初めての共同作業(意味深)-13
小雪さんの右足と私の左足が、普通の襷のようなもので結ばれて密着する。
うん。二人三脚とはこうあるべきですよ。あの帯は間違ってた。
この学校の体育祭の二人三脚にはカーブが存在せず、70メートルほどの直線で順位を決する。一緒に走るのは10ペアほど。
つまり、一度加速してしまえばこちらのものということだ。
私のパートナーは言わずもがな、日本一暑苦しいであろう女子高生新海小雪。
彼女と組んだからには1位を逃してはならない。そして、レースを一緒に走る人間は十分に警戒をしてくるだろう。
片足が繋がっている状態ももう慣れたものだ。隣で楽しそうに笑っている小雪さんを見て、私気合いを入れた。
「…大丈夫。あんなに練習したんですから…。私達ならやれます…。」
あの地獄のような特訓を繰り返してきたのだから、と自分自信に言い聞かせる。
その言葉を小雪さんも聞いていたようで、こんな言葉をかけてきた。
「大丈夫!!!いざとなったら、『本気』出すから!!レッツパァァァリィィィ!!!だよ!!」
「え」
小雪さんの言葉の意図を掴みきれず、間の抜けた疑問の声が口をついて出てきた。
え、ちょ、今なんて…。
「位置について…」
動揺している私の耳はスタート直前の合図の言葉を捉えていた。
えぇい、もうこの際仕方ない。小雪さんと息を合わせることだけに集中する。
小雪さんは既に集中モード。いきなり爆走とかはやめてくださいね。
「よーい…」
私もなりふりかまってはいられない。彼女の足を引っ張るのだけはごめんだ。
「スタート!!」
パァン、とスタートの合図が響き渡る。
その時に私は確信した。
この勝負、もらった…と。




