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開拓:進化の行方でした!

新章開始です!

次話投稿は一週間以内です!

 暗闇の向こう側へと続くその果てのない空間の中で彼らは何を思い浮かべるのか・・・時として残酷であり、時として慈愛に溢れ、時として力であり、時として弱さである。そんな彼らをただ人は「気紛れ」と言う。


 奇跡だけを起こす神などいない。しかして奇跡を起こさない神などもまたいない。

 というのも神というのは非情な存在である。人に喜ばれる、信仰される程度の事など全く気にもかけない。

 彼らは何をせずとも、人というものは何かに縋る事で心の安寧を手に入れる。その縋るもの「神」として想像し、勝手に「神」を讃えるのだから彼らは自らの力を割いてまで人にとって良き奇跡を起こそうなどとは思わない。


 それならば何故奇跡などを起こす必要があるのであろうか?

 そんなことはわかりきっている。神というものは俗に言う「聖人」なんてものじゃない。人という者の・・・生物の枠組みを少しばかり踏み越えた存在でしかない。つまりはこういう事である。


「愉悦」、「喜悦」、「満悦」


 人の喜ぶ姿に愉悦し、人の悲しむ姿に喜悦し、人の生死に満悦する。


 彼らは間違ってなどいない。力があるのだから。

 それを成し得るだけの力があるのだから。


 それを悪だと断じるのもまた間違いではない。価値観などは人それぞれというものであるからだ。


 神は嗤う。目の前に屈する者の姿を見て。

 神は讃える。目の前で泣き崩れる姿を見て。

 神は微笑む。この世界の行く末を手中に入れたことで。


 だが、神は唯の神である。

 万能などでは決してない。

 間違いを犯し、偶然起きたことに驚き、無意識下で何らかの行動をする。


 そして、また。神は間違いを犯し、偶然を起こす。

 それに気づかぬ神は未だに嗤い続ける。本来なら起こり得るはずがない偶然へと気づくことなく。






 “「進化の系譜」の発動を確認。進行経路へとポートを接続。器の創造を確認致しました。これより進化へと移行します”


 またここか。

 目を覚ますとここのことはあんまり覚えてないんだよな。

 えぇと・・・どうやってここまで来たんだっけか・・・まぁいいか。


 “進化の系譜に連なる幾多の存在を確認。移行を開始・・・成功。『亜種』、『新種』への進化を開始致します。系列チェック・・・『ウルフ』、『コボルド』、『ゴブリン』・・・『エルフ』・・・「人族」。これらを全て「進化の系譜」へと取り込みます。以後彼らの・・・ザザ・・・ある程度の管理維持は任意で行って下さい。”


 おぉう?なんだなんだ?

 前の時と明らかに違う内容な気がするんだが!?

 あぁ・・・ダメだ。何かを考えようとすると眠くなってくるんだ。

 ナビちゃんに任せよう。


 “これより進化先への確認と継承。調整へと移行致します。”


 “ウルフ・・・ハルウ、ナーヴィ、モミジ、ユキ:成功”

 “ゴブリン・・・ショウゲツ、フゲン、コトヒラ、シロタエ、ヨウキ:成功”

 “コボルド・・・コクヨウ、ソウカイ、キク、ルリ:成功”

 “エルフ・・・ミリティエ・ラースィ・パーミラ:待機”

 “人族・・・サテリフィト・ラウル・ミシェラ:待機”


 “進化の系譜により、システム名『亜種』を除外・・・成功。『新種』へと昇華、これより進化を始めます”


 “ウルフの同一進化を開始”


 ポイント:自動割り振り


 ウルフ(LV30)


 平均

 HP:92

 MP:21

 STR:90

 VIT:73

 AGL:180

 MGI:41

 LUC:?


 位階:D


 仕えし獣LV10:???


 ハルウってここまで強くなってたのか・・・俺に腹を向けていたあの頃とは違うんだ・・・いや、今だに向けてるよな。

 主人の俺としては嬉しいことなんだけど、なんだか複雑だな。俺より強くなったらどうしよう。見限られたりしないといいけど・・・。




 “進化”


 天狼|(新種)


 平均

 HP:230

 MP:181

 STR:213

 VIT:176

 AGL:280

 MGI:170

 LUC:?


 #$%&&!

