居候
ブレアは記憶の無い俺を暫く家に置いてあげると言い出会った場所から東に向かい、丘の前で足を止めた。
「これが」
ブレアはクルッと回る
「私の」
俺の目前に立ち止まり顔を上げる
「家よ!」
ドヤァっと言わんばかりに目を輝かしている
「こいつめんどくさっ!と思ったが黙っとこう、どうでもいい事だ」
「口に出し取るわ―!」
スパーンと頭を叩かれた。
「で、どこに家があるんだ?」
俺の目の前には草原が広がるのみで何もない・・・そこで俺は自らの失言に気が付いた。
「へへへっ」
「冗談だ。素晴らしい家だな」
俺は目を下に向け言葉を訂正する。俺は基本無関心だが無神経ではない。心の病んだ少女を労わる気持ちぐらいは持ち合わせている。
「・・・何その憐憫の眼差し。考えてる事分かるんだけど?殺すわよ!」
助けておいて殺すか・・・俺はやれやれと肩を竦め両手を少し上げる
「手の施しようがないな」
「それはお前だー!」
スパーンと頭を叩かれた。
「全く、見てなさい・・・解除!」
ブレアが叫ぶと同時に立派な屋敷が突然目の前に現れる。恐竜の声を封じ、屋敷を隠す力・・・
「魔法使いか」
「不正解!」
ブブーと擬音を出して口の前に指でばってんを作るブレア
「私は魔法は使えないの、何れ使えればと研究はしてるんだけどね」
魔法ではないのか・・・まあどうでもいいか
「今日は遅いから明日ゆっくり話しましょ」
家に入るブレアの後に続こうとするとそれをブレアが手で制する
「何入ってきてんの?」
「・・・泊めてくれるんじゃなかったのか・」
ブレアにこっと笑い足元の草原を指差す。
「素晴らしい家が見えたんでしょ?そこに?どうぞそちらに泊って」
ふむ、どうやら魔法使いではなく悪魔だったか・・・まあどうでもいい事だ。




