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王都:再びダンジョンへでした!

再びダンジョンですが・・・。

次話投稿は一週間以内です!

 赤々とした目が爛々と輝き、暗がりから一気にこちらへと歩み寄る。

 小さな体がたてる地面を駆ける音は(やかま)しく、折角気配を消して襲い掛かったというのに意味がない。


 しかし、それでも彼女にとっては充分に驚かせる事になり、彼の者がダンジョンに不馴れなことがわかる。

 そんな悠長な事を考えている間に、彼の者に小さな体躯を持った脅威が迫る。

 普通の冒険者であるのなら、武具を構え迎撃に備えるのであろうが、この彼の者にそういった緊張感は全く芽生えない。


 彼の者は驚いた表情で身を硬直させ、手を前へと突き出す。

 迫り来る脅威に目を瞑り、腰が引けた姿勢のまま何事かを呟き始める。

 目を瞑って脅威と相対するなど普通なら有り得ない。冒険者から見てみれば殺してください、と言っているようなものだ。


 しかし、それが普通の冒険者ならである。

 突き出した(てのひら)に、緑光が宿ったかと思うと、細長い通路に豪風が吹き荒れる。

 質量を持った風は次第に鋭利さを増してゆき、一口(ひとふり)の刃と化す。


 風の剣が吹き荒れる通路は阿鼻叫喚の地獄絵図と化す。

 脅威となるはずであった者は塵芥(ちりあくた)となり、その姿は一変たりとも残すことなく消え失せる。


 されど、彼の者は掌を返すことは無く、その姿勢のままフルフルと身体を震わせている。

 目から涙などを溢しながら震えている様は、今起きた事態を見ている者であったならば、そんな滑稽な姿に失笑を禁じ得ないであろう。


「終わったわよ」

「もう・・・いいの?」


 そんな会話が交わされ、少女は薄目を明けて回りの状況を確認する。

 刃にて切り刻まれた土壁と、抉り散らされた地面を確認して、自分がやったことでないと言いたげな、驚いた表情を浮かべる。


 世の魔法使いがその姿を見たならば、彼女の才能に愕然とし己の才を呪うか、彼女の才を妬む事になるだろう。


 辺りの光を一身に受け、目映(まばゆ)くばかりに綺麗な彼女の姿。

 豊かに膨らんだ胸元に手を当てて、ほぅっと息を吐くその姿は、どのような美術品であっても彼女の美貌を上回ることはないだろう。

 潤いを帯びた蒼く澄み渡る瞳、薄いピンク色を宿したぷっくりとした唇、長く尖った耳は彼女が人の美しさの限界を越えていることがよくわかる。


 人のよから消え、もはや物語の中でしか見ることができなくなったエルフが、そこにはいた。


「ミリエラ・・・それどうにかならないの?」

「だって、怖いんだもん」

「ゴブリンなのに?」


 溜め息を吐いて苦笑を漏らすのは、腰に剣を携え、重い鎧を好まない事からブレストプレートを装備している女の姿。

 鳶色の瞳は冷たい刃の様に鋭く、見据えられれば大概の者なら少しばかりたじろいでしまうのだが、そんな女・・・サテラの対面に位置する少女にはそれに含まれない。


 プーッと頬を膨らませ、サテラを困らせている張本人。

 人にはない長く尖った耳を持ち、普通の人間には見えないが、少女の肩に乗っている小さな精霊がサテラへと手を振っている。


「風でローブが脱げてるよ」


 わたわたとしながらローブをかぶり直しているのは、精霊魔法の使い手であり、物語の中から抜け出してきた絶世の美貌を誇るエルフ。

 名前はミリエラ。

 サテラと行動を共にし、人間の世界に留学中のエルフである。

 本当はもう『一匹』の方についていっている筈であるが現在行方不明中であり、それを捜す為にこのダンジョンに来ているのだ。


「オークに襲われた時は大丈夫だったじゃない」

「あのときはいっぱいいっぱいだったから・・・」

「怖がれるだけ余裕があるってことかしら?」


 そんな彼女達の会話はダンジョンの中へと溶け込んでいった。



 -------------------------------------------------・・・



 ダンジョンは怖い。

 何時何処から魔物が襲ってくるかわからないし、ここにいる魔物は自分達が息絶えるまで襲い掛かってくる。


 ユガの森でも同じ事の様に思える。でも、森では回りにたくさんいる精霊達が危ないよって教えてくれるし、精霊達に助けてもらえるけれど、ここは全く精霊がいないし、私の肩に乗るこの子だけが唯一の精霊なのだ。

