「僕は兵器二号」と少年は言った
ドォンッ
猪の魔獣ブラッドボアの巨体が地面へと倒れた音に男は安堵し、槍を下ろすと、水色の髪の少年に近づいた。
「さっきはありがとう。おまえの魔法のお陰で魔獣を倒せた。」
その言葉に少年は呆然とし、自分の手を見ながら僕が?と小さな声で返答した。
「それでおまえはどうする?今はあの黒ずくめの兵士はいないみたいだか。」
「僕は……」
じっとしてる少年に男は、手を前にだした。
「それなら俺と一緒に来るか?」
その言葉に少年は命令ですか?と聞いた。
男はさてどうしようかと思っていると、後ろから数十名の帝国の兵士や黒ずくめの兵士が現れた。
このままじゃ逃げられねぇ。
男は少年の体を抱き上げると、魔道具を取り出した。
次の瞬間、追ってきた兵士達の前に巨大な土の壁がせり上がる。
兵士達が足を止めたその隙に、男と少年は戦場から姿を消していた。
森に隠れた男は抱き上げた少年を下ろした。
「あぁ悪かったな急に連れて。」
「…………」
男はじっくりと少年を見る。服や髪はボロボロで手足は怪我をしてる。
ポーションで怪我は治せるが、どうするか?
「おまえ結構怪我してるし、俺が行こうと思ってる街に行けば医者がいる。」
「それまでは一緒に行くぞ!それでおまえの名前は?」
「……僕は兵器二号と呼ばれます。」
「それはおまえの名じゃない。」
「……あなたは?」
「俺か?俺はアーノルド、アーノルド・モルケルだ!」
戦場では黒ずくめの兵士達は逃げることに成功し、数人の兵士が逃げた少年について話していた。
「あのガキの事どう報告しますか?」
「ああ、ある方から指示されたが、あの方も『死んでも別に問題ない』って言われてるから、そんなに気にしなくてもいいと思うぞ。」
「そんじゃ死んだって伝えてきますね。」
「・・・・子供を兵器扱いするとは、背筋が寒くなるな。」




