じゅうさん
んんん?
いつも相手に無遠慮で話をやめるなんて選択肢を持ち得ないあの吉井から
"ごめんね"
!?
ちょっと、…え?
「え、え〜吉井くん〜?どうしたの?何があったの?」
「何って?」
…だめだこりゃ。
「だって、いつもずっと話し続けてやめないし、誰かを遮ってまで話したがる君が、全然何も喋らないからびっくりしちゃって」
「…そう?…俺っていつもそんな風に見られてたの?」
自覚無しですか、そうですか。
救いようもないバカなのか。
「え!?みんなが聞いてくれるから俺喋ってたんだけど、ほんとは聞きたくなかった!?」
「いやその、聞きたくなかったっていうか、その…しつこかった?」
「それってやっぱり聞きたくなかったってことだよね!?」
もう!ぎゃんぎゃんうるさいって!
…ってか、こっちがいつもの吉井か。
なんか調子狂うなぁ。コロコロ人が変わるみたいに態度が変わって忙しいやつだな。
* * * * *
「じゃあ、また明日な!あ、俺の話、今度はちゃんと聞いてくれよなー!」
たわいもない話をしながら二人で歩いていると、気がついたらわたしは家の前に着いていた。
ふと不思議に思ったのが、吉井が家まで送ってくれたことだ。
あいつの家をわたしは知らないが、なぜあいつが私の家を知っているんだ?
……まさか、ストーカー………
いやいやいや!!絶対ない!!
あんな、ザ・バカ☆みたいなやつがわたしの知らない内にわたしのストーカーをしていたなんて!!
…………
まぁ、別にいいや。
雨も降り出してきたことだし、家の中に入ろう。