 それに、余程の事がなければ、森の魔物は私達の様な者を襲ったりしない。襲ったとしても、不利だと分かれば、直ぐ様逃げ出してくれる。

 陽の光と森の木々達が織り成す、陽光の雨が燦々と降り注ぐ中、散歩気分で歩ける。


 そんな森になれている私は、薄暗くジメジメしていて、魔物達が突如群れをなして襲い掛かって来ては、どちらかが全滅するまで戦い抜くなんて、怖くてできるはずがない。


 それなのに、サテラはどうにかならないの?なんて・・・無理よ。


『オクビョウスギナンジャナイノォー!』

「わひゃー!!」


 突如耳元で叫ばれた声に驚いて、へなへなと腰を抜かしてしまう。

 状況が飲み込めず上を見上げてみれば、悪戯っぽい笑みを浮かべてパタパタと飛んでいる精霊の姿が映る。

 森の色を宿した髪と瞳、小さな身体に小さな身体から伸びる羽、スラッとした肢体には、私が縫ってあげた服を纏っている。

 耳元に響いた声の正体は、私が契約を交わした精霊だった。


「もう! やめてよ!!」

『ワタシヲシンヨウシナイカラダヨー』


 怒る私を他所にそう言って、逆にプンスカと怒って見せたのは精霊だった。

 この子とは生まれたときからずっと一緒にいる精霊で、私が生まれたときに興味本意で覗き込み、それから訳もわからず契約を交わしたのだそう。


 別に彼女の事を信じていないわけではない。森とは違いすぎたここがただ、怖いだけなのだ。

 仲良くしていた精霊もいない、魔物は変だし、それに今はユガ君も「ハルウ君達も」いない。


 そんな事を考えていると、私の精霊はハァっと溜め息をついて、やれやれと首を振る。

 そしていつものように肩へと座ると、足をパタパタさせてニコニコ微笑んでいる。


 現在ハルウ君達とは離れて行動している。

 というのも、サテラが久しぶりに一人でダンジョンに行きたいなんて言い出して、心配だからついていったらこんなことになっちゃった。


 前回はハルウ君達とサテラが直ぐに魔物を倒してくれていたけれど、今は二人しかおらず、魔物が直ぐ目の前まで迫って来て、それをどうにかするので精一杯だ。


「だから、私だけでいいって言ったのに」

「だってサテラ、いつも無茶するんだもん」

「うーん」


 サテラはいつも一人で無理して、私達が周りにいるのに、どんどん背負い込んで行ってしまう。

 お兄さんと会った後なんかは、悲壮な顔を浮かべて脂汗を垂らしながら部屋に戻って来ていた。


 ユガ君は会ったばかりのサテラに元気だったり、勇気を与えた。

 でも、長い間付き合ってる私は、サテラから貰うばかりで何も恩返しができていない。

 ウルフに襲われた時も、オークに襲われた時も、ここに来る時だってサテラに色々教えてもらっちゃって・・・。


 でも、どうにかして恩返しをしようにも、人間の街に一人で外出なんて出来るわけないし、この通り魔物に襲われて助けようにも、逆に自分が助けられる結果になってしまう。


「どうしたらいいんだろう?」


 そんな事を考えていると、サテラが何かに気付いたようで立ち止まる。

 考え事をしていた私はそれに気づかずに、サテラの背中にぶつかってしまう。サテラはビックリした顔で、笑いながら私を引き起こしてくれた。

 笑うなんてひどい。


 私はそれにむくれていると、壁に小さな扉があることにきづいた。

 ダンジョンの中には不釣り合いな扉がぽつりとあった。普通の家に立て付けてある様な、ごく普通の木でできた扉。

 サテラはその扉をシゲシゲと観察した後、腕組みをして何かを考え始める。


「どうしたの?」

「ん?あぁ、えっとね。ダンジョンに稀にこういう扉が現れることがあるの。中には宝箱が有る事が多いわね」


 宝箱という言葉に反応して、目をキラキラと輝かせたが、続くサテラの言葉に一気に不安になる。


「けど、罠が仕掛けられていることも多くてね、欲に目が眩んだ冒険者がよく引っ掛かるのよ」


 目の前にある扉は何の変哲も無い扉だけれど、時にはドアノブを回すと頭上から槍が降ってきたり、急に火炎の渦が発生したり、床に穴が開いてそこに真っ逆さま・・・なんて事があるらしい。

