、油断なく目の前の存在に(きっさき)を向けている。


 ・・・その鋒を向けられている方はたまったものじゃないとばかりに、視線を逸らしている。


「急な提案で本当に申し訳ないとは思っている。しかし、どうかお願い出来ないだろうか?」

「えっと・・・パーティーに入りたいんでしたっけ?」


 そう。

 今目の前で座っている青髪の男は、俺達のパーティーに入りたいと声を掛けてきたのだ。


 机の上には男が頼んだ食べ物と飲み物が並ぶ。鼻先に漂う香草の良い匂い、立ち上る湯気の先には大きな魚の切り身が置かれ、脇に置かれた飲み物からは仄かに香る独特の匂い・・・恐らく酒だろう。


 周りを見渡してみれば冒険者や仕事終わりに立ち寄った人で、おおいに賑わっている。


 ここは『道楽者』と呼ばれる帝都でもかなり有名な酒場だそうだ。

 有名な理由は酒と食べ物の種類が、他と比べて多い事が上げられる。

 帝都の近くには川や海といったものはない。しかし、この酒場では隣国に懇意にしている漁場があるそうで、そこから魔道具を用いて新鮮な状態で入荷しているそうだ・・・まぁ、それなりに値段もするのだけど。


 とまぁ、そんなことは置いておくとして、今こんな現状に置かれている理由だ。


 クエストが終わって一段落ついた俺は宿で休んでいた。いつもなら、部屋で配下の皆とお喋りなりする所なんだけど・・・。クエストで俺の全裸を直に見てしまったシロタエは、俺の顔を見る度に真っ赤になってまともに喋れなくなってしまったのだ。


 そんなシロタエにコトヒラをリハビリ役に付け、俺は宿を出て帝都見学にでも・・・と歩き始めてちょっとした頃


「すまないが、少し付き合って貰って構わんか?」


 と声を掛けてきたのが、この青髪の冒険者だ・・・。


 で、持ちかけられたのが『パーティーに入りたい』って事だ。


「クリスタルスワロー・・・だったか?が偶にドロップする『カレト石』が欲しいのだ。しかし、クリスタルスワローはダンジョンにしかいなくてだな。俺のランクでは入れないのだ」


 聞いたこと無い魔物だなぁ。

 この青髪冒険者は先日冒険者になったばかりらしく、目的はそのカレト石が欲しいが為であったらしい。


 なんでも『カレト石』は、淡い光を放つ宝石であるらく、贈り物としてじゃかなり一般的な物であるらしい。

 市場にも出回っているそうだが・・・そういった物は大体が粗悪品らしい。


 カレト石はドロップアイテムの他にも鉱山などで取れる。市場に出回っているのが大体鉱山で取れた物らしい。


 ・・・で、粗悪品などは市場に出回るのだが、良質なカレト石は貴族に殆ど買い漁られるそうだ。


 そうなると、一介の冒険者ではどうする事もできず、自分で取りに行くしかないのだ。

 鉱山に掘りに行くなんてまず無理・・・となると、クリスタルスワローを倒してカレト石を得るしかない訳だ。

 幸い、クリスタルスワローがドロップするカレト石は、全て良質な物であり、中には最高品質の物まであるそうだ。


 ・・・っと、そう言えば、この青髪の冒険者には会ったことがある。

 この帝都に到着して、最初にギルドに立ち寄った時、隣で依頼を受けようとしていた冒険者だ。

 ローブを纏っていたせいで気がつかなかったけど間違いない・・・なぜなら、冒険者ギルドで感じた妙に気になるあの感じがこの冒険者から漂ってきているからだ。


 嫌な予感はしないけど、モヤモヤとした何かをこの青髪の冒険者から感じ取れる。

 恐らく、アドルフと同じで・・・何かを直感が感じ取っているんだろう。


 とは言ったものの、何故俺達のパーティーなんだ?