 仕えし者

 進化之先

 統べし大獣

 ユガの加護


 “称号:「主人に仕えし可能性の獣」”




 ・・・うっそだろ? なんだあのステータス!! あれじゃ俺の立つ瀬がねーぞ!!

 殆ど200じゃねーか!?


 本格的に俺の立場がやばい、今回の存在発展であいつらを抜けなかったら俺って雑魚スライムに逆戻り・・・い、いやだ!

 配下に劣る主人なんて最悪だ・・・。


 ・・・・・・・・・まぁ、もう仕方ないか。過ぎたことは気にしない方針で行こう・・・。

 まさかここまで強くなるなんてな・・・進化っていうのは本当に凄いんだな。俺なんてほんのちょっとステータスが上がるだけで一喜一憂してるんだけどな。


 称号は「主人に仕えし可能性の獣」? なんだか凄そうだけど、ハルウの場合主人に甘えしペットな獣だな。

 あれだけ、俺に甘えて可愛いし、一生傍に置いて可愛がってあげてやりたい。


 “・・・ザザ・・・称号の変更を確認:『主人に愛されしおおいなる獣』”


 ファッ!?

 何が起こったんだ?

 俺が適当に独り言をつぶやいてたら勝手に称号が変わってしまったんだが・・・・・・まぁ、こっちの方がしっくりくるのは俺だけかな?


 “以後ハルウの可能性は『ユガ』に纏められます”


 “続いて、ゴブリン達の同一進化を開始”


 俺の時のように、一匹で進化しないのか・・・。

 そういえば俺が知ってるRPGでも魔物の群れには統一性があったりしたな。種類ごとに固められていたり、一匹だけリーダー格だったり。そういえば、ハルウがリーダーだったんだけどどうなるんだろうか?


 ゴブリン(LV15)


 平均

 HP:20

 MP:3

 STR:25

 VIT:24

 AGL:45

 MGI:8

 LUC:?


 位階:E


 これは・・・ホブゴブリン達じゃないのか?

 あの一杯いたゴブリンの群れも進化の対象に入るみたいだな。まぁ、あれだけオークと戦闘してたらLVもMAXになるか。




 “進化”


 鬼|(新種)


 平均

 HP:140

 MP:80

 STR:91

 VIT:81

 AGL:65

 MGI:61

 LUC:?


 位階:D


 鬼軍

 鬼の行く末

 ユガの恩寵




 ・・・もう驚かないと決めた。

 唯のゴブリンでさえここまで強くなってしまうとは、進化恐るべし。

 おれが苦労して手に入れたステータスをたった一回の進化で幾つか超えるとは・・・あ、久々に悲しくなってきた。


 目が覚めたらハルウのモフモフと、ディーレさんに癒されよう、そうしよう。


 “続いてホブゴブリンの同一進化を開始”


 ホブゴブリン(LV25)


 平均

 HP:73

 MP:35

 STR:63

 VIT:65

 AGL:81

 MGI:41

 LUC:?


 位階:D


 ゴブリンは平均的にどれも伸びやすいのかな? どのステータスも満遍なく伸びているみたいだ。

 確かゴブリンは結構いろいろな種類があったな。俺が知っている限りだと「ゴブリンファイター」「ゴブリンメイジ」「ゴブリンハンター」とかだな。

 群れでの戦闘を得意としてるから、役職分けしてるんだろう。ホブゴブリンはどれが一番適しているのかの確認期間みたいなものかな?




 “進化”


 大鬼|(新種)


 平均

 HP:300

 MP:120

 STR:260

 VIT:230

 AGL:130

 MGI:90

 LUC:?


 位階:C


 妖気

 妖術

 妖纏

 鬼の行く末

 ユガの加護


 “称号:「主人が従えし破壊の象徴」”




 すごい・・・。近接主体の魔物になったのか? 全体的にステータスは高めで持久力、戦闘力に関しては相当上位の方じゃないか?

 唯、魔法の適性は低いようで魔法での戦闘に持ち込まれると辛いものがありそうだな。


 それにしても『天狼』に『鬼』か。

 なんというか、日本の妖怪?になっていく配下達を見て、なんだか誇らしげになってしまう自分が居る。

 そして自分の粘液状の体を見て落胆する・・・クソゥ。


 ゴブリン達・・・鬼?には称号が発生しなかったけど、やっぱり上位種だと発生する・・・のかな?