 そういった罠は事前に調べておけばどうにかなるそうだけれど、開けてから発動されるトラップはどうしようもない。


 低階層には即死する様な罠はないそうだけれど、深手を負う罠もある。

 中でも一番危険なのが、モンスタートラップなのだそうだ。

 入った瞬間に扉は閉ざされ、周りを大量の魔物に囲まれるそう。これはダンジョンの中であるならば、どこでも発生するトラップだけど、密閉された部屋の中で大量の魔物に囲まれれば、適切な対処ができなければまず間違いなく死んでしまう・・・。

 低階層で唯一死んでしまうトラップがそれらしい。


「やめておこう・・・」

「そうね。さすがに私とミリエラだけじゃ心許ないわ。それに低階層に、良い物はないと思うしね」


 サテラはそう言って、ダンジョンの奥へと進もうとする。

 まだ満足しきれていないようで、腰に下げた剣の柄をさすりながら周囲を警戒している。


 すると、肩に乗っている精霊さんが、不意に目を開けて私の前をパタパタと飛び始めた。

 サテラも目の前の通路を睨みつけながら、剣を鞘から引き抜いて構えの体制に入っている。


 そうしていると、通路の奥からは武器を下げたゴブリン七体と杖を持ったゴブリン一体が現れる。

 粗悪な武器を持ったゴブリン達は、後ろに控えているゴブリンにチラチラと視線を送っている。


「稀少モンスターね。ダンジョンでは稀に普通は見かけない魔物が現れるの。勿論その階層の魔物よりも強いし、素人であればやられる可能性もあるわね・・・。多分だけどあれはゴブリンが魔法に特化した『ゴブリンメイジ』ね。配下の魔物達も引き連れているから間違いないわ」


 サテラは言い終えると、片手を突き出し何かを呟く。

 すると、サテラの掌には拳大の火の塊が出現する。それがサテラの手から離れたかと思うと、勢いよくゴブリンの一体に直撃する。


 直撃したゴブリンは火達磨となり、絶叫を上げて地面を転げ回り息絶える。

 それを見た他のゴブリンが二の足を踏むが、後ろに控えているゴブリンメイジが何かを叫ぶと、ゴブリン達はサテラへと一斉に襲い掛かる。


 初めにサテラへと到達したゴブリン三匹は、持っている武器を乱暴に振り回しサテラへと迫るが、そのどれもがサテラに掠りもしない。ゴブリンは武器を弾き落とされ首を跳ね飛ばされていき、三匹のゴブリンは早々と息絶えた。


 サテラは次に迫るゴブリンにも同じ様に剣を振り翳した。しかし、サテラは目を見開くと突然後ろへと飛び退いた。


 振り下ろせばゴブリンを倒せたのに、と考えているとサテラの立っていた場所に火柱が立ち昇る。

 サテラに迫っていたゴブリン達は、それをわかっていたようで横へとステップして避けている。



「かなり頭が回るようね。最初のは捨てゴマで、次にやってきたゴブリンに私が同じ行動を取るように差し向けたのね・・・私が魔法剣士じゃなかったら、魔方陣に気づかずに火達磨だったでしょうね」