 アドルフと同じで冒険者ギルドで俺達を見ていた・・・いや、あの時この人は、俺達を全く見ていなかった筈だ。


「何故俺達のパーティーなんですか?」

「む・・・」


 青髪の冒険者は途端に難しい顔になり、何かを考え始める。

 目はじっとこちらを見据え、時折何かを言い出そうとしているが、その度に何度も口をつぐむ。


「むぅ・・・これを言ってしまえば、大体信じてもらえんのだがなぁ。まぁいい、勘だ。俺は昔から勘で生きてきてな・・・その勘がよく当たったお陰でこれまで無事に生きていられてるのさ」

「あぁ、成る程・・・」


 でたよ。超便利エクストラスキル『直感』さん。

 カテナさんも所持していたこの『直感』スキル。何か物事を決めかねた時に発動するこれは、選択肢等を選ぶ際に、良い方がわかるというものだ。


 この『直感』スキルには色々と助けられた・・・王都では散々な目にあったけどね。


 それともう一つわかったことがある。この異世界では『スキル』についてはかなり知られているが、『エクストラスキル』に関してはあまり知られていない。

『専有スキル』も勿論、『ユニークスキル』なんて全く知られていないのだ。


 つまり・・・「直感」というエクストラスキルは知られておらず、唯の『勘』として処理されてしまっている。信じない人が大半だろう。


「信じてもらえるのか?」

「あぁ、まぁ、そういう人に会ったことがありまして」


 青髪の冒険者は、まさか信じて貰えるとは思っていなかったのだろう。驚いた様子でこちらを見据えている。。


 ”連れて行きますか YES/NO”


 そして出てくる選択肢・・・アドルフの時と全く一緒だ。

 無論、『直感』さんはYESに働くわけでして、それに従わざるを得ないのだ。


「じゃあ、宜しくお願いします」

「おぉ、ありがたい!! おっと、自己紹介がまだだったな、俺はヴィン・・・あ、いや『ヴァンク』だ」

「ユガです。今日はもうダンジョンに行ったので明日にでも」

「あぁ、宜しく頼もう!!」






「主人・・・昨日は醜態を見せてしまい、申し訳ございません」

「いや、悪いのは全部俺だし別にいいよ」

「将来の伴侶となる私が、主人様の裸だけであれでは・・・」

「うん? 何か言った?」

「い、いえいえ!なんでもございません!!」


 シロタエは何とか立ち直ったらしく、普通に接することができている。

 まだ何処と無く顔も赤いし、完治とまではいってないものの、俺の顔を見ただけで半分気絶する様な事はなくなった・・・。


 後ろで見ていたそれを見ていたコトヒラは、いつにもなく満面な笑顔を浮かべており、シロタエはそんなコトヒラにジト目を向けている・・・まぁ、何があったのかは詮索しない。


 シロタエとコトヒラの二人の頭を撫でてやる。それだけで、二人とも気持ち良さそうにするのだから・・・人の姿になっても、ペットみたいだ。勿論、ハンゾーも撫でてやる。


「アルジ、カンシャ」

「はいはい」


 そんな事をしていると、昨日と同じようにアドルフが此方へと走ってくる。

 ・・・しかし


「やぁやぁ、遅れてしまった。ごめんね」

「別に大丈夫だけど・・・どうしたの? 目の下に隈できてるけど」


 アドルフは昨日と同じ装備に身を包んではいるのだが・・・何処かヨレっとしていて気迫がない。目の下には隈ができており、あんまり眠れていないのがわかる。


「いやぁ、ちょっとね。色々と緊張して眠れなかったんだよ」


 アドルフはそう言うとアハハと笑い、大丈夫だよと続ける。

 何を緊張していたかはよくわからないけど、昨日のダンジョンではスワンプレインって言われる罠に遭遇したし、初めてのダンジョンでもあったろうから疲れたのだろう。

 今日も昨日と同じ様に簡単な依頼を受けた方がいいな。


 その前に、シロタエ達には伝えておいたけれど、昨日パーティーに入れた『ヴァンク』さんのことも話しておかないと・・・。


 そしてヴァンクさんの事を話そうとした時


「すまないな。準備に手間取って遅れてしまった」


 ヴァンクさんが後ろから現れる。

 昨日の普段着とは違い、大きな鎧に身を包み、盾と幅広の剣を装備している。鎧と盾は所々が凹み、かなり使い込まれているのがわかる。

 ・・・なんだろう、Fランクの筈だけど、歴戦の戦士を物語っていている。


「えっと・・・ヴァンクさん?」

「うむ。昨日の今日で俺の顔を忘れたわけではないだろう?」


 まぁ・・・顔はそうだろうけど、どっからどう見てもFランクの見習い冒険者には見えないんだよ。


「初にお目にかかるな。はじめまして俺はヴァン・・・」

「あ、初めまして私はアド・・・」


 ヴァンクさんが名乗ろうとみんなの前に出た瞬間・・・そして、アドルフが自己紹介をしようと歩みで瞬間。


 ふたりの時間がピタッと静止する。


 アドルフとヴァンクの二人は互いの顔をジッと見つめながら、顔を引き攣らせ冷や汗をダラダラと垂れ流している。

 え? え?何があったの?


