TS娘、渚くん不足になる
希沙を怒らせてしまいました。しょんぼり。
でもさあ、仕方ないじゃん!原作にないんだもん、ああいうの。
いや、なんとなくわからなくはないけど。私が踏み込む問題ではないよなあ。
っていうか、希沙の問題って結構重たいからちゃんと解決するのも私の死後のはずなのに。
まあそれはいい。希沙と気まずくてチーム内が微妙な空気になってるせいで、渚くん要素が不足している。
こんな空気だからこそ、渚くんに癒されたいのに。
なので、渚くんをストーキングします!
帰り道を一緒に帰ってるみたいでいいね!
いや、冷静に考えたら希沙の件をなんとかした方がいいんだけど、私がやると逆効果かもしれないしさあ。
真面目にあれどうしたらいいんだろうね。
「あれ、明上さん?」
「あっ」
うんうんと唸りながら歩いていると、尾行対象の渚くんに見つかってしまった。ぐぬぬ。
まあいいか。
「わー、渚くんだー」
「えぇ……すごい棒読み。後をつけてきたの?」
まずい、バレている。私は演技派ではなかったらしい。
もういいや、抱きついちゃお。
「わぅっ!?」
ああ、いつもの渚くんの変な声だ。渚くんの胸元に顔を埋める。
息をすると、渚くんで胸が埋まっていくみたいだ。すんすん。
はあ、癒される。なんか渚くんもドキドキしてそうだからさらにね。
「あ、あの……その道端だから離れてくれない?」
「ダメ」
「えぇ……」
困惑する渚くんもかわいいな。
顔を上げて、背伸びして渚くんの顔に近づく。
「ねえ、ドキドキしてる?」
顔を通りすぎて、耳元で囁いてみると面白いぐらいにびくっと跳ね上がるのがわかる。
せっかくだから、背中に手を回して抱き締めてみせた。
「ごちそうさまでした」
満足したので、渚くんを解放すると恥ずかしげに顔を背けた。かわいいね。
「……あの、明上さん。あんまりこういうことはよくないよ」
「こういうこと?」
はて、なんのことだろう。いいことしかないのに。
「その、引っ付いたりとか……」
「なんでダメなの?いいじゃん、渚くんともっとふれあいたいなあ」
「君は人をからかうにしてもやりすぎ。僕がその気になったりしたら困るでしょ」
その真剣な様子を見ると、逆に私の悪戯心が鎌首を持ち上げてくる。
渚くんの手に、そっと手を這わせて握る。
「――じゃあ、その気になってみてよ」
「ちょ、ちょっと、話聞いてる!?」
「あはは、ごめん。いい反応するからつい」
さすがにやりすぎだし、この辺にしておこう。渚くんの過剰摂取は体にも悪いからね!
みだりに興奮しすぎてはいけないのだ。
そっと、握ってる手を離した。手に残る体温がちょっと名残惜しい。
「……明上さんが引っ付いてくるの、よく見られてるからさ、できれば本当にやめてもらえるとありがたいんだけど」
「うーん、渚くんの反応が薄かったら考えてもいいかな」
「うっ、それは……」
何の気なしに言ったのに、渚くんの詰まり具合を見て思わず口角が上がる。
「へえ、無反応は難しいんだ?なんでかなあ?」
「それは、その……」
「そのー?」
「………………普通は可愛い女の子にこういうことされたら、無反応にできないと思うんですが」
「へえ、そうなんだー?可愛いかあ、くふふ」
ダメだ、楽しい。うーん、楽しんでしまうからよくないな。
にしても、可愛い女の子ですか。そういうこと言えるなんてやるねえ、渚くん。
というか、今気付いたんだけど帰る方向同じなんだ。前に通学路で見かけたのもそういうことか。ラッキー!
と、テンション高いのはここまで。ちょっとだけ真面目な話もしちゃうか。
「ごめんね、渚くん」
「えっ……と、何が?」
まずい、テンションの落差が激しすぎてとても困惑されてる。
「その、希沙のことさ。刺激しちゃったみたいだから。チームメンバー仲良く~とかやってたわりに、こんなことしちゃったなあって」
「……どういうことがあったのかは聞いてもいい?」
「何があった、だけなら聞いてもわかんないと思うよ。それに、私から話すのもなんか違うと思うから」
「そう、なんだ」
渚くんが顔を俯かせた。話してくれないのは信頼されてないからとか考えておるね、お主。うぐぐ、そういう顔させるのはなんか心が痛い。
「だからさ、渚くんがなんとかしてくれない?」
「え?」
「希沙のこと、私は踏み込めないから。君がなんとかしてよ」
しゃーないから、元気付けてやりますか。渚くんが顔上げて、目を見開いてる。
渚くんにはちゃんと主人公らしいことをしてほしいしね。一般ランヘリファンとしては、そういう渚くんも好きだからさ。
「……わかった」
「で、そろそろ私の家なんだけど寄ってく?」
「真剣な話だったのに!?」
いやなんかさ、真剣な空気ちょっと苦手でさ。真面目な渚くんの表情を見てるとつい、いじりたくなってしまうのでした。
「いやー、そろそろ着くからどうせなら連れ込むのもありかと」
「なしだよ!僕言ったよね!?そういうのよくないって!」
「渚くん、家に招いてるだけなのに過剰反応しすぎだよ。ちなみに私は一人暮らしだよ」
「じゃあ、過剰反応じゃないよね!?」
ちなみに、実際にお家にきてもらうのもやってみたいんだよね。
その、友達を家に招くとか転生してからやってないし。そういう遊びとかやったことないし。
中学は孤高みたいになっていたから、そういう経験もなく……。だから、放課後家でばか騒ぎとかもしたくなってしまうってこと。
女の子だとそうはならないし、男の知り合いが今は渚くんぐらいしかいないんだもんね。
まあ?当然?渚くんを招いたら、たまーに抱きついたりとかはしたいけど?
……実現しないことを考えてても仕方ないんだけどね。うーむ、私が活動する日にちも実はあんまり多くないしね!
「やっぱり今無理矢理連れ込むしかないか」
「なんで!?」
空しくなったので最後にちょっとだけ渚くんをびっくりさせて満足する。
希沙のことは任せたけど、ちゃんと解決できるか心配だなあ。
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これは一度に接続できるコネクトリンクの最大値を表しています。




