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イジメ

カァー、カァー


「はっ」


鳥の声に正気に帰る俺、辺りは薄暗く、学園を黄金色に照らしていた。

カードにはゴブリン討伐達成とあるが、ゴールドは手元にない。

現実に影響の出る夢?・・・分からん!

俺は考えるのを止めた。


「ん?」


精霊が集まっているな、、校舎裏か、、行ってみるか。

近づくにつれ喧騒が耳に入ってくる


「オラァ!」


蹴り上げる


「っ!」

「ハハハッもっと大声で鳴けよ豚!」


蹴り上げる


「っ!、、止めて、、下さい」

「止めないで下さいだろっ!」


蹴り上げる


「っ!」

「止めないで下さいだろっ?」


蹴り上げる


「止、、止めて下さい」

「やめないでくださいだろっ?」


蹴り上げる


「・・・止めないで・・下さい」

「了解!ハハハッ!」


背の高い男が、気弱そうな男に足を振り上げるのが、目に入った。

周りに2名、ニヤニヤとその様子を楽しんでいる。


「待てっ!」


俺は2人の間にするりと入り込み足を受け止める。


「あ?何だお前」


背の高い男、略してのっぽは邪魔をした俺を睨んでくる。


「俺の事などどうでもいい・・お前はこの学園に何の為に来た、その長い足で

そいつを蹴り上げるためか、違うだろう?」

「・・・」


思う所があるのか黙り込むのっぽ、俺は話を続ける


「お前の長い足は、ジュース買いに行ったり雑用に向いていると俺は思う!」

「あぁ?」


「喉乾いたから早速ジュース買ってきてくんない?」

「・・・ぶっ殺す!」


殺気立つ面々に俺は余裕を崩さない・・・何故なら


「教官!助けて下さい!」


すぐ其処に教官がいるのを知っていたからね!しかし反応がない?

俺は名指しで教官を改めて呼ぶ


「クリス教官助けて下さい!」


名指しされた教官は嫌そうな顔をしながらこっちに来た。


「っ・・・覚えてろ!」


逃げ出すのっぽ以下3名、教官はこちらに来ると


「また君か」


気弱そうな男を見下ろし苦々しげに吐き捨てた。


「は?この子虐められてた被害者ですよね?」


俺は率直な疑問を尋ねる。


「この子にも言っているが、虐められる方にも原因がある、つまり努力が

足りない、本人が何とかするべきだ。」


教官はしたり顔で答える、視線の先の男の子は手を強く握り締め、俯いている



「それは違うな!」



俺は断言する、顔を強ばらせる教官と、驚きに顔を見上げる男の子、教えてやる

いじめが始まる原因、その全てを!


俺は音もなく教官に近づき、神速を持って顔を殴る、反応すら出来ない教官

腹を殴る、音も無く崩れ落ちる教官を蹴り上げ元の姿勢に戻す。


「っ・・何故・・こんな」

「はぁ?これはいじめだぞ、原因くらい分かるだろ?」


「そ・・そうか・・私が悪かった、もう許してくれ」

「許してくださいだろっ?」


「許・・許して下さい!」

「許すわけねぇだろ?」


俺は腹を蹴り上げる、吹っ飛ばされる教官

わざと俺は距離を空けてやる。


教官職は冒険者を育成する為、全員が一定以上の強さを持っている。

まだ余力があるはずだ。


予想にたがわず教官は腰から剣を抜き、こちらに走りながら、魔法を唱える


「フレイムロンド!」


炎が俺の周りを囲み、一気に閉じる、対する俺は左手を突き出し

全ての炎を魔力に変換吸収した。

驚愕の顔を浮かべ、それでも止まらず剣を突き出す教官

目前に迫る剣を俺は無造作に右手で掴みへし折った。


「どおした?努力で何とかなるんだろ?」


「貴様・・・退学にしてやる!」


「無理だな!・・お前は今塵も残さず死ぬんだからな」


俺の右手に全てを滅する魔力が集う、教官は自分が間違いなく死ぬと理解した。


「止めてください!」

「分かった」


男の子の声に俺は手を止めた。


教官に向き問いかける


「俺の手を止めたのはこいつだ、あんたに俺が止めれたのか?なあ?教官、

俺が何故あんたを虐めたか、理解できたか?分からねえだろ?」


「・・・」

「いじめの原因より、いじめを止める事が最初だろうが!」


首を項垂れる教官、よし!心は折れたかな?4歳で捨てられた

俺にいじめを語るなど100年早いね!


俺は男の子に向き直る


「お前、名前は?」

「ア・・アルトです。」


「アルトは精霊に好かれてる」

「え?」


「精霊が助けを呼ぶのが聞こえたから俺は来た、精霊使いになれるな。」


精霊使いは世界に数人しかおらず、その力は途方もない、アルトは驚く


「そんなの見えた事ないです・・・」

「アルトは冒険者志望か?」


「えぇ・・」

「じゃあ俺が強くなるまで守ってやる、但し冒険者になったら借りを返せ、どうだ?」


「・・・よろしくお願いします!・・・あのっ・・お名前は?」

「俺の名はケイジだ、よろしくな!」


差し出した右手をアルトは強く握り返してきた・・・最高の笑顔で。





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