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ズリズリズリ


ぼんやりと意識が戻ってくる


ズリズリズリ


何か・・・尻が・・・熱い・・。


ズリズリズリ


・・・っ!つうか痛ぇ!


ズリズリズリ


俺は慌てて状況を確認する

仰向けで襟を掴まれ引き摺られている

身体を捻り、うつ伏せの状態に、更に両足で踏ん張り

俺を引き摺る腕をナイフの先端で軽く突く

鋭い痛みに手が離され、自由になった俺は距離を取る


「なんのつもりだ?」


女教官が俺を睨む


「それは俺の台詞だ!」


言いながら俺は尻を相手に見せる

服が摩擦で破れ尻は腫れあがり土と血で見るも無残だ。


「汚い尻を見せるな」


女教官は顔を顰める


「汚くしたのはお前だ!」


俺はいきり立つと、それを女教官は鼻で笑う


「不埒な男に十分な対応だろう?むしろ連れて来てやった事を感謝して欲しいな」


かっちーん!キレたぜ・・・。


「・・・許さねえ!」

「ふん・・どうする気だ?」


女教官は警戒し身構える


俺はナイフを収め右手を前に突きだす


「フレアボム!」


もちろん魔法は発動しない


「!」


唖然とする女教官


「・・フレアボム!」

「・・・」


「あれ?フレアボムぅー!」

「・・・殺す!」


顔が俺の尻より赤くなった女教官が俺に殴りかかる

それをひょいひょい避けて追撃


「無謀な攻撃は仲間を危険に追いやる事を忘れるな」

「!・・!・・!」


言葉にならない悲鳴を上げ俺に飛びかかる

大きく右に避け、止めにお尻ペンペンしようとしたが

俺の方がダメージを受けそうな状態なのでそれは止めておいた。


女教官は大きく肩を落とし力を抜いた。


「もういい」


まだ赤い顔をこちらに向け姿勢を正す。


「助けてくれて、ありがとう」


深くお辞儀をする。


「へ?」


素直な言葉に頭が付いて来ない俺


「私の名前はフレア、失態を見せた魔法と同じ名だ」


むしろ良い教訓になるだろうとフレアは微笑み言葉を続ける


「君は新入生だね?名前は・・・」

「ケイジです」


言葉を改める俺

自己紹介をし、把握している状況を説明した。


「そうだったのか・・酷く不埒な視線に感じたのだがな」

「不純な動機じゃありません!」


ちらっ・・・胸元の谷間が目に入る


「冒険者カードの確認に」


ちらっ


「必要だったのです!」


ちらっ


「・・謝る必要はないみたいね」


呆れた顔をしながら砕けた口調で話し始めるフレア


「?」


何故謝る必要が無いのだろう?(最低)


「話し方が変わりましたね」


砕けた口調に疑問を呈する


「女性の教官は舐められやすいからね、強気でいかないと」

「?」


尚更話し方を変えては拙いのではないのか?

不思議そうな顔に気付いたのかフレアは疑問に答える


「お互い見られたくない所を見られたんだ、隠す事もないでしょ?」


俺が自分の力量を隠したがってるのがばれたか、、

話の流れから考えると問題は、、、ないな、黙ってくれるだろう


「教官には敵いませんね」


手を差し出す


「フレアで良いわ、ケイジも普通に話して欲しい」


但し皆の前では教官に対しての態度を取るように

悪戯めいた笑顔で唇に指を当てる。

くっ、、少しときめいてしまった。


「さあ、まずは迷宮から出ましょうか」





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