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2人の他には誰もいないホール。
まるでそこだけ時が止まった様にまるで変化がない。
静かに進む時の中、部屋の空気が少しずつ変わっていく
動物の死体と硫黄を混ぜたような吐き気を催す匂いが部屋を満たす
俺は瞬間目を覚ます、長いサバイバル生活で毒草等も食べてきた俺は
毒に対する耐性が高い。
加えて部屋に満ちる悪臭が俺の生存本能を大きく刺激し
急激な覚醒を促した。
入口から顔を出したのは2メートルを超す巨人、
童顔に長い手、腹がぷっくり膨れている
右手には巨大な鉈が握られている
鉈に染み付いた血が歴戦を語る
トロルだな、外見から判断する
庇いながら戦うのは無理、魔力は無い
見捨てて逃げる選択肢は存在しない。
「倒すしかないな」
状況を素早く確認し、ナイフを左手、剣を右手に走り出す。
その長い手から繰り出される一撃は必殺
魔力の無い俺に出来るのは回避のみ
懐に入るのは容易そうだが、奴の空いた左手がやばい
掴まれたらそこで終了の予感は間違いないだろう。
こちらの攻撃がどの程度通じるか把握する必要がある
振り回される鉈を紙一重で避けながら
トロルの腕を切りつける、人肌と大差はないか
様子を窺うが疲弊している様子は微塵もない
長期戦はこちらが不利になるな
俺はトロルの真正面で足を縺れさせ隙を見せる
トロルはその隙を逃さず俺の頭に鉈を振り下ろす
それこそ俺が望んだ状況と気付かず。
予測出来る行動なら一手先が取れる
鉈を避けると同時に跳び上がり鉈の上に乗る
左手のナイフをトロルの喉に向かい投げ付ける
狙い違わず突き刺さるナイフに瞬間トロルが硬直する
右手の剣を両手で持ち直しながら腕を駆け上がると
首を目掛けて剣を一閃させた。
予想以上に抵抗が無く、バランスを崩した俺は
慌てて距離を取る、油断は出来ない。
トロルが消えたのを確認し、力を抜いた。
後に残った30ゴールドを回収し
女教官の様子を窺う、起きる様子は無いな
一度迷宮から出る必要があるが、、、なにかが可笑しい
ランク1にしては敵が強い気がする。
俺が来た筈の入口は何も無く、行き止まり
別の出口を探す必要がある。
「試練っつうより死ねって感じの迷宮だな」
試練の洞窟は冒険者のカードに書き込まれた
情報を自動で読み取り、その内容に応じた階層に移動される
出る方法は3つ、
入口のワープゲート
出口のワープゲート
依頼を達成すると出現するワープゲート・・・まずここが可笑しい
俺の依頼ゴブリン5匹だし!
21匹倒したんだけど!
ワープゲートのワの字も見当たらないんだけど!
腹を立てても問題は解決しない
状況を整理する
明らかにランク違いの魔物の数、種類
依頼達成してもゲートが出現しない
場違いな女教官
・・・この階層は恐らく女教官の依頼だと推測出来るな。
彼女の冒険者カードを確認する必要がある。
どうやら胸元に仕舞っているみたいだ
・・・緊急事態だしょうがないよね?
ドキドキしながら胸の中に手を伸ばす・・・
「「・・・」」
いきなり目が合った
彼女の目線が下がる・・・状況確認
死を運ぶ拳に俺の生存本能は反応しなかった
俺は再び意識を失った




