精霊使い
朝日の光が窓から差し込み俺の顔を照らす
眩しさに手で顔を庇い、目を覚ます、軽く手を伸ばし体をほぐす
厳しい生活習慣から早起きなのだ。
部屋から出ると、アルトの部屋に行く。
「おっす!起きてるか?」
「ふひゃあ!」
素っ頓狂な声を上げるアルト、なんだ?女じゃあるまいし
男の背中なんか見ても・・ぐびりっ・・っ!違うから!・・俺は男に興味ないから!
・・・どうもルウに続いてアルトと色気のある男と縁があるな。
「部屋に入る時、ノックするのは最低限のマナーですよ!」
「はい・・・ごめんなさい」
綺麗な顔を膨らまし、先日の気弱そうな姿は影を潜め、怒りと羞恥に
顔を真っ赤にしている・・・これは可愛いな・・・男だが。
俺もぐびりとなった手前、強く出れず素直に謝った。
「今日はどうされたんですか?」
「ん、アルトに精霊契約を薦めようと思ってな」
「・・・・只の励ましの言葉だと思っていました。契約の仕方をご存知なのですか?」
「ああ、契約に必要なのは二つ、精霊に好かれている事と、精霊と一つになる事だ」
「・・・後者は不可能に思えますが。」
「心配ない、精霊はより自分に近い存在、より白い精神の持ち主に惹かれる
精霊に好かれる事と、一つになる事はほぼ同義だ」
俺は床に魔力で文様を描き、其処にアルトを立たせ、指先を地面に向け
魔力を打つ、打ち込まれた地点から魔力が円を描き、やがて円の中を不規則に
走ると、アルトの体に飛び込んだ。
―――― アルト ――――
<こんにちは>
可愛らしい妖精が私の周りを踊ってる、楽しくなって手を取り一緒に踊り挨拶をする
<こんにちは>
その瞬間、私は風になった。
――――――――――
アルトの手の甲が薄く光る、契約は上手くいったようだ、、早いな、天才か?
「・・・・っ」
「どんな感じだ?」
「体が軽いです・・遠くが・・・まるで近くのように見えます!」
「精霊と契約すると、一部の力を取り込む事になるからな契約する程
強くなる、それが精霊使いだ」
「・・・ケイジさんは何者ですか?」
精霊の契約の話など聞いたこともないし、精霊に好かれていると
指摘してくれた教官もいない、何より教官を圧倒する力、全て規格外だ
「・・・子供の頃、俺に沢山の本を持ってきてくれた友人がいてね、そこで得た
知識だと思うんだが、よく覚えてないんだよね」
ちなみに精霊は昨日見えるようになったと、ケイジは悪戯っぽく笑う
その笑みにアルトの心臓の鼓動が跳ね上がる、、えっ?
「じゃあ手袋買いに行こうか!」
「えっ?」
「契約の印、手の甲に刻まれたからな、慣れたら隠すのは容易だが
それまでは手袋を使うといい、まだ寒い時期だし違和感もない、俺の奢り!」
契約祝いだと嬉しそうに言うケイジ
ずきゅーん
胸を貫く音がしたが、私の気のせいだろう
「・・・・・ゴメン金貸して」
「・・・最低です」
やはり気のせいでしたとアルトは呟いた。