「えっと・・・どうかしました?」

「「い、いやいや何もなイ!!ハハハハハ!!!」」


 二人は声を上ずらせ、ハハハハと声を上げて笑い始める。

 ふたりの態度が明らかに急変して戸惑っていると、二人はガシッと肩を組み告げる。


「いや、なに、実は顔なじみでな、少々話したいことがあってだな・・・」

「本当にごめん。今日のダンジョン探索に行けそうにないナ。二人で話したいことがあるんだ」


 二人はそう言うと近くの路地に入って行き、姿が見えなくなってしまった。

 一体何だったんだ?


 顔なじみって言ってたけど・・・どうもそんな雰囲気ではなかったし、とは言っても仲の良さそうな雰囲気もなければ悪そうな雰囲気もない。つまりは、他人のような関係にしか見えなかったんだけど・・・。


『あの二人一体どうしたの?』

「さぁ・・・よくわからない」

「人間というものは忙しないものですね主人」

「・・・やっぱり怪しい」


 ・・・まぁ、とにかくアドルフとヴァンクさんは途中離脱ということで。

 しょうがないから冒険者ギルドで何か依頼でも受けるか・・・。




 冒険者ギルドへと向かい、中に入ってみれば何時も通り冒険者達で賑わっており、依頼掲示版の前は大勢の冒険者達でごった返している。


 ダンジョンでの討伐依頼から、何かを調達してくるなどの採取系の依頼、果ては雑務系の依頼や調査の依頼、搜索の依頼や護衛の依頼なんかが張り出されている。


 これだ・・・これなんだ。

 俺が求めていたはずの異世界ファンタジー冒険譚は・・・。


 ジワリと涙が流れてくる。何度流した涙かはもうわからない。しかし、自分の追い求めていたファンタジーが今漸く自分の目の前に降り注いだのだ。

 異世界に転生して、今まで命の危険に脅かされた回数は・・・恐らくずっとだ。カナンでも王都でも踏んだり蹴ったりの毎日を過ごして、冒険も観光も録にできないまま毎日を過ごしていたのだ・・・。


 正直に言えば冒険者ギルドで依頼を受けたくもないのだが・・・お金がもう少し欲しい。

 先の依頼でかなり懐は潤っているが、里で待っている配下達とエルフに渡すお土産代や、人間の皆に贈る家具や雑貨等を考えると心許ない。


 掲示板にあったラビットホーンの二十個納品の依頼書を取ろうと手を伸ばした時


「あ! すいません。ユガ様ですよね?」

「え?あ、はい」


 突然ギルド職員に声をかけられ、依頼書に伸ばしていた手を引っ込める・・・あぁ、でもなんだろう嫌な予感がする。


「俺に何か用ですか?」

「えぇ。実は、パーティー『ユルバーレ』に指名依頼が届いております」

「ウッ・・・またですか」


 予想はしていたが、ギルド職員から紡がれた一言は・・・『指名依頼』だった。

 あぁ・・・やっぱり、俺に普通の生活なんて訪れないんだ。


「討伐ですか・・・護衛ですか・・・」

「あ、えっと、相談相手になってもらいたいだそうです」

「え?」


 どういうことだ?

 ギルド職員に促され、受付へと行く。そこで出された依頼書に目を通す。


 指名パーティー:ユルバーレ

 依頼主:『エリーザ・ローラ』

 内容:相談相手になって欲しい

 報酬:要相談


 と言ったものだ・・・。


「『エリーザ・ローラ』様は有名な服飾制作を手がける方なのです。エリーザ・ローラ様が開かれた『エリーティエ』と呼ばれる服飾店は上は王侯貴族から、下は平民まで幅広い服飾制作を手掛けています。良質で繊細な作りから、帝都だけでなく各国から制作依頼が届き、エリーティエは服飾の最先端となっております」