 なになに、「主人が従えし破壊の象徴」か、なんだかすごいネーミングだけど、あいつらにそんなイメージないんだよな。

 どっちかっていうと、後輩みたいな感じで俺を慕ってくれる奴。人懐っこくて、いっつも屈託のない笑顔でニコニコしているイメージなんだがな。


 “・・・ザザ・・・称号の変更を確認:『主人を讃える破壊と友愛の鬼人』”


 やっぱり俺が何かイメージを思い浮かべると称号が何らかの変更を遂げるみたいだな。まぁ、イメージした称号の方がしっくりくるしこのままでいいか。



 “続いてコボルドの進化を開始”


 コボルド


 平均

 HP:27

 MP:5

 STR:28

 VIT:20

 AGL:48

 MGI:15

 LUC:?


 位階:E




 “進化”


 浪武犬|(新種)


 平均

 HP:110

 MP:91

 STR:90

 VIT:72

 AGL:85

 MGI:75

 LUC:?


 位階:D


 武を収めし者

 武芸者見習い

 犬の行く末

 ユガの恩恵




 “続いてコボルド特異種の進化を開始”


 武士っぽいとは思っていたけど、浪人スタートか。コボルド達にはピッタリの名前だな。考え方が固くて、忠義には絶対報いる。一度腹を割れば、そこからは仲間って部分が武士っぽかったから、進化してもやっぱりその道を進むのか。




 “進化”


 犬神|(新種)


 平均

 HP:190

 MP:120

 STR:250

 VIT:212

 AGL:220

 MGI:180

 LUC:?


 位階:C


 武芸の道を進むもの

 武の天才

 忠義の徒

 犬の行く末

 ユガの加護


 “称号:「主君に捧げし栄誉の誇り」、「武芸の加護」、「生体武器昇華」”




 ステータスを見ると、一見大鬼に劣るように感じるけど、獲得した称号を見る限りだと同じくらいの強さだと思う。

 それにしても配下が無茶苦茶強くなっているんだが・・・俺やばいんじゃねぇか?


 ただでさえ最弱スライムだっていうのに、この様子だと配下を上回れるとは思えない。

「天狼」「大鬼」「犬神」・・・まずいぞ、これで「キングスライム」とかはマジでやめてくれよ。

 サイズだけが変わった俺を見て、全員が俺を白い目で見るなんてことになったら・・・俺はまたボッチ徘徊者になってしまう。

 ・・・いや、俺にはディーレさんがいる!! ディーレさんさえ呆れてしまったら・・・生きていける自信ないや。


 “「エルフ」「人族」の&%#$(&”’”)=・・・失敗。開放条件を満たしていないため強制的に待機へと移行されています。”


 ・・・えっと、エルフっていうのはミリエラってっ娘の事かな? んでもって、人族が横に居た女騎士のサテラって娘になるのか。


 あの娘達も進化の視野に入れてたのか!?

 ナビちゃんなんて恐ろしい子。


 ・・・不思議な空間だな。自分の体があるようでないような感じ。

 地面なんてものはないような気もするし、あるような気もする。


 前もここで進化・・・ってそうだ!!

「進化」だ!!


 思い出したぞ。

 ここに来る前、エルフの人と話してて俺が大精霊と間違われて、その瞬間ナビちゃんから聞こえてきたんだ。

 存在発展に失敗して、進化に成功したって。


 そうだよ。なんで今までそれを忘れてたんだよ!!

 あぁ、ようやっと進化できる。


 スライムとして生まれついてここまで辿り付くまで色々あったな。死にかけたり、死にかけたり、死にかけたり・・・。

 前世では味わえない異世界の感覚をこれでもかと身を持って味わったよ。


 魔物なんてものと出会って、エルフと出会って、ハルウやゴブリン、コボルド達と出会った。

 他の魔物とあったら問答無用の命懸けの勝負。耐え難かった異世界ライフ、絶望したスラ生にやっと解放されるのだ・・・。


 ナビちゃんよ・・・俺は何になるんだい!!

 さぁ、聞かしておくれ。俺の進化の名前を!!




 “・・・・・・・・・不可分の領域。可能性。本来起こりえない生来への末路にあなたは何を見る。それをあなたは、どう捉えるのでしょうか”


 ・・・は?


