表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/53

蠱毒

ケイジは全てを語らない


それはケイジが一人で抱え込まねばならない記憶


使われる事のない秘めた力と共に


ケイジの内に静かに眠る



――――――


「っ!」


突然ケイジを不愉快な感覚が襲う、それは魔力の低い生き物程抵抗出来ない

精神に対する侵食、魔力の高い生き物も少しづつ精神を侵されていく毒の呪い


心に湧き出るのは殺意・・・全てを殺せと内なる声が叫ぶ


強烈なまでの飢餓感・・・全てを喰らえと飢えが襲う


森は阿鼻叫喚の地獄と化した


「・・・何か変だな?」

「うきっ」(そうだな)


ケイジはいつもと変わらない、この森で魔力が最も低いケイジは

誰よりも早く精神に侵食されたが、決してその精神は揺るがない

逆に、今尚内に響く呪詛は更にケイジの精神を強固に鍛え上げていった。


ケイジの相棒の獣もいつもと変わりない、二人はいつものように

必要な分だけ狩り、あとは争いを避ける、崩れた食物連鎖は

森で1,2を争う強さを持つ二人には驚異となり得なかった。


狂った森の中で磨かれる二人の感覚は、殺意に塗れた森で

も細かな気配すら感じられるようになっていた。

今なら微かな風の変化さえ感じ取る事が出来るだろう。


ケイジが周囲の観察で気付いた事は、狂っているのは動物だけで

虫や植物には特に影響が出ていない。

食らった生き物は相手の呪詛も内に取り込む事になる、つまり

より狂う・・・(一体何がなんだか)気付いた事実は問題の解決に至らない。


数日もしない内に二人を除く、全ての動物は死に絶えた。

その瞬間呪いの最後の力が発動する、それは最後に残った生物を呪いそのものに作り替える。



それは最悪の禁呪・・・蠱毒



「ぐっ・・くそっ・・何・・だ?」

「ぐおおおん」(・・・)


ケイジの精神は決して揺るがない、しかしその体は未熟

魔力も少ないその体は、肉体を作り替える呪いを防ぐ手立てはない


苦しむ2人、薄れゆく意識の中でケイジが思う事は一つ・・・相棒だけでも


<<助けたい>>


ケイジの身体は唐突に変化する、それは呪いではない

体は人型の獣、その体毛は金色に覆われている

その身に宿った圧倒的な力は呪いを容易く弾き

呪いは使用者に帰る。


目が覚めた時、ケイジの前から相棒は消えていた


ケイジは理解していた。相棒がその身を賭して助けてくれたのだと。


後に得る知識で相棒がゴールドウェアウルフだと知る。




――――――


体験者の感じた事が真実だとは限らない


得た知識が真実だとは限らない


ケイジは未だ気づかない



真実に・・・










評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