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始まり
あたたかな日差しが降り注ぐ、よく晴れた日の朝。
とある王国の公爵邸。
ひとりの令嬢が自分の腕を凝視しながら、
声にならない叫びをあげていた。
「……………なにこれ。」
昨晩ベッドで眠りにつくまで、
こんなアザ、腕になかったはずだ。
ケガをした記憶も、病気になった覚えもない。
それに腕に浮かび上がったアザはまるで…………
「………鎖みたい。」
そう自分でつぶやいて、気味が悪くなる。
なにこれ?
呪いかなにか?
わたし、誰かに呪いかけられてんの?
メイドが朝の支度を手伝う為に部屋をノックするまで、
彼女は自分の腕を見つめ続けたのだった。