 “もう私にも止められない。あなたを管理しきれない。彼に会って。そして、世界を見て。貴方の可能性を深淵を超えたその向こうで見守ります。敗北者に敗北を、勝者に勝利を。進化の先を貴方に。あなたのイメージをシステムから除外。思考をシステムから除外。身体をシステムから除外。貴方の信じるモノをシステムから除外。あなたの全てをシステムから除外。”


 “進化の系譜の昇華を確認。■化の系譜を贈与。後の選択を処理。”


 “それでは、進化に移行します。意識の暗転に注意してください”


 え、ちょっと、え?


 “開始”






 カツン・・・カツン・・・


 足音だけが虚しく虚空に木霊する。

 闇の中を彼は進みゆく。


「失敗・・・これもまたアイツ等の仕業か」


 誰もいない間に、独り言が反響する。コレの声には悲しみも怒りも楽しみも喜びもない。いや、ないのではない失ったと言ったほうがいいのか。

 コレは永遠を歩み続け、永遠を噛み締めることもできず、永遠を揺蕩うだけの胡乱な存在。しかして彼の存在は一種の極地であり、その存在を否定することなどできない。


「・・・また探すか」


 何かに突き動かされるように、唯同じ作業をまたこなすように。今しがた自らが犯した失敗さえ何事もなかったように。

 しかして後悔と、懺悔と、許しを乞うその目を隠し通せずにいる自分に、コレは感じるはずもない感情を呼び起こすような錯覚にとらわれる。


「もう一回、もう一回。ボクは無力なんだろうさ。だけど、それでもまだやってやるさ」


 コレの目的は唯一つ。唯一つの心に残った信念だけ。

 与えられたもの? 残されたもの? 奪われたもの。

 そんなことどうだっていいのかもしれない。コレの目的は決まっているのだから。


「うーん、やっぱりまずは目障りなものから潰すしかないのかな」


 感情を感じさせないその表情からは裏腹に、体から流れ出る全ては何者をも凌駕し得る力の奔流となる。

 コレは何? コレは神? コレは人? コレは魔物? これは魔族?


 そんなことは些細なこと。

 ただ彼が次に上げた目的の為の方法。


「邪魔だな、人間は」


 彼の目は開かれた。






 ・・・・・・・・・。

 う、ん。


 すっと目を開くと、見慣れない光景が目に入る。


「知らない天井だ・・・何やってんだ俺?」


 えっと、状況確認。何があったんだっけ。

 オークと交戦してたよな? で、オークキングをディーレさんと倒したはずで、配下の皆が俺に群がってきたんだ。んで、エルフと何か話して。急に意識が暗転したんだよな。


 長い夢を見ていたような気がするんだけど・・・忘れちゃいけないことがあったような・・・。

 まだ頭がボーッとする。


 頭を抱えて、ブンブンと振ってみる。


 周りを見渡してみれば、テントの中に居るようだ。

 かなりの時間眠っていたのか少し開いた入口から見える空は暗い。

 どうやら俺は寝かされていたようで、下には粗末な毛布が敷かれている。粗末であっても、それがなければ、硬くて冷たい地面の上で体を痛くしていたはずなので感謝する。


 ・・・ディーレさん?


『・・・ん・・・』


 ディーレさんも眠ってらっしゃる。

 試しに掌の上にディーレさんを顕現させてみる。

 自分の手の上にミニサイズの可愛いディーレさんが姿を現す。その姿に心を洗われていると、まぁ流石に目覚めちゃうわけでした。


「・・・ん? あら起きたの?」

「遂さっき起きてね。ディーレさんに癒されてました」

「変な人ね。でもそう言ってもらえると嬉しいわね」


 ・・・ディーレの頭をナデナデしながら和んでいると、ディーレは怪訝な顔をしてこちらを伺ってくる。


 何かしたのかと、考えてみるけれど別段思いつくことはない。

 それでもジッと見つめてくるディーレに顔を傾けていると。


「この中をグルッと一周してみて」

「ん? いいけど」


 立ち上がって、テントの中をグルッと一周して毛布が敷いてあった場所へと戻ってくる。

 いきなり何を言い出すのかと思えば、俺の体を気遣ってくれたのか。やっぱりディーレさんは最高ですな。


「・・・で、感想は?」

「へっ? 何が?」

「・・・あなた、歩いたのわかってる?」

「? うん。わかってるけど?」

「なんで歩けるの?」

「なんでってそりゃ・・・あ・・・」


 俺はとんでもないことに気づいてしまった。

 そうだ、なんでこんなことに気づかなかったのか。


 俺としてはいつもどおり、立って歩いていたわけで別段何にも感じてなかった。

 だけど、今の俺の現状を考えても見ろ・・・スライムが何故立てるんだ?