「・・・えっと、そんな所の偉いさんから相談相手になって欲しいと?」

「はい。エリーザ様が直々に冒険者ギルドに来られたので、間違いありません」


 どうやら、帝都ではかなり有名な人であり、服飾・・・つまりはファッションデザイナーみたいな感じなのだろう。

 しかし、そんな人が俺と相談なんてするか? 俺の事をどこで知ったかもわからないし、名前からして女性なのだろうけど一体どんな人物なのかは想像もつかない・・・。


「えーっとですね。『ユルバーレ』の事は、カナンの領主『ウェルシュバイン』様から聞いたそうですね」


 ・・・あ、納得。

 話を聞いている内に分かったことは、どうやらウェルシュバイン・・・デュルフ様とエリーザ様は商売仲間らしく、昔から懇意にしているそうだ。

 エリーザ様は服飾だけでなく、他にも色々と手を伸ばしているらしく、ウェルシュバインで製造されている馬車の装飾品のデザインも請け負っているらしい。


 そっから俺に話が飛んだのだろう。

 大方、奇抜な事を考える者がいるとでも吹聴した結果、俺の事を伝えたのだろう。


 たぶん里から、ユリィタさん路線で話が飛んでいったのだろうな。


 ユリィタさん、アンネ、デュルフ様、エリーザ様って感じで伝わったに違いない。


 外で待たせていたシロタエとコトヒラに事情を説明する。

『エリーザ・ローラ』様と呼ばれた依頼主は、この時間は帝都の中央区にある服飾店『エリーティエ』で働いているらしい。


 エリーティエはこの帝都では知らぬ者はいない程に有名な服飾店であり、そこから製造された衣服は流行の最先端になる事が殆どだそうだ。


 ・・・でも俺なんかで役に立つんだろうか。正直前世ではファッションなんて全然気遣ったことがない。

 ファッション誌などは友人から見せられることはあったが、服を買いに行くとなればいつも友人と一緒に行っていた覚えがある。

 センスというものは・・・まぁ、殆どないといっていいだろう。


「主人ファッションとはなんなのでしょうか?」

「自分の着ている服があるだろ? それを色合いだったり服の種類で合わせたりするんだよ」

「それに何の意味が?」

「すると・・・まぁ、かっこよくなったり可愛くなったりするんだよ」


 そう言えば、里の皆はエルフ達が作った服を着ているし、ファッションなんて気遣うことはないだろう。それに元は魔物だから『服』なんて着なかっただろうからな。


「ここかな?」


 人通りの多い中央区の一角に大きな店が構えられている。

 今は扉の前に閉店の表札が掲げられているが、店の上に備えられた大きな看板にはエリーティエと書かれている・・・。


 扉を三回ノックすると、中からパタパタと音がして扉の前に足音が近づいてくる。


「ごめんなさい。まだ開店予定はないのよ。また今度来てくださらない?」

「あ、えっと、指名依頼を承ったユルバーレの者ですけど」

「あら? もう来てくれたのね」


 扉からカチャリと音が鳴ると、ゆっくりと扉が開かれる。

 そこには華奢な体つきで自分と同じで珍しい黒髪、目の下に泣きぼくろを持つおっとりとした感じの女性だった。

 かなり美人で・・・ミリエラ程ではないがかなりナイスバディだ。


 恐らくこの人がエリーザ・ローラ様?なのだろう。

 手を見てみれば、絆創膏の様な物が大半を占めている。恐らく縫い物をしていてそうなったのだろう。


「えっと、相談っていうのは?」

「あ。それは私じゃないわ」


 え?

 すると、美人な女性の後ろからミシ・・・ミシ・・・と何かが軋みを上げながら近づく音が聞こえてくる。

 そして美人な女性の後ろに・・・大きな獣の影が現れる。


 女性が立っているその奥から、ヌーッと大きくて浅黒い腕が出る。

 その手にはゴテゴテとした宝石がいくつも輝いているが・・・毛深い手に宝石が埋もれており台無しだ。


「誰か来たのぉ? あらぁ、良い男が二人もいるじゃなぁい」

「この人がエリーザ・ローラ、私の主人よ」


 そこから現れたのは・・・浅黒毛塗れムッキムキなオカマだった。

またも仲間ができたと思ったら、アドルフとヴァンク?の間に一体全体何があったというのでしょう・・・?

そして、次話主人公とコトヒラにオカマが襲いかかる!?


宜しければ、本文下にある評価の方是非ともお願い致します!

遠慮なくこの物語を評価して下さい!!


何か変なところ、見にくい、誤字だ!などがあればどしどし教えて頂けると嬉しいです。

(言い換えでこういうのがありますよなどが合ったら教えてください。例:取得→習得、思いやる→慮る、聞こえる→耳に届くなど)


感想や活動報告の方にコメント頂けると私の気力になりますので気軽にどうぞ!!

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