 火柱が収まりサテラの立っていた場所の下には、ゴブリンメイジによって生成された魔方陣が浮かんでいる。

 配下のゴブリンを囮に、魔方陣に気付かせない様にしていた。


 ・・・ユガ君なら絶対にしない。


「肥沃なる大地よ、汝を汚す者に、怒りの槌を下せ! アーススピアー!!」


 サテラが魔法の詠唱を終えると、ゴブリンの足下の地面が隆起し一本の槍となり襲い掛かる。

 運悪く前と後ろで並んでいたゴブリンは二匹とも貫かれる。

 それに気をとられた、もう一匹のゴブリンはサテラの接近に気づかず切り伏せられた。


 サテラは剣に付着したゴブリンの血を、勢いよく剣を振るって飛ばし、ゴブリンメイジへと鋒を向ける。


 通路の奥で一匹孤立したゴブリンメイジは、何事かを呟くと足下に魔方陣が現れる。

 魔方陣から漏れでる光が薄暗い通路を不気味に映し出す。

 醜悪な顔に浮かんだ表情は焦っているようで、まさか配下の者がやられるとは思っていなかったのだろう。


 サテラは一気に駆け寄って、銀閃を煌めかせながら剣を振り抜いた。

 しかし、ゴブリンを断ち切る肉の音はせず、代わりに虚空を切り裂く空虚な音だけが、通路にこだまする。


「ミリエラ短距離転移よ! 注意して!」


 サテラはそう叫ぶと直ぐ様こちらへと走り戻ってくる。

 私に回りをパタパタと飛んでいる精霊さんは、そよそよと微風を辺りに散らばしている。


 短距離転移というモノが今一よくわかっていない私は、回りをキョロキョロと見回して、消えたゴブリンメイジを探す。

 精霊さんが出す風は、何かに当たって乱れると、直ぐに精霊さんが反応して教えてくれる。


 精霊さんは私の左横に飛んで、そこからじっと動こうとしない。

 私から見て、そこには何の変哲もない通路があるだけなのだけど、精霊さんはじっと目を凝らしている。


 すると、突如空間が歪み、そこからゴブリンの顔が現れる。

 普通のゴブリンじゃなく、手には杖を携えてローブの様なボロ布を纏った魔法使いの格好をしたゴブリン。


 ゴブリンメイジは人には聞き取れない言葉を呟いて、自らの杖の直上に魔方陣を出現させる。

 魔方陣からは火の玉が現れ、ゴブリンメイジと通路を赤々と映し出す。


 慌てて精霊さんに精霊力を送って、魔法の準備をしてもらう。

 なんとかゴブリンメイジが火の玉を放つ前に準備を整えると、ゴブリンメイジと私は同時に魔法を放つ・・・筈だったのだけど。


「あ、あれ?」


 暴風が通路を吹き荒れ、ゴブリンメイジへと襲い掛かる。

 幾本もの鋭利な風の刃が大地を抉り取り、硬い壁を切り刻む。

 そして、通路の奥にいたゴブリンメイジが放つ火の玉は風に掻き消され、バラバラに刻まれる・・・だった筈。


 だけど、目の前に広がったのは火が燃える赤々とした色でもなく、風が巻き起こす無色透明の色でもなく。

 視界いっぱいに広がったのは『白色』だった。


 何が起こったのかわからず、辺りにはすごい勢いの風の音だけが鳴り響いている。

 いつもなら、肉の潰れる嫌な音に目をギュッと閉じて、耳を抑えるけれど、呆然としてそのまま立ち尽くしてしまった。


 少し経つと、視界を覆っていた白は薄まっていき、辺りに色が戻ってくる。

 ハッとして回りを見渡すと、サテラも白・・・『光』に目を焼かれたのか、剣を地面に突き立ててバランスを取りながら、目を瞑っている。


「パットキエタヨー!ピカッテナッテパットキエタヨー!!」

「え? き、消えたの?」


 精霊さんはクルクルと回りながら、ジェスチャーを入れながら教えてくれる。

 そのジェスチャーから、杖を構えて『ファイアーボール』を唱えたゴブリンメイジが、私に向かって放とうとした瞬間に、地面(・・)から光が溢れだして、姿が消えたらしい。


 それも魔法なのかな、と考えていると、目を回復させたサテラが急いで駆け寄ってくる。


「大丈夫!?」

「えっと、何が起きたのか全然わかんないんだけど、私は大丈夫だよ」

「そう・・・良かった」


 サテラは心配そうにこちらの顔を覗き込み、胸を張っている精霊さんの頭を撫でてあげていた。


 サテラにも、精霊さんが状況を伝える。

 同じ様にジェスチャーを踏まえながら、教えているのだけれど・・・サテラは首を傾げてウンウン唸っている。


「ごめん・・・ミリエラ、精霊の言葉が断片過ぎてわからない」