 スライムが何故、体を起こす必要があるんだ? スライムが何故頭を抱える必要があるんだ?


 今考えてみれば起きた時の目線も高かったし、体を触った感触があるし、髪の毛の感触もある。

 極めつけはの上に、ディーレを乗っけているじゃないか!!

 スライムに手なんてあるわけないのに。

 しかも、シャツを着てズボンを履いている。


 前世の自分と、今世の自分との差異に全く違和感を感じてなかった。


 足がある、腕がある、頭がある。

 つまり俺は・・・


「人間・・・になってるのか?」


 スライムとして今世に生まれてはや数十日。お父さん、お母さんやっと俺は人間になることができました。

 見てください俺の手を、見てください俺の足を・・・。


「・・・人間ではないわね」

「・・・え?」

「そんな泣きそうな顔しないでよ。顔や体つきは人間と言っても差し支えないわね。でもね・・・『水鏡』」


 人間ではないといわれ、泣きそうな顔を浮かべた俺に必死に取り繕うディーレ・・・可愛い。

 そして、スキル水鏡を発動させて俺の方にそれを向ける。


 そこに映っていたのは・・・


 顔はそこそこで、身長は低めの160cmくらい? 髪の色は紺色で瞳が何故か縦に割れている。口を開けてみると、両脇からちょこっと尖った歯が伺える。

 極めつけは・・・


「し、尻尾!?」


 モフモフとした尻尾がズボンの後ろから出ている、そして意識を向けると俺についている事がわかった。

 試しに動かそうとしてみると、自分の思い通りに動いた。右へゆらゆら、左へゆらゆら、上下にゆらゆらと動かせる。


「一体どうなってんだ?」

「私も今まで眠っていて分からないわ」


 ディーレもあまり状況を把握しきれていないようで、小首をかしげている。可愛い。


 そういえば、夢の中で進化したような気が・・・これが忘れているようなことだったのか!?

 人間じゃないけど、人間っぽいし・・・どうなんだろう、またもスライムじゃなかったことに素直に喜べばいいのか、喜んじゃいけないのか。


「多分だけど、正式に『魔族』になったんじゃないかしら?」

「えっと・・・知性や理性を備えた魔物だっけ?」


 ディーレさんの推察によると、どうやら俺は魔族になってしまったのではないかとの事。魔族には人型の者が多く、それでいてどこかに魔物の要素があるという。爪が異常に長かったり、翼が付いているものもいるそうだ。

 今の俺には尻尾もついているし、牙も生えている・・・まさか。


 俺は何故か着せられていたシャツを脱いで自分の背中を水鏡で見てみる。

 すると・・・。


「あった・・・」


 そこにはピコピコと動く小さな羽があった。

 な、なんだこの統一性のない魔物は・・・俺の知っている限りだとこんなチグハグな魔物知らないぞ!?

 いや、「キメラ」っていうのかこれ?


 そうして、目を白黒させていると、唐突にテントの入口が開かれる。


「マスター!!」

「主君!!」

「主人!!」

「「「「「「「主!」」」」」」」


 見慣れない奴らがそう俺に向かって叫んだ。


新章開始です!

波乱の展開に、謎の数々・・・はてさて行った主人公はどうなっていくんでしょうか?

次話も乞うご期待です!!


何か変なところ、見にくい、誤字だ!などがあればどしどし教えて頂けると嬉しいです。

(言い換えでこういうのがありますよなどが合ったら教えてください。例:取得→習得、思いやる→慮る、聞こえる→耳に届くなど)


感想や活動報告の方にコメント頂けると私の気力になり、筆が踊りますので気軽にどうぞ!!


※活動報告がどうやったら見れるのかわからなかったと読者様から聞き及びました。

 方法は「異世界転生モンスター無双ライフ!」の目次の下の方に「作者マイページ」というものがあり ます。そこを押していただいて、私は左上に出てきました。気づくことができず申し訳ございませんで した。


わからないことがございましたら、どんな些細なことでも構いませんので質問送ってください!!

皆様が快適に読んで下さるよう誠心誠意努力します!

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