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魅了の帝

紫電「ただいまー!! ふぅー、ついたついた!!」


タオナン「遅かったじゃない。待ちくたびれたわ」


紫電「えぇ!? た、タオ!? 帰省したんじゃ……っていうかなんで俺んち知ってるんだ!?」


タオナン「当たり前じゃない! ウチの情報網をもってすれば、メール履歴はもちろん、ネットの書き込み一つからでも住所の開示くらい一晩でやってくれるわ」


紫電「おおぉい!! 犯罪じゃねーのそれ!?」


タオナン「嘘よ。いくらなんでも開示とかまでするわけないでしょ。市内の郵便局員をちょっとゆすったのよ」


紫電「あ、そうなのか。よかった……。まぁ、タオに知られる分には別にいいんだけどな……って、え……?」


タオナン「細かいことは気にしない気にしない。ところで、ひとこがさっきからお餅みたいに湯気だしてぼーっとしてるけどどうしたの?」


紫電「あぁ、さっき一緒に買い物してたんだけど、俺がたい焼き買ってる間に七帝の一人に会ったみたいでさ。俺も見たかったな……」


タオナン「はぁ!? 七帝がなんだってそんなプライベートで普通に歩いてるのよ、あり得ないわ!!」


紫電「俺もそう思ったんだけどなぁ……。でも俺らと違ってひーちゃんは真面目にアイドル目指してたんだぜ? 見間違えたり、突然お餅化なんてするかな?」


タオナン「確かにね……。ま、とりあえず信じるわ。それで、序列は何位だったの? 町中を一人で普通に歩けるだなんて、少しでも知名度低いほうじゃないと説明つかないわよ」


紫電「それがな、……二位なんだってさ」


タオナン「うそ!! 二位って、烈火より上じゃない!! やっぱり信じられないわ!!」


紫電「うーん、やっぱそうだよな……。ひーちゃんが会ったのは本物じゃ無かったのかな……? ま、まさか知らないヤツに騙されてたりなんてしたら俺、黙ってないぜ!?」


タオナン「アタシもよ! このまんまじゃ謎が多すぎて集中力が分散しちゃうわね。あぁモヤモヤする! もういっそテイチョスにサクッと七帝の住所割ってもらって直接聞きに行こうかしら」


テイチョス「タオナン、残念だがそれはできない」


タオナン「ちょ、テイチョス!! なんであんたがここにいるのよ!?」


紫電「あ、タオと会ったときのアルファの兄ちゃんだ! 久しぶり!」


テイチョス「あぁ、久しぶり。紫電とひとこ、だったね。タオナンと仲良くしてくれているようで感謝する。迷惑もかけているだろうが、君たちのお陰で努力の目的を見つけたらしい。真面目に頑張っているようだよ、柄にもなくね」


タオナン「ちょ、ちょっとテイチョス!! 突然変なこと言わないでよ!!」


紫電「いえ、そんな……俺たちもタオにはいっぱい勇気づけられてんだ……(は、恥ずかしいけど、凄く嬉しいぜ……。俺、ちゃんとタオの力になれてるかな……)」


タオナン「聞きなさいよ!! 大体なんでここがわかったわけ!? あんたに行き先は伝えてない筈なんだけど!! ま、まさかあんたまで紫電の住所ハックしたんじゃないでしょうね!?」


紫電「住所ハック!? あんたまで!?」


テイチョス「すまないタオナン。君がつけているキャスケット帽と靴には君のお父様がGPSを計三十個取り付けているのを失念していて、現在回収命令が出ている。その信号が君からワタシに直接送られてくるのでね。今は半導体が世界的に不足している為再利用しなくてはならない」


タオナン「う、嘘!? 家を出る前に全部壊した筈じゃ……」


テイチョス「あぁ、それと別で三十個だ。君が破壊することは想定済みだったので、お父様はダミーをつけていた」


タオナン「な、な……そんなのプライバシーの侵害よ!! 酷いわ!!」


紫電「(タオ……俺のプライバシーは……)」


テイチョス「さて、つまりは同じような理由で七帝の序列二位である『柚木(ゆずき)こはね』の情報の開示はできない。だが、ワタシのデータから一般的に秘匿とされていない情報と、彼女が二位に上った要因の推測結果を伝えることは可能だ」


タオナン「ふん、流石テイチョスね、話が早いわ! それなら今すぐ教えなさい!! 時間がないの!!」


テイチョス「ふむ、了解した」


紫電「(今日のタオ、どこか焦りを感じる。何かあったのか……?)」


タオナン「ほらひとこ、とりあえずあんたもふわふわもちもちしてないで、そろそろシャキッとしなさい!!」


ひとこ「ふぁ……! あ、あれ!? タオちゃん!? どうしてここに……って、あれ? ここどこ……? あ、あなたはタオちゃんのアルファさん……! お久しぶりです!!」


紫電「お、俺んちだよひーちゃん!! 気を確かに!! どうしたの一体!? たいやき食べたのは覚えてるか!?」


ひとこ「え、えっと……お、覚えてるよ~もちろん! 美味しかったよね、あんこが特に……!」


紫電「(カスタードなんだよな……)」


セレア「紫電、まさにそのひとこの状態こそがまさに『柚木こはね』のナンバー2の理由なのじゃ!」


紫電「おわっ!! セレア!! いつの間に!?」


タオナン「セレア!? あんたまで来たの!?」


セレア「のじゃ!! サボってないかと思ってのう。中々面白いことになってるようじゃし、わらわも暇潰しに聞くのじゃ!!」


紫電「(俺んち……晒されてるのかな……怖くなってきたぜ……)」

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