「あ、えっとね」


 ユガ君もだったけど、私達エルフが精霊さんと話をしていると何を話しているのかわからないのだそう。

 私は考えたこともなかったけど、他の人から見てみれば、精霊の話す言葉は分かりにくいのだそう。

 サテラに何が起こったのかを説明すると、サテラは腕を組んで何かを考え始める。


 少しして、何か思い当たる節があったのか腕を解いて口を開けた。


「確証はないけれど、罠に引っ掛かったのかもね」

「え!? 魔物も罠に引っ掛かるの?」

「魔物は勘がいいから引っ掛かりにくいけれど、一応は人も魔物も罠には掛かるわね。それで『転移』の罠に掛かったんじゃないかしら?」


 そういえば、さっきも『短距離転移』なんて言っていたなと思い出す。


 先程ゴブリンメイジが使った『短距離転移』は、自分からそう遠く離れていないならば、行きたい場所に即座に行けるらしい。

 唯、発動して消えるまでは早いけれど、そこから出現するのに時間が掛かるらしく、本来なら出現地点を即座に発見して、叩くのが良いそう。


 そして『転移』は、かなり離れた場所へも一瞬で移動でき、出現も即座に出来るそうだ。

 だけど、魔法として扱うことはできず、設置型のモノでなければ使用出来ないらしい。


 人間の世界にも王公貴族などが使用する場合もあるらしいけれど、発動するコストが非常に高く、割りに合わない装置だそう・・・魔法使いが何十人も魔力切れで倒れるらしい。

 そういった転移の罠が、どういう仕組みかはわからないがダンジョンにはある。


 そして、ゴブリンメイジは運悪く?良く?、短距離転移した位置に、転移の罠が仕掛けられていたということだ。

 ダンジョンでは『転移の罠』が有る事は珍しいそうで、あまり確証はなかったらしいけれど、人間の世界にある転移装置からも強烈な光が漏れる事から、恐らく間違いないと言っている。


「えっと良かった・・・て思っていいのかな?」

「私達なら問題なかったと思うけど、予想外の事態が起きるかもしれないし、無い方がいいね」


 そう言ってお互いに苦笑を漏らした時だった。


 ・・・・・・アアア!!!


 微かな叫び声が通路に反響する。

 声の発生源は後ろ・・・つまり、私達が先程まで通っていた通路だった。

 もしもの時の為と、深々と被っていたローブを脱ぎ去り、人にはない長く尖った耳を露にする。


 エルフの聴力は人よりも良い。

 私達エルフは森の些細な周囲の変化を察知するため、「森の声」聴く為に、人より大きな耳なのだそう。

 それに私達の耳は、もっと違ったモノを感じ取ることも出来る。


 獣であれば何を感じているのかを漠然と感じ取る事ができる。幸福な何かが伝わってくればそこには果物などの食べ物が、何かが張り詰めた感じがするのなら良くないことが・・・。

 これを私達は「森の声」と呼んでいる。


 そして伝わってくるのは人間であってもそう。

 声を出せば、それにどういった感情が滲んでいるのかが何となくわかる。特に、感情の起伏が激しくなればそれが顕著に現れる。


 そして響いてきたのは・・・


「ただ驚いてるだけじゃない・・・何かを恐れているみたいな声。間違いなく、何かに襲われてるよ! 後、妙に声にこもってるから、通路じゃない場所にいるかも!!」

「このタイミングで、その言葉・・・あの場所にあれが行ったって考えるべきね」


 私はサテラが言い終わる前に、声のする方向に駆け出した。

サテラさんは何故ダンジョンに来たのでしょうね?

そして、ハルウ達がいない中、彼女達はどうなるのでしょうか?

次回乞うご期待です。


何か変なところ、見にくい、誤字だ!などがあればどしどし教えて頂けると嬉しいです。

(言い換えでこういうのがありますよなどが合ったら教えてください。例:取得→習得、思いやる→慮る、聞こえる→耳に届くなど)


感想や活動報告の方にコメント頂けると私の気力になりますので気軽にどうぞ!!


※活動報告がどうやったら見れるのかわからなかったと読者様から聞き及びました。

方法は一番上にある?「作者:砂漠谷」の名前を押していただくと、私は左上に出てきました。


わからないことがございましたら、どんな些細なことでも構いませんので質問送ってください!!

